その104.まぁ……アレだ……これは夢だ……そう思いたい(泣)
僕が目覚めた先は、とても綺麗な花畑だった。
頭がハッキリとしない……。
縁にぶん殴られたのは覚えているのだが。
まぁ、それにしても綺麗な花畑だ、オマケに綺麗な川まであるでは無いか。
それに川に掛かる橋。
「……ここは何処だ?」
何となく声に出た疑問。
まぁ、答える奴なんていないんだろうけどさ。
見渡す……というか、人が居る感じが全くしない場所なのだ。
「目覚めたか」
答えた奴が居た。
驚いて、声がした方に視線を向ける
その先に。
…………。
……何だろう、アレは。
光輝いて見えない。
嫌、形は見えるのだが。
何か人型のが居るのは解る、解るのだけど……なんかメッチャ輝いている。
人型の顔の部分だけ、薄く赤い気がするのは気のせいでは無いだろう。
「え? 誰? 輝き過ぎてキモいんですけど」
取り合えず、その輝いている者に向かって第一声
「……いきなりキモいとか言う? 普通」
光輝いている者は、あんまりだ……と言わんばかりに、不服そうに軽く首を振る。
何だろう、得体の知れない筈なのに、この親近感。
「で、ここは何処?」
僕の第二声。
「……リアクション薄いね君」
僕のサラッとした一言は、輝いている何かには不服だったようだ。
「もっと、こうさ……ここは何処だぁ! とかテンション上げようよ、何で寝起きのテンション」
「いや、寝起きだし」
今目覚めた所で、テンション上げろとか言われても。
吉本の学校ですか、芸人になるつもりはありませんが。
「……ッフ、流石は『僕』だ、中々のクールっぷりだ」
……ん? 僕? 何を言ってるんだ? この輝き野郎は。
胡散臭そうに眉間にシワを寄せた僕を見て、
何を思ったのか、輝いている者は付け加えて言った。
「そう、君は『僕』だ、君の中のもう一人の『僕』」
…………何を言うかと思えば。
「アホくさ、君の頭の中は中学生で止まってるんですか? 頭の中が春ですか電波野郎」
僕の息継ぎ無しの言葉に、輝いている物は明らかに怒りを見せていた。
「これが同属嫌悪か……何言っちゃてるんですか、ここは君の頭の中のイメージした世界だよ? 頭の中がお花畑ですか、優雅に散歩でもしますかコラ、つか自分が自分に言ってちゃ元も子も無いわ自虐野郎」
……この野郎。
「お前もな、この全身蛍光ペン」
「いや、僕は君だって言ってんじゃん」
「僕は君みたいに輝いてないから、心は一生輝いてるけどな」
「五月蝿いよ、君の心ドロドロじゃん、真っ黒過ぎて明日が見えないじゃん」
「お前の方が五月蝿いよ、君みたいに輝くのイヤだから、今を生きるので精一杯ですから、明日なんか知りませんから」
「嫌嫌嫌、君に……」
―10分後
お互いを罵倒しあい、お互いともブルーな気持ちで三角座りをしていた。
「……ちょ、やめようよ、なんか死にたくなってきた」
輝いているけど、声がブルーな感じで、蛍光ペン野郎は言った。
まぁ、精神的に来るわな……取り合えず蛍光ペン野郎に同意。
そして、
この悪口の言い方は、僕自身が良く知っている。
この輝いている者は『僕』らしい。
そして、この綺麗な花畑と、綺麗な川、そして川に掛かった橋は、僕の頭の中のイメージが生み出したものらしい。
何のイメージなのかは、蛍光ペンはまだ答えて居ない。
まぁ、めんどくさいから今から全部聞く事にする。
「で? ここは何?」
僕の簡単な質問に蛍光ペン(定着)は答える。
「三途の川?」
……は?
三途の川? 三途の川って死んだら行くアレ!?
