表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/189

その109 唯の休日だった筈なのに……僕達は、どうなる

 あまりにも巨大な銃声音に目を瞑ってしまっていた。

 静まり返った後に、慌てて銃口を向けられていた縁を見上げた。

 確実に撃たれたと思った。

 だが、

 縁は今も男の方を睨んでいた。

 何処にも怪我が無いのを確認すると、ホッとする。


 では、今の銃声は?


 男の方を恐る恐る見る。

 男の視線は縁から、別の方向へ変わっていた。

 そして銃も縁の方を向いておらず、視線を向けている先に向いていた。

 真横に向いた銃から、白い煙が上がっている。


 次に、その銃の先を見た。

 うつ伏せになっている筈の人達の中、唯一人立っている男性が居た。

 年を大分過ぎたと思われる40前と言った具合の男性。

 格好はキッチリとした制服で、銀行員であることがわかる。

 

 沢山の机が並ぶ中、目の前にある机にうつ伏せになるように倒れた。

 その後、その机に真っ赤な液体が広がる。

 生々しい色合いや、その流れる量に寒気が走った。


 それを僕は見ることが出来た。

 と言う事は、縁にも見えている筈だ。


 案の定、ボーズ頭の男に向けて走り出そうとする縁。

 表情は、怒りで真っ赤になっている。

 視線が自分から外れている今のうちに仕留めるつもりだろう。


 しかし、僕は見逃さなかった。

 この状況で、あのボーズ頭の男一人だけだなんて安直に考えられない。

 一人だけならば、こんなに大きな銀行を制圧するのは幾ら何でも難しいだろう。

 あいつを倒したところで、他の仲間が居るのは確実だ。

 他の仲間達が銃を持って助けに来られれば、縁の奇襲の意味は無くなる。

 それどころか、相手を逆撫でしかねない。

 銃を持った人間がどう出るか何て考えたくもない。


 そこで僕は、縁の腕をまだ握っている事に気づく。

 縁が走るよりもワンテンポこっちの方が早く、その腕を思いっきり引っ張った。

 足を前に体重に掛けていた分、後ろへの注意は無かった様だ。

 縁は、僕の力で簡単に尻もちを付いた。


 止まってくれたことに僕は胸を撫で下ろす。


 縁は尻もちを付いたまま、直ぐに僕の方を振り向いた。

 その目には怒りが篭っている。

 何故止めた! そう言っている様だ。


 そして、縁が僕に何か言おうとしたのと、警報音が鳴り響いたのは同時であった。

 ジリリリリリリリリリリ!!! というけたたましい音が耳障りに響く。

 銃を持つ男がギリッと悔しそうに歯噛みしたのが解った。

 中年の男性が……警報装置に触れたのだ。

 多分、机の後ろにでもあったのだろう。





 四人の男が慌てた様子で銀行の奥から出て来た。

 四人全員が黒い覆面を付けていた。

 顔がバレない為の意味合いだろう。

 男達が手にしている大きなバッグから大量のお札が零れていた。

 そこで予感は確信へ変わった。

 こいつらは……銀行強盗だ。

 先程の銃声と、この耳障りな音に駆け付けたのだろう。

 このボーズ頭の男も当然仲間だろう。

 そこで何気ない疑問が浮かぶ。

 このボーズ頭の男だけ、覆面を被っていない。

 堂々と表情を見せている。


「警報装置を押された! もうじきここにサツが来るぞ!」

 ボーズ頭の男の言葉に、

 バッグを持っている覆面の男達全員が慌てた動作を見せた。

 黒い覆面をしているが、

 覆面の下はきっと青ざめた表情をしているだろう。

 ボーズ頭の男は、四人に向けて怒りの声を放つ。

「何故ドアに鍵を掛けなかった!!」

 つまりは、僕達二人に気を取られてる内に、

 中年の銀行員男性に気づかなかったのだろう。

 結果警報装置が鳴った。

 僕等が外から見た具合では、

 銀行が襲われているなんて欠片も考えていなかった。


 四人の男達は全員視線を合わせ様としていなかった。

 直ぐに男達が怯えているのが解った。

 つまり、このボーズ頭の男がリーダーなのだ。

 ボーズ頭の男は大きく舌打ちする。 

 その後、直ぐに四人に命令を下した。


「全員を一箇所に集めろ! その後に、何でもいいから入口を固めろ!! 良いな!!」


 男の怒声と共に、四人の男が慌てて動き出す。

 全員がそれぞれ銃をカバンから取り出していた。

 周りの這い蹲っている人間達の息を呑む音が聞こえる様な気がした。

 実際は今も鳴り響く警報音で何も聞こえないのだが、

 周りの人たちの表情は恐怖で一色になっている。

