その123.臆病者の戦い方
銀行内の廊下を全速力で走っている。
後ろで揺れる小さなバックが邪魔に思えてしまう。
心臓がバクバクと鳴っている。
怖い、怖い、怖い!
ひたすらに、怖い。
後ろにはまだ見えないが、銀行強盗の男達はきっと僕を追っているだろう。
銀行員の人に銀行の構図を聞き頭に叩き込んだ。
僕が銀行強盗を引き付けている間に人質達は逃げ出す寸法だ。
しかし、さすがに全員が僕を追ってくるとは思えない。
後の1人2人は残るだろう。
それは縁に任せるしかない。
今は、僕自身のやり方であいつ等を引き付ける。
離れすぎたら戻られる可能性も有る。
付かず離れずを上手くやっていくつもりだ。
…………。
戦う、戦うんだ!!
後ろから男達の走る足音が聞こえてきた。
もう追いついて来た……。
跳ねる鼓動を自らの右手で強く抑える。
僕の脳裏に浮かぶは不安そうな表情な彼女。
大丈夫、キミにそんな顔をされたら死んでも死に切れない!!
走る足を止める。
もうじき追いついてくる男達の方を向く。
曲がり角で見えないが確実にアイツ等は直ぐに来る。
子供用のバックを肩から下ろすとバッグのチャックを開ける。
一度深呼吸をしておく。
見せてやる、臆病者の戦い方をォォォォ!!!!。
走る音が近づいてきている。
見えない先である角を睨み付けた。
掌で転がしている数個の丸い玉。
走る音はもう直ぐそこまで来ている。
あと少し……。
自分の考えている丁度のタイミングで角から覆面の男が飛び出してきた。
相手がコチラを確認するよりも早く、顔面に向けて玉を一つ思いっきり投げつけた。
パァン! という破裂音と共に白い粉が辺りに飛び散る。
「ギャ!」
短い悲鳴が聞こえたが、悪党に同情の余地無し。
その次に出てきた覆面にも同じように思いっきり投げる。
短い悲鳴と飛び散る粉。
次の覆面にも同じように投げるも、流石に見えていたらしく避けられた。
外れた玉は壁にぶち当たりパラパラと粉を撒き散らす。
「テメェ……ガキィ……」
殺意を込めて僕を見るカスに、答えるように笑顔を向ける。
「あ? てめぇ何を笑って」
そこから覆面の男の言葉は続かなかった。
「ハックッシ!!」
大きなクシャミ。
それが合図のように他の二人も合わせた様に苦しみだした。
「ゲホ!ゲホ!」
「ハーックシ!!」
「アッハッハッハ!! どーしたカス共! 風邪気味かァ!?」
目の前で苦しんでいる三人を見て大声で笑い声をあげて見せる。
「てっめぇ!」
ボロボロと涙を零しながら覆面の一人がドスの利いた声を上げる。
「オイオイ! 目を赤らめて言っても怖くないって!! アッハッハッハ!」
最早こっちの方が悪役っぽい様な気もしてくるが細かい所は気にしない。
投げた丸い玉は折り紙で包んだ物、中身はコショウ。
調理に使われるコショウだ。
ビニール袋に入っていた物から拝借させて貰った。
コショウを入れて丸めた簡単な爆弾だ。
覆面で顔が密閉されている奴等にとって、目や首の隙間から入ってくるコショウの粉はダイジェストに食らうわけだ。
ザマーミロ!!
苦しんでいる覆面達を前にして、僕は再び走り出す。
「ま、待ちやがれ!」
覆面の一人の声が聞こえたが、誰が待つか!
「待てと言われて待つ奴がいるんなら見てみたいわボケェ!!」
一瞬だけ振り返ると、捨て台詞宜しくと共に中指立ててファックユー(笑)
追いかけてきている人数を確認する事は出来た。
三人、っという事は人質の見張りに残ったのは一人。
一人ならば縁に任せられる。
先程の苦しんでいた覆面達を思い出して笑みが零れる。
僕は……戦える。
大丈夫だ。
大丈夫!
自ら言い聞かせるように心の中で、そう呟いた。
今迄にたいりょーの誤字があったと思います。
それについて全体的に教えてくださった方がいらっしゃいました……
まずは、その方や、他に誤字を教えてくださった方にも、ありがとーございましたm(−−)m
そして・・・・・・・・・・・
すいませんでしたぁぁぁぁぁぁ!!!!
様々な誤字、本当にゴメンナサイでしたー;;
そして何よりも、キャラの名前を間違える……。
いっちゃんやっちゃいけない事を(泣
これはアレです。
実は、暴力熱血女とアウトサイダーと、後、公開してない小説とが……。
そのキャラ達が頭の中で、ぐ〜るぐ〜る、と……はい言い訳でした、ゴメンナサイデシター(三回目)
こんなで小説家になりたいとか笑えますね。
もっと勉強しますよ!
こんな馬鹿ヤローの小説ですが、これからも宜しくお願い致します!
感想や評価、力になっております。
これからも、ご指導宜しくお願いいたしますorz(土下座)
終わりまで突っ切るぞー!!