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その132.縁の本気

GW中に更新する事はありません、ごめんなさい(汗)



 チキショウ……チキショウ……俺は金が手に入るって聞いたから参加しただけだ。

 まさか、警察が来るなんて……八木の野郎……フザケやがって……何が簡単だよ……。

 これでたすからなかったらぶっ殺してやる、あの野郎。


 俺以外は全員ガキを追っていきやがった。

 クソ……面白くねぇ。

 

 イライラしつつ、見張りを続ける。

 その時、一人の女と目が在った。

 その女が俺に向けている視線は、他の人質共と違った。

 俺に対してへの恐怖の視線では無く、あまりにも堂々と殺意を向けた視線であった。

 完全に俺を睨んでやがる……人質の分際で。

 人質共が俺を恐れるのはとても気持が良かった。

 俺の気分でお前等はどうとでも出来る。

 そう思うと、笑みが漏れそうになる。


 なのに……なんだその目は。


 俺は女の目の前まで来ると立ち止まった。

 女は何も言わず只ひたすらに俺を睨む。


 ……っへ、脱がされそうになってた女じゃねぇか。

 丁度ストレス解消が欲しかったんだ。


「おい、何睨んでんだよ」


 女は俺の言葉に反応を示さない。


 ッチ、ムカつく女だな。


「何睨んでんだって言ってんだよ、コラ」

 そういうと女の顔を軽く叩く。

 掌で小さな音を立てるぐらいに叩くと、女の視線は俺から外れる。

 真正面を向いていた女の顔は俺が加えた力によって今は横を向いている。


 だが、直ぐに女は俺の方に顔を向けた。

 そのまま再び俺を睨みつける。


 んだよ、コイツ。

 ウゼェな、うぜぇ、うぜぇ!


「おい、殺されてーのか? アァ?」


 女の胸倉を掴もうとした瞬間……。


 パァン。


 短い乾いた音が響いた。


 頬が熱い。

 今度は自分が女の方から視線を外し、横を向いていた。

 一瞬何が起こったのか解らなかった。

 だが、呆然とした脳がゆっくりと動き出していくと、何が起こったのかが解る。


 この女が俺の頬を叩いたのだ。

 俺と同じ様に平手で。

 だが、俺の様に軽く叩いたわけでは無い。

 頬がヒリヒリするのだから、そうなのだろう。


 沸々と怒りが湧いてくる。

 


「このクソ女がァ!」

 吐き捨てる様に俺はそう言うと拳を振りかぶった。

 この女に自分の立場を解らせてやる!

 女の顔面に向けて力任せに拳を伸ばす。

 

 周りから人質らしいどよめきや悲鳴が聞こえる。

 お前らも見ておけ、俺に逆らったらこうなるんだよォォ!!

 誰もが、非力な女の子が殴られると思った。

 

 だが、


 男の拳は、縁の掌に受け止められていた。

 理解が出来ず、一瞬呆然としてしまった。

 渾身を込めた拳が、非力である筈の女に受け止められたのだ。

 ありえない状況に頭がついてこなかったのだ。


 女は、俺をゆっくりと見上げる。

 ハッキリと睨みつける大きな二つの瞳。


「何よ、これが本気?」

 馬鹿にした様に女は鼻で笑った。

 その後、直ぐに。


 バキャァ! と、何かが砕けた音が耳を貫いた。

  


 女が、俺の拳を握り締めたのだ。


「ぎ、ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 自分の声とは思えない程の悲鳴を上げていた。

 女が手を離すと、慌てて離れる。

 血だらけの掌は、骨が粉々になり、あらぬ方向を向いていた。

 悲鳴を上げながらメチャクチャになった手を振り回す。

 

「あ…ああ……俺の手が、手がァァァ……」 





「っは! 非力な骨ね! アンタ牛乳飲んでんの?」


「んだとテメェェ!」

 女の吐き捨てる声に、痛みを忘れ、怒りが湧いてくる。


「このクソ女がァァァ!!!」

 潰されていない手でポケットに入れていた拳銃を抜き取る。

 そして忌々しい女に拳銃を向けた。


「ッ!」

 俺は照準を女に向けると、引き金に指を掛ける。

 

 くたばれクソ女ァ!!


 指に力を入れようとした瞬間、

 腕に激痛が走った。

 

 女が俺の腕事、拳銃を蹴り上げたのだ。

 

 

 勝ちを確信していた俺は、女の予想外の行動に、呆然としていた。

 そのまま飛んで行った拳銃を見てしまっていた。


 我に返り、慌てて拳銃から視線を外すと、

 女が丁度体を回転させているのが見えた。

 完全に俺に背を向ける程に体を回し、


 その回転の反動を使い、体がグルンと回る。

 

 そのまま繰り出された蹴りは、俺の横腹に突き刺さった。


「ぐぇぇ!!」

 信じられない威力の回し蹴りで体が宙に浮いた。

 腹の中を全て吐き出させられたと思う程の威力が腹部を貫いたのだ。

 

 そのまま床に、頭から落ちた。

 ガン! という音の後、意識が薄れていくのが解った。


 他の人質共の歓声の様な物が聞こえるが、それも遠のいていく。


 最後に女の声が聞こえた。


「へーじを……追わなきゃ!」


 この女ァァ……覚えてろよ……。

 最後に憎しみを込めて女に復讐を誓うと、俺は意識を失った。

Q問題です。メロンを握りつぶし、モデルガンを握りつぶし、しまいには人間の拳を握りつぶした縁の握力は何kgでしょうか。


友人(^ω^)……。


友人(^ω^)「ゴリラです」



私(^ω^)「正解♪」



゜・゜*・(゜O゜(☆○=(`◇´*)oコノヤロー!!(縁)

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