その103.アタシのストレートは見事に決まった、またやってしまった・・・・・・
「ああ! また!」
私の間抜けな声と共に、へーじは空中で2度3度回転してから、硬いコンクリートに顔面から転落。
そんなへーじは、「おぶふぉぁ!?」という、変な声を上げた後、ぴくり共動かなくなった。
取り合えず動かなくなったへーじに近づいてみる。
「あー……あの、へーじ?」
声を掛けてみる。
「…………」
「…………」
返事が無い、ただのしかばねのようだ。
ど、どうしよう。
またやってしまった!
恥ずかしさのあまりの顔面ストレート。
普通の女の子はそんな事しないよね……。
その場で大きくため息を付いた。
『女の子らしく』の事は、美保に言われなくても考えていた。
この捻くれた貧弱男が私に暴言を吐くから、それもある。
だけど、それ以外にもあった。
男女や、ゴリラ何て言われてるんだ、私を女性と見ているとは、到底思えない。
だから私だって、やれば出来るんだ! という所を見せてやりたかった。
だが、結果がコレだ……。
はぁ……。
溜息をついても仕方が無いのだが。
取り合えず、気絶したへーじを肩に担ぐ事にした。
へーじが目を覚ますまで、何処か休める所に行こう。
町中で寝かせて置くわけにはいかない。
担いだ瞬間、顔が直ぐ横にある事に気づいた。
慌てて視線を逸らす。
時々、へーじをまともに見れない。
いや、それ以前に今日のアタシは……オカシイのかもしれない。
何故だろう?
肩に担ぎつつ、休める場所を探す。
周りの視線は、アタシ達に集まる。
探しながら、頭が無意識に考えていた。
何故、アタシは彼を見れない。
何故、アタシは、彼に女性として見て欲しかったのだろう。
……解らない。
皮肉屋で、暴言ばかりを吐く、最低な男。
初めてあったアタシを病院まで運んだ。
食堂で、見ているだけで無く、アタシの前に立った初めての男性。
アタシにご飯を作ってくれた。
男の子に言い返せなかった時、変わりに言い返してくれた。
裏庭で気絶したアタシを、保健室まで運んだ。
寒い休み時間の裏庭で、新聞紙を片付けるのを手伝ってくれた。
夕焼けのクラス、一人佇む私に、この男は現れた。
助けることは多くても、助けられることが少ないアタシには、どうすれば良いか解らなくなっていた。
……アタシは、どう思っている。
公園を見つけた。
多くは無いが、少ないとも言い難い子供達が、砂場やブランコで遊んでいた。
無邪気に笑っている子供達を見て、頬を緩ませる。
小さな公園だが、ベンチがある事に気づいたアタシは、そこまでへーじを運ぶ事にした。
ベンチで横に寝させようとした時、
バランスを崩し、へーじが肩からずれ落ちた。
ゴン!っと勢い良く、へーじの頭が木でできたベンチに落ちた。
中々景気の良い音がした。
し、しまった。
あ、頭割れたんじゃない!?
「うわわわわわわ!!」
自分でもそうとう慌てた声が出てしまった。
いつも、それ以上の事をしている様な気がするけど、意図的で無い分、悪い気がしてしまう。
……そんなつもりは無かったんだけど。
勢い良く落ちたよ。
どどどどどど、どうしよう……
あんなにおもいっきり、頭をぶつけたと言うのに、目が覚める様子が無い。
もしかしたら……大変な事になっているかもしれない。
そんなテンパッているアタシだったのだが、
慌てて顔を覗き込んで見ると、
「……あれ?」
とても幸せそうな寝顔をしている。
……大丈夫そう、……だけど、なんかムカツク。
取り合えずベンチに寝かせる事は出来たが、
ベンチは小さく、へーじがギリギリ寝かせることが出来る大きさだ。
まぁ、つまる所、アタシの座る所が無いのだ。
周りを見渡して見ても、他にベンチは無いようだ。
公園で何もせず突っ立っている、というのも変だ。
それと、ぶつけた頭が心配だった。
こんな硬いベンチの上で、ぶつけた頭で寝ころんで良い物だろうか。
いや……まぁ、アタシのせいだけどさ……うん。
ベンチで寝るのは良いとして、頭にクッションが無いというのは……。
そこで、ふと考えが浮かんだ。
これは……もしかして女の子らしい所を見せるチャンス?
寝ているので、見せる事が出来ないけれど。
とりあえず、あまり考えずに即行動。
未だに起きないへーじの頭を浮かせて、その小さく出来たベンチの空間にアタシが座る。
そして、自分の柔らかいふとももに、へーじの頭を下す。
まぁ、つまり膝枕だ。
うん、女の子っぽい!
簡単な優越感に浸り、何気に下を見た先に、へーじの寝顔が間近にあった。
「!!」
考え無しにふと思いついたことを、ついついやってしまったが。
……コレは、もしかして、恥ずかしい事してる? アタシ。
まぁ、取り合えず、今更退くのもどうかと思う。
この状態で居るしか無い。
目の前にあるへーじの寝顔。
どうせ寝ているのだから、今のうちにマジマジと見つめてみる。
年上に対し、こんな風に思うのは変かもしれないが……
「こうやって見ると……結構可愛らしい顔してるよね」
ボソッと小さく零す。
いつもの皮肉めいた言動も、めんどくさそうに細めたりする目も、イラついた様に見せる表情も無い。
まぁ……普通にしてたら、結構良い男の子なのかもしれない。
・・・・・・ん? 結構良い男の子?
慌ててブンブンと首を振る。
アタシは何を考えてる!? 今、へーじが、良い男の子!?
皮肉屋で毒ばかり吐くこの馬鹿が!? 無い無い無い無い無い!!
大丈夫か、アタシ……取り合えず落ち着こう。
何か、妙に熱い。
おっかしいな……。
まだ肌寒い冬は続いてる筈だ。
なのに、熱いという感覚が有る。
主に、顔が異常に熱い。
耳まで熱い気がする。
一体、アタシはどうしたのだろう?
そんな風に思いつつも、寝ているへーじの顔を見ていると。
目が開いた。
・・・・・・え? 早くない?
へーじとバッチリと目が合っている。
へーじは、何か、ぼぅっ上の空と言った具合だが、、
間違いなく、この状況は、
アタシにとっては恥かしい。
顔が更に赤くなったのを感じた。
や〜・・・・・・更新が遅れてる・・・・・・まずい!まずいぞぉ!頑張って更新しなければ!!
ああ・・・・・・でも大量の宿題が・・・(泣)