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その180 オオカミ少女

「アッハッハ……さくまっちに気を使われるとは思わなかったなー」

 そう言って、私は苦笑する。

 私はそんなに酷い顔してたのかな……?

 私はオオカミ少女。

 人前じゃ絶対に真実を言わない。

 それが解ってて、サクは志保を連れて行ったのかもしれない。


 あの昼行燈め……。


 折角だし、甘えさせてもらう事にしたよ。


「……何よ何よ何よー…縁ちゃんの馬鹿ー」

 誰もいない部屋には、私の言葉だけが響く。

 誰かが聞いているわけではない、タダ自己満足に。


「私だってへーじと絡みたいよー……ちょっとくらい良いじゃない……欲張りー!」

 声は震える、子供の様に、駄々っこの様に。


「へーじもへーじよー!! 鈍感! 馬鹿! 変態! 貧弱男! ちょっとくらい気付きなさいよー!! ふっつー気づくでしょーが! しっかもあの二人のメンドクサさったら! 誰かがあいだにいなきゃ何もできないの!? んでもって何でそのあいだ取り持つのが毎度私なのよォォー!! う、うわぁぁーー!!」

 子供の様にワンワンと泣き出す。

 へーじの事が大好きで。

 そして同じくらいに縁ちゃんが大好きで。

 どちらにも幸せになって欲しくて、怒っても、嫌味を言っても。

 結局は二人を揃え様としてしまう。

 それが二人が望む事なら。

 それを否定する自分を押し殺して。

 好きなのに、自分から遠ざけようとして。

「縁ちゃんの馬鹿!! へーじの馬鹿ァァァー……」


 一番の馬鹿は。


 私だ。



 誰もいない部屋に、私の声は響く。

 誰も聞いていないから、本当の私でいられる。

 オオカミ少女の遠吠え。

 誰も聞かなくて良い。

 誰にも聞いて欲しくない。

 これは私の自己満足なのだから。

なんと180話めー

やーこの小説も長くやってますねー。

しかし、今回は中でも一番短いですねー

この話は、短く書きたかったんです。


ミナミナだって女の子なんです。。

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