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その121.アタシの中での、へーじという存在

 お、落ち着けアタシ……あれは貧弱男のへーじよ?

 あんなのに何を照れてんだ!!

 そ、そりゃ、さっきのへーじはちょっとカッコ良かったかも……かもだけど!

 

 そう……そうよ! これは照れてるんじゃ無くて、この銀行が暑いのよ!!

 うん! 確かに暑い!! あー、あっついなー!!!


「ママー……寒いねー」


「そうね、まだ冬は終わってないからね、でも今はジっとしてなさい?」

 

 …………。

 なんて、親子の小さな戯れな声が聞こえた。

 ……うん、感性は人それぞれ、アタシは暑いの、うん、うん。

 

 何とか自分に言い聞かせる。

 一人、うんうん、と頷いている姿は周りから見れば妙に見えるだろう。

 だが、そんな事を気にしている余裕は無い。

 

 ……だって、顔が暑いのは事実だし。

 体は正直に寒いと思う。

 だが顔は暑いのだ。

 耳まで暑いのだ。

 

 それが何故かは、アタシには解らない。

 解りたくないだけなのかもしれない。


「縁」


「!?」


 アタシの名前を呼ぶ声。

 考え込んでいたので、突然の声に非常に驚いてしまった。


「っぴゃい!?」


 変な声で返事を返してしまう。

 それ程に驚いていたのだ。察してほしい。

 

「何その声……大丈夫?」

 呆れたような、馬鹿にしたような、先程アタシの名前を呼んだ声。

 真後ろの直ぐそこで聞こえる声に、当然誰なのかはわかっている。


 へーじ。


 そういえば、へーじはアタシの名前をあまり呼ばない。

 だが、今日は良く呼ばれている気がする。

 なんだか変な感じ。


「……何よ」


 振り向かずに、素っ気無く言って見る。

 アレだ、決して赤い顔が見られたくないとか、そんなんじゃ無いから。


「……あのさ」


 顔は見ていないが、どうにも深刻そうな物言いだ。

 どうしたのだろう?

 ジッとしていれば警察が助けに来る、と、へーじは言った。

 一番冷静だったへーじが、今更深刻そうな声を出すのはおかしい。


「僕が死んだら、イヤ?」


 ……? 何を言い出すんだろう? この男は。

 だが、その言葉の意図は取れない、けど冗談で言っている様には見えない。

 だからアタシも正直に言おう。


「イヤに決まってんでしょ」


 振り向かなくても、へーじが動揺したのが解った。

 なんだかんだで、へーじは解りやすい気がする。


「あ……そ」

 なんと曖昧な言い方。

 こっちは真剣に言ったのになんだそれ!

 流石に腹が立ったので、振り向く。


 そこに俯いているへーじが居た。

 折角振り向いたのに、顔は見えない。

 へーじはアタシが振り向いたことにも気づいていないだろう。


 何も言わないまま、へーじは俯いている。

 

 なんなの?


 だが、へーじは顔を直ぐに挙げると、アタシを見据える。

 いつものめんどくさそうにしている表情とは少し違う。

 何かを、決意した様な表情。


「もしも、銃を持っていたとしても一人なら君は確実に倒せるか?」


 突然捲し立てるへーじ。

 その言葉を言われた後、つい数秒固ってしまった。

 そんな事をいきなり聞かれたのに焦ったのだ。


 その後、アタシは慌てて答える。


「一撃で決めれれば、多分」


 アタシの言葉を聞いて満足した様に頷く目の前の貧弱男。


「覚悟を……しておいて欲しい」


「え?」


 いくらアタシが馬鹿でも、その言葉の『覚悟』の意味ぐらいは解る。

 だが、それでも聞いてしまう。


「それって……どういう事?」


 アタシに近づいて来ると、へーじは耳元で言った。


「戦う」



「!!」


 貧弱男の言葉から、予想外の言葉が出された。

 闘う? 誰が?


 へーじが?


「…………アンタ本当にへーじ?」


 アタシの言葉にへーじの真剣な顔は呆れた顔に早変わり。

 

「おい……カッコつけさせてよ」


 何か妙にご不満だったらしく、へーじはムスッと唇を尖らせる。


「大体、ジッとしてりゃ助けてくれんでしょ? 何よいきなり?」

 へーじに合わせた様にアタシの声も小さくなる。


「状況が変わった、奴等、僕達人質を全員殺す予定だ」


「!?」

 動揺を見せたアタシの耳元で冷静な声が入ってくる。


「落ち着け馬鹿、だから戦うって言ってんだ」

 へーじは、警戒した様に後ろに視線を向けている。

 釣られてアタシもそちらを見る。

 銀行強盗の男達は変わらずに見張りをしている。


 ッホ、とした所で視線を再びへーじに。


 戦うって……アンタみたいな貧弱がどうやって。


「アタシが戦っても良いなら戦うけど……流れ弾が他の人達に当たるって……」

 へーじは最初にそう言った。

 闘う事に抵抗は無い。

 銃を恐れているつもりも無い。

 だが、周りに被害が行くなら抵抗が出る。


「そうだ、『君じゃ』無理だ」


 ム、なによその言い方。


「じゃぁ誰なら出来るのよ」


 へーじは、親指の先端を自分に向けると、自らの胸を軽く叩く。


『……僕が、戦う』


 やっぱり、へーじが戦う?

 力もなければ別に格闘技が出来るわけでも無いへーじが?

 ……どうやって?

今から一人暮らしが始まろうとしています。。

あーー!緊張するぅぅぅ!!


それはそうと、友人の絵を貼り出すことに成功致しました〜><

その絵がコチラです。

http://161.mitemin.net/i619/

http://161.mitemin.net/i620/

http://161.mitemin.net/i621/

http://161.mitemin.net/i622/


っというかなんで縁ばっかりやねん(−−;)

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