その148.再び出会った蛍光野郎、、、灰色の世界に僕は居た
ここは、何処だろう?
僕は撃たれた。
そこはハッキリと覚えている。
目の前に広がるのは灰色の世界。
距離感が掴めない程に世界が一色なのだ。
これが……死後の世界か?
『もう死んだ事を考えてるんだ?』
僕の考えを読み取った声が後ろから聞こえた。
聞き覚えの在る声に慌てて振り向いた。
そこに居たのは。
いつかの白く輝く人間。
聞き覚えが在る筈だ。
アイツは『僕』なのだから。
以前に散々否定したわけだけど。
もう否定はしない、というか否定がめんどくさい。
前の時は、花畑だったっけ。
今広がる世界とはまた違った。
前回の時に名付けた蛍光野郎。
以前は僕が殴られた所を赤くしていた。
今は胸の所だけ赤くなっている所を見ると、やはり僕は撃たれていたらしい。
「またアンタか……」
もう何に対しても驚かない自分に寧ろ驚きだ。
そんな僕の姿を見た『僕』は、呆れたように肩を竦めた。
「だから言ったろ? あの子に関わったら不幸になるって……」
いつかに言われた言葉。
そういえば、そんな事も言われたっけ。
だけど後悔はしていない、不幸だなんて思っていない。
『本当にそう思ってる? 思い直してみろよ』
んな事言われても……。
そりゃ殴られて、蹴られて、暴言まで吐かれてさ。
まず第一関わらなければ僕が撃たれる事も怖い思いをする事も無かっただろうに。
それでも。
僕はあの子に関わらなかった場合の事を考えられないんだ。
なんとなく笑ってしまう。
あの子を見る度に溜息を付いていた僕なのに、
思っていた以上に僕はあの子の事を『嫌いじゃない』らしい。
「悪いね、僕はあの子に関わらなかった事の方が……後悔してただろうさ」
不思議そうに『僕』は首を傾げて見せた。
『……好きなの?』
「は、はァ?」
『僕』の突然の言葉に焦ってしまう。
僕はあの子の事を好きなのでは無い!
『好き』じゃなくて『嫌いじゃない』、だ。
「そ……そんなわけないだろ!」
無意識に声色が強くなってしまった。
普通に否定すれば良いのに、何故か強く声が出た。
『好きなんだ』
そんなわけないって言っただろ!
何かいやらしい言い方にムカついた。
「だから違うって!!」
『好きなんだ』
しつこく何度も同じ事を言われるのに腹が立った。
何なんだよコイツ。
ッ!
……しつこいな!!
「僕自身が好きじゃないって言ってるんだから好きじゃないんだって!!」
『僕も君自身じゃ無いか』
そこで言葉が詰まった。
僕は彼を僕自身だと認めてしまった。
その言葉を否定する言葉が見つからない。
『……じゃー嫌いなんだ?』
「オフコース!!」
『僕』自身の言葉に素早く反応していた。
もう『嫌いじゃない』って言葉を思った事も無かった事にしたい。
自分で言ってあれだけど……オフコースって何だ。
『ま、どっちでもいいけどさ』
どっちでもいいのかよ……こいつが自分なのは解ってんだけど腹立つな。
これが俗に言う同属嫌悪って奴か、あー腹立つ!
返信も出来ていない状態でしかも更新遅れてごめんなさい。。。
色々あったんですよ(TT)
その色々についてはまた後書きにでも・・