表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
115/189

その114 男の考えを逆手に取れ!! ……んで、君の考えだけは読めないよ……。

 言葉を選べ、目の前の死を回避しろ!!

 このリーダーの男は頭が良い。

 何が自分のマイナスになり、何が自分のプラスになるかを考えて行動している。

 ならば、この状況を、男にとってのプラスの状況にするんだ!


「警察という事態からの危険のメリットからしては、手に入れたお金は少ないんじゃない?」


 外からファンファン、という音が薄らと聞こえる。

 警察は既に外に来ている。

 男の計画が崩れたのは、男の部下のミスと、僕達というイレギュラー的な存在。

 そのせいで、警察という大きなマイナスが出来てしまった。

 この男が考えるのは。この危険に相した自分たちの今以上のプラスが欲しい所だろう。


 ならば。


「アンタ等が破った普通の金庫以外とは、別に金庫があるとしたら?」


 男の空気が変わった気がした。

 僕は追いうちのように続けざまに言う。

「これだけ大きな銀行だ、、別に金庫があってもおかしくない、そしてその金庫の居場所、もしくは暗証番号を知っているのが、アンタの撃った男性だとしたら?」



「……何故それを貴様が知っている」


「知っているわけじゃない、ただ、この男性の格好は銀行員の中でも上の人間、しかも周りからもえらく信頼されてるようじゃないか、保険用としての金庫ってのは実際良く聞くし、可能性は低くは無い、寧ろ高いと考えて良い」


「……」

 男が黙り込んでいるのが解った。

 考えているのだ。



「………おい、本当か」

 その言葉は僕に向けて出ないのは直ぐに解った。

 近くで見守っていた先ほどの女性の銀行員が強張った顔を見せたからだ。


「さっきも言ったでしょうが、保険の為に他の銀行員には知らされてないんだって」


「黙れ、お前に聞いてねーんだよ……次に許可も無く喋ったら殺す」


「……!」

 ……本気、だな。

 押し黙る僕に、女性の銀行員が脅えた表情を僕に向ける。

 悪いけど……今しゃべると殺されるから、そっちで対応してくれ。

 まぁ、アナタの一言で僕が死ぬかどうかも決まるけどね。


「おい、答えろ」


 男の鋭い言葉が飛ぶ。


 怯えた表情のまま、女性の銀行員は唇を震わせながら口を開く。

「た……確かに、そういう話は聞いた事がありますが……本当にあるかどうかは……」



 ……行けるか?




「……可能性が有るのなら、その男が目を覚ましたら呼べ」


 僕の頭から冷たい感触が去って行った。

 それと共に男が去っていく足音が耳に入る。


「ッハァ〜〜……」

 大きく息を吐く。

 体が一気に脱力する。

 いや、イカンイカン、さっさと縫ってしまおう。

 殆ど縫った後だったから血は止まってきている。

 だが、止まっているわけでは無い。

 油断は出来ない。


「へーじ……」

 油断出来ないって考えてる時に何話しかけてきてんの馬鹿。

 手を止めずに呆れた視線だけを向ける。


「さっきの、本当なの?」

 縁が不思議そうに僕を見ている。


 僕は誰にも聞こえない様に出来るだけ小さな声で、

 

 縁に言った。





「…………いや、嘘、ハッタリ」


「……へ?」


 縁が間抜けな声を零した。

 それと共に縫うのは完了した。

 縫い止めをした後に、消毒薬を湿らせた服を傷口に巻く。

 その動作をしている時も、縁は口を開けたまま固まっていた。


 ……まぁ、当然でしょーが。

 苦し紛れの大嘘。

 寧ろ良く信じたもんだ。

 多分、あの女性の銀行員が話を合わせてくれなかったら、僕は死んでいただろう。

 取り合えず、その女性に向かって頭を下げておく。


 銀行員の女性は、顔を強張らせつつも笑顔を返してくれた。

 ……怖かったろうに、ありがとうございます。


 再度頭を下げる。

 強い女性だ。


 そんな事を思っていると、突然頭に衝撃が走った。

 目の前に星が飛んだ気がした。

 くらくらする……。

 い……いったぁ〜……。


 まさか先程の男が!?

 慌てて頭を上げた。

 その先に、


 何故か不満げな表情をしている縁が居た。


 ……あれ?

「今、殴ったの……君?」


「そうよ!」

 

 そんな堂々と答えんでも!

 え! 何で殴ったの!?

 必死に死を回避しつつ、男性を助けた僕に、甘美の称賛で無く、打撃!?


「ちょ! 何で殴ったの!? さっきのより痛かったんですけど!!」

 さっきというのは、ボーズ頭の男が僕を後ろから殴ったソレだ。

 それより痛い……何か怒りが篭ってる気がする……。


「べっつにー! アンタがいやらしい眼で見てたから!」

 いやらしい眼……? さっきの女性の銀行員に、か?


 は!? なんじゃそりゃ!?


「見るかアホ! この状況でそんなの考えんわ!!」


「っは! どーだか!」

 何を怒ってんだ? わけわからん奴だな……。

更新が遅れてすいませんでした。。。

大学の準備って大変ですね〜^^;

まぁ、オンラインはやってますけどね!?


はい、すいません、調子乗りました……。

殴れよ!殴れよォォ!!こんな私を殴りたかったら殴ればいいじゃない!! 私は逃げも隠れもしないさ!!!


あ、すいません、殴るんなら優しく……。

ハムスターと共に過ごす様に優しく…。


だって怖いんだもん! 仕方無いじゃない!!←ヘタレ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