 銃を持った男達は、這い蹲っている人間達を集めだした。

 全員が怯えながら直ぐにに行動に映っていた。

 撃たれた男性を見た後では、恐怖も強くなっているだろう。


 ボーズ頭の男が、今度は僕達の方を向いた。

「おい、ガキ共、あそこで寝ている奴も連れてこい」

 顎で指した先に、先程の勇気ある行動をとった中年男性が居た。

 今も血を流している。

 縁はボーズ頭の男を思いっきり睨んだ。


 その眼には、堪え切れない怒りを表していた。

「……解った」

 僕はそれだけ言うと、再び縁の腕を引っ張った。

 縁は腕を振り払うと、僕の腕を無理矢理剥がした。

 縁はもう一度、キッ!と力強く僕を睨む。

 止めた事を怒っているらしい。

 だが、無言で中年男性に向けて歩く姿を見ると。

 取り合えず言う事を聞く事にしてくれたらしい。


 二人で、双方から中年男性を担ぐ。

 机から離れる際に、ドロッとした血が見える。

 縁は視線を逸らしていた。

 ここまでの大量の血は見た事が無かったのか、顔をしかめている。

 僕は……昔何度か見た事があったから、意に解することは無かった。


 僕たちは無言で男性を中央に連れて来る事にした。

 既に多くの人達が真ん中に連れてこられていた。

 入り口は、椅子や机等等、様々な物を乗せて見えなくしている。

 外の様子を見せない為だろうか。

 窓という窓も、カーテンが掛かっていた。


 集められた人たちは全員が座るか、しゃがむかをしていた。

 立っているのは、集められた人達の右左に一人ずつ居る覆面の男のみ。

 残りの2人は、今も入口に色々な物を積み上げていた。

 警察の突撃を確実に抑えるつもりだろう。

 遠くで、リーダーと思われるボーズ頭の男が座っている形で、こちらを睨んでいる。

 



 中央に連れてくると、集まった人達の視線がこちらを向いた。

 哀れみの視線や、尊敬の視線、様々な視線が男性に向けられていた。

 流れる大量の血に、慌てて目を逸らすものも少なくは無かった。

 そっと優しく男性を寝かせると、何人かの銀行員らしき人達が中年男性を囲った。


「あああ〜……」

 一人の女性の銀行員が、悲しそうな声を挙げる。

「おい、大丈夫か? 目を開けろ!」

 必死に、中年男性に声を掛ける男性の銀行員。

 同じ会社の仲間としてか、涙を浮かべる物も多かった。

 この中年男性は、きっと……この会社でも気の良い人だったのだろう。


 寄り添い、涙を浮かべる人達が、あまりにもいたたまれない。

 縁も、苦しそうにその人達を見る。

 助けたいのに、縁には助ける技術なんて無いのだろう。 

 ……辛いだろうさ。


 堪りかねたように、一人の銀行員の女性が立ち上がると、銀行強盗の男に声を飛ばした。

「お願い! この人だけでも助けて!!」

 今も血を流す中年男性は、放っておけば確実に死ぬ。

 だが、黒い覆面の銀行強盗は、そんな必死な声を面白がるように笑い声を上げた。

 「ギャハハ!! そんな奴サッサと死ねば良い!!」

 それだけ言うと高笑いをしながら覆面の男は去って行く。


 僕の様な人間から見ても、寒気が走る。

 人間のクズが!!!

 苛立ちが僕の中に生まれる。

 


 呆然とする銀行員の女性はその場に崩れる様に座り込むと、小さく泣き出した。

 悔しそうに唇を噛み締め、辛そうに泣き声を上げていた。

ヤバイ…ヤバイよ、この状況からネタに持って行けるのか!?

確実にシリアス展開ですよ!!

シリアスとか……やーねー(笑


バレンタインですが……まぁ、この話は良いじゃないですか。

別に他人からの愛で無くとも、親からの愛の再確認……そんな日でも良いじゃないですか。

うふ・・・うふふふ・・・・・。


どうせ……貰えなかったさ……orz






なんて〜〜〜〜ウッソーン!!!

チョコって形じゃないけど、まぁ、義理だけど。

一個貰ったよ〜〜^^

ウッヒョ〜ィ!

アッヘーイ!

まぁ……義理だけど……


いや!貰えただけ良かったじゃないか!!

うん!前向きに!

扱ける事気にして下ばっか見てるより、扱ける事覚悟して前見てちゃんとした道を見よう!

思い切って、空を見よう!

空見て無いと、いつ雨が降るかなんて、解んないゾ?


……結局私は何が言いたかったんだろう…。


でも、空見るって良いですよね。

私は、大切な人に、それを教えて貰いましたよ(笑)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