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その170.ヤダ。 え? 嘘。

 何で、へーじが居るの……?

 誰を迎えに来たって?

 あたしなんて迎えに来る価値なんか無いのに……。


 死ぬほど嬉しいのに。

 へーじに会えて、迎えに来たと言ってくれた。

 王子様みたいに。

 

 でもあたしにそんな価値なんて無い。


 へーじを傷つけたのに……、へーじの所に向かわなかったのに……。

 あたしは、クズだ。



 なんで、クズを迎えに来たのよ。


「なんで……?」


 あたしの言葉に、暫し呆れた目線を向けてくるへーじ。

「『助けるのに理由は要らない』って、君なら言いそうだけどね?」


「……あたしが? 確かに言いそうよね……馬鹿みたいに」


 そう、馬鹿みたいに。


 馬鹿にした様に鼻で笑った後、心の中のドス黒い物がこみ上げる。


「……らしくないね」


 へーじの何となしの言葉に、ドス黒い物が更に膨れ上がる。

 

「あたしらしいって何さ……?」


 そしてドス黒い物が弾ける。


「正義の味方で居るのがあたしらしいって事でしょ!? じゃあ正義じゃ無いあたしって何!? 何も無い!! あたしには……何も!!!!」


 へーじに向かって言っても意味が無いのは解ってる。

 只の八つ当たりでしか無いのは解ってる。

 解ってるのに……。


 止まらなかった。

 


 正義が無いあたしには何も無い。


 涙がポロポロと流れて来る。

 へーじに何か……見せたくないのに。

 次から次へと涙が零れる。

 

 それを誤魔化すように、次から次へと……自虐の言葉が零れていく。

 あたしがが一番嫌いだったはずなのに。

 自虐的な人間が、後ろ向きな人間が。


 あまりにも自分が滑稽で、馬鹿らしくて。


 もう、どうでも、良い。




「どうでもいいけどさ」



 呆れたようなへーじの声。


 そう、どうでも良いよね。


 へーじがそのまま帰ると思った、だから口をつぐんだ。

 呆れたでしょ? 愛想を尽かしたでしょ?


 帰ってよ。


 あたしなんて、ほっといて良いから。

 あたしに、そんな価値は無いんだから。




 大きな溜息が聞こえた。


 何故か、心が痛んだ。

 心を痛める価値すら、あたしには、無い。







「いい加減僕の好きな人の悪口止めてくんない?」






 さもどうでもいい用に、当たり前の様に。


 彼は言った。


 最初は言った意味が読み取れなかった。

 ……好きな人の悪口? 何言ってるのよ……あたしは、自分の悪口を……!?


 嘘。


 ヤダ。 え? 嘘。


 混乱する頭、慌てて顔を挙げた。


 へーじがあたしを見下ろしていた。

 優しい瞳があたしを見つめる。


「……え?」


 疑問と驚きで零れたのはこれだけだった。  



「そ、それって?」

 慌てて聞きなおしてしまう。

 そんな馬鹿なって。

 あたしには、そんな『価値』も無いはず。



「自分で考えろよ」



「え、だって……」


「何度も言いたくないし、僕も恥ずかしい、オッケー?」


「お、オッケー……」


 そこで顔を下げてしまう。

 心臓のドクンドクンという音が五月蝿い。


 まるで耳元で鳴っているのか様に、五月蝿い!


 顔が熱い。


 顔を、挙げれない。


 へーじを見たら、どうにかなってしまいそうだったから。


「だ、だって!」

 沈黙に耐え切れなくて、あたしは声を荒げた。

 しかし、顔は挙げられず、地面に向けて叫んでいた。


「あ、あたし何て、暴力的だし、口調だって女の子らしくないし、志保みたいに可愛くも無いし水歩さんみたいに綺麗じゃないし! あ、あたしみたいな女に……!」


「何度も言わすなってば、好きな子の悪口聞いて嬉しいわけ無いだろー」



「―ッ!」


 もう、何も言えない。

 何かを言おうとしても何も言えない。

 パクパクと動く口だけ。


 あたしはこんなにテンパッてんのに、何でアンタは冷静なのよ……!



 やめて……やめてよ……おかしくなりそう……

最近のギャグの無さに私自身が脱帽orz

あれ、この小説ギャグだったような(遠い目)

……それも過去の話(透き通る目)

っていうか二人のラブ×2っぷりに書いてる私の方がイライラするんですが(^ω^♯)ビキビキ




ブログの方で現在何処まで小説が出来ているのかを入れていますので良かったらブログも方もどうぞw

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