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その179.不器用だから

 へーじさんが出て行った後、お姉ちゃんの表情から笑みが消えた。

 寂しそうに、辛そうにお姉ちゃんは俯いた。

「アッハッハ……世話が焼けるね」

 そう言ってか細い声で笑う。

 いつもの豪快な笑いはそこには無い。


「お姉ちゃん……なんで、あんなことしたの?」


「アッハッハ……」

 優しく笑う。


「狼少女はたっくさん嘘を付いて来たけど……自分にだけは嘘をつけないみたいだねー……」


 本当に寂しそうにお姉ちゃんは空中を見上げる。

 お姉ちゃんは、へーじさんが好きだ。

 だけど、『縁の事も好きなんだ』

 そこだけには、嘘をつけなかった。

 嘘を付けばずっと楽だろうに。

 姉は、何処までも不器用らしい。

 へーじさんにも、縁にも幸せになってほしくて。

 自分を後回しにする程に、あの二人の事が堪らなく好きなようだ。


 だけど、何処までも姉が報われなくて。

 私は、俯かずにいられなかった。


「…………ちょっといいか」

 先程まで黙っていたお兄さんが突然口を開く。

 何か気を利かした事を言ってくれるのかもしれない、と期待してしまう。

 私には、もう何も言えない。

 妹として、姉を一番良く知っている私には何も言えない。

 だけど、友人としてなら……もしかしたら何か言えるのかも知れない……。




「ちょっとトイレ言って来て良いか?」



 ……私は悪い子です、人に対してここまでの殺意を持ったのですから。


「あの……サクさん?」


「ん? 何? 志保ちゃん」


「じょ、冗談ですよね?」


「……志保ちゃんも行こうぜー?」

 そう言って私の腕を引っ張りだす。

「な、何言ってんですか!?」


「いーじゃんツレション、ツレション」

 

 ッ!? なななななな!?

「セクハラですよ!! 訴えますよ!?」


「ん? 歌えんの? いーじゃん! 歌ってよ!」


「歌うじゃないです!! 訴えるってんですよ!! ブン殴りますよ!?」

 ブン殴るとか初めて言いました。

 普段引っ込み思案の私ですが、お兄さん相手では冷静ではいられない様です。

 ギャーギャー言ってる内に廊下に引きずり出されてしまった。

 ドアがバタンと閉まる。

 部屋の中には、姉が一人取り残された形になった。


「なななななななんなんですかァ!? 非常識にも程がありますよォ!!」

 ここまで叫んだのも初めてです。

 看護師さんの睨む目で慌てて口を噤んだ。

 病院だと言うのを忘れていた。


 お兄さんはパッとスグに私の腕を放した。

「……ん、その通りだわ、俺はひじょーしきな人間だ」


「……え?」

 お兄さんの表情は突然変った。

 悪いな、と軽く私に笑ってみせる。

「俺ァ器用な事出来ねーからさ」


 お兄さんの表情は、ふざけてはいなかった。

 その意味合いは、すぐに理解する。


 ドアの先から姉の声が聞こえた。

 聞いた事が無い様な、弱気な声。

 きっと。

 私は勿論、お兄さんや縁、へーじさんにだって聞かせたくないだろう弱々しい声。



「ったく、メンドクセー女だよ……」

 小さな声で、お兄さんはそう零した。

 お兄さんは私を置いて廊下をサッサと歩き出す。


「あ、あの、どこ行くんですか?」

 私の言葉に後ろ手でひらひらと手を振りながら簡単にお兄さんは言う。


「オオカミの鳴き声が聞こえないトコ、五月蠅くて仕方ねーよ……」

 ……オオカミ程の気高き強気な生き物は、きっと自分の弱さを見せ無いだろう。

 だけど、それでも我慢出来ない時だって在る。

 声に出して、絞り出してでも今迄の全てが爆発する事だってある。

 しかし、そんな弱い所を見られるのはイヤだ。

 

 ……私はそんな矛盾を叶えてあげたくて。

 私も慌ててサクさんを追った。

 嘘吐きオオカミは、きっと今は唯のオオカミに過ぎない。

 牙も無くなる程に、オオカミ少女は鳴き続ける。

 今の私の最善のできる事は、きっと耳を塞ぐ事なんだと思った。

新規登録からの感想(メンドクサ!)になったのにそれでも感想を送って下さる方々に本当に感謝でゴザイマス!


最近、学校の友達の付き合いやら先輩の付き合いやら同期の付き合いやら……

人づきあいってメンドクサ!(; ̄д ̄)ハァ↓↓


私「さぁ! 小説書くぞ!」

携帯が鳴り出し呼び出し(; ̄д ̄)ハァ↓↓

次の日。

私「さぁ! 今日は一話くらい書きたいな!」

携帯が鳴り出し呼び出し。(´゜∀゜`)イラ

次の日。

私「さぁ! (中略)」

携帯が(中略)

私「……」携帯を取らない私。

携帯が鳴り止む。

私「よっし! しょっうせっつしょっうせっつ~♪」

その途端、玄関のドアが突然開いた!

私Σ(゜∀゜。)ビクゥ

友達「おーい! 遊びにいっくぞー!\(○^ω^○)/」

私「家までくんなよぉ~(ノД`)・゜・。(泣)」


安息は……まだまだ続きそうに無いですorz

 


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