「……僕死んだの?」
正直、気持ちは動揺しているけど、言い方は冷静に。
僕の再びの質問に蛍光ペンは少し時間を空けて答える。
「死んだって言うか〜……幽体離脱? みたいな」
ここから蛍光ペンの野郎の話は長いが、略称させてもらう。
この蛍光ペン野郎から聞くにはこうだ。
僕は縁のパンチで空中に飛び、頭から落下して魂が抜けたらしい。(嘘臭いのだが)
その魂が、この蛍光ペンで、僕は体に残った意識? らしい。
まぁ良く解らないが。
この蛍光ペン野郎は体の形をしているのだが、その顔の部分が痛いのは、縁に殴られたから。
僕は何も感じないのだが、ものっそい痛いらしい。
感覚は、この蛍光ペン野郎……というか魂? が今は持っているらしい。
なんか、『らしい』ばっかりだな、まぁ、こういう霊的な物は、ハッキリとしていない方が当り前なのかもしれない。
てか、さっき君は死にたくなってきたとか言ったけど……魂が言うのか? どうでもいいけど。
そして、今はまだ完全に死んだわけでは無いので、死後の世界もイメージと言うわけだ。
まぁ……確かに、僕の死後の世界のイメージは三途の川だ。
まぁ、ぶっちゃけると。
意味不明。
夢かなんかだろ。
縁に気絶でもさせられたのかと、簡単に推理。
あのパンチを食らえば気絶もするさ。
今迄しなかった方が凄いわ。
深くは考えないで置こう、夢さ、夢。
話を聞き終わった後、蛍光ペンに取り合えず言ってみる。
「で? どうやって帰んの?」
いい加減、目を覚ましたい。
気絶している状態ならば、自分の体がどうなっているか気になる。
まさか街中で気絶したまま、ほっとかれたりしてないよね……?
「は? 帰さないよ?」
……おっと? 僕の耳がおかしいのか? コイツ今なんて?
「は?」
取り合えず、聞き直す。
「嫌、帰さないから、このまま死んでもらうよ」
な……なぁぁぁぁ!?
「ど、どうゆうことだよ!?」
冷静さがここで一気に消えた。
僕は、慌てた声で蛍光ペンに詰め寄る。
夢とは云え、そんな事を言われれば驚くのは当り前だ。
……蛍光ペンが笑っている気がした。
ゾッとネズミが背中を這う様な感覚が通る。
夢にしては、えらくリアルな感覚。
「君が、望んでいるんだ、死ぬ事を僕自身が望んでいるんだから死ぬに決まっているだろう?」
蛍光ペンの、滑らかな言葉が耳に入る。
滑らか過ぎて、何か寒気が走る気がした。
死ぬ事を望む!? 何を言ってるんだ!?
「そんな事望むか!」
声色が自然と強くなる。
「いいや、望むね」
僕の怒りも、何もかもを否定する様な言葉。
蛍光ペンは、僕の手首を突然掴んだ。
掴まれた所が異様なまでに熱い。
何だコレは!?
「さぁ……」
先程までの、僕に近い高い声が、変わっていた。
「逝こうか」
聞いた事の無いような低い低い声。
人としての声というより、機械で一気に声の質を下げた様な重い声色。
先程よりも掴まれた所が熱くなる。
引っ張っても、手が抜けない。
死ぬ事を望む!? それは『過去』の話だ!
今は違う! サクが、ミホが、志保ちゃんが、クラスの皆が、駄目教師だって、あの変態仮面共も。
そして……そして縁が!!!。
「今の『楽しい』を! 消されてたまるかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
叫び声を上げながら、腕を引っ張る。
その時、
「ッブ!」
蛍光ペン野郎から噴出す様な、間抜けな声が漏れた。
ぱっと手を離されると同時に、僕は自分で引っ張っていた力で、そのまま花畑に尻餅を付く。
幾つかの花弁がユラユラと周りを舞う。
「あんぎゃぁぁぁぁぁ……」
苦痛な声で嘆いている蛍光ペンに視線を向ける。
……? 何故か頭を抑えて悶えている。
光り輝く体の、頭の部分が、異常なまでに赤くなっていた。
何故?
というか、コレはチャンス?
僕は、慌てて立ち上がると、蛍光ペンが居るのとは、反対側に向かって思いっきり走った。
花を蹴散らし、一目散に走る。
後ろで声がした。
あの、低い声だ。
「忘れるな! 君は後悔する! あの女と出会った事を!!」
女が、縁の事だとは、何故か直ぐに解った。
何故かは解らない。
後悔!? 既にしてるわ!! 僕のクセに今更何言ってんだ!
走りつつ、顔だけ後ろを向き蛍光ペンに負けず劣らずに大声を張り上げる。
「うるっさいわボケェェェ!!! 後悔する暇があったら、教えてくれバッカヤロォォ!!!」
そうさ! あいつはいつでも波乱万丈! 僕は振り回されるだけ、後悔したと思い、悲しんで、暗い気持ちになる余裕なんて、いつだって無い!
寧ろ楽しんでやるわ! ざまぁ見やがれ!僕の魂! こんのクソヤローがァ!!
書く事無い……あ、感想であったんですが、この時期は受験生ですよね〜
私が言うのもアレなんですが、頑張れ受験生!!
頑張ったら報われるますよ! きっと!
良くても悪くても、受験が終われば遊ぶだけ!!!
それまで、頑張れぇ〜〜〜!!!
……調子乗ってすいませんorz