その99.このまま幸せで終わるとは思ってないよ……でも期待しても良いじゃん!
「7...6...」
縁の小声でのカウントが隣で聞こえる。
それが何なのかは知らないが、
正直、今はどうでもいいや。
何て思い始めてる自分が居た。
手から伝わる体温が温かい、自分の早い鼓動が暗い闇の中でとても大きく聞こえる。
これだけで良いじゃないか。
この暗闇に慣れたのか知らないが、そんな風に思っていた。
安心してしまって居た。
この子が隣に居ることに。
「3...2...」
縁の隣のカウントが聞こえる。
「1」
そう縁が零した瞬間、突然の光が瞬いた。
ボォッとしていた僕は、突然の明りに驚き目を瞬いた。
暗闇に慣れてしまった目は、突然の光で周りが見えない。
しかし、その次に耳障りな大音量のマイク音が響き渡った。
『レディィィィィッス!! アーーンド! ジェェェェントルメェェェン!!』
その声に驚いている僕等を無視して、周りから巨大な歓声が割れる。
「うおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
慌てて慣れない目で見渡した。
僕と縁以外はいないと思っていた世界には、多くの人達が居た事に今気づいた。
恥かしながら……。
ぶっちゃけ僕は縁に意識が向きすぎて周りに意識が向かなかったのだ。
周りの人達は若い男女ばかりで、男と女が、僕たちのように手を繋いでいた。
『良く来たなおまえらぁぁぁ!!』
再びの響き渡る大音量のマイク音に、前を向く。
慣れた目が最初に見たのは大きなリング。
4っつの角を取った太い棒に、4本程の太いゴムで囲った四角形。
プロレスやボクシングでよく見るそれだ。
そのリングの真ん中には、マイクを持った半裸の男が立っていた。
ガタイの良さと、派手な青いパンツ。
そのパンツに合わせた様な青い派手なマスクにレスラーであると理解した。
未だに状況を理解出来ない僕に、リングで立つレスラーっぽい男は声を張り上げた。
『今日はぁぁ!! カップルなてめぇらの為の特別ライブだぁぁぁ!! 楽しんで行ってくれぇぇぇ!!』
その大音量の後に、うおおおおおお!と、割れんばかりの歓声。
縁も僕の手を握ったまま、つまり僕の手ごと思いっきり腕を振り回し。
「キャーー!! ブルーマスクー!!」
と黄色い声を上げている。
ブルーマスク。というのはあの真ん中に立ってる見たまんま青いマスクの野郎か。
「え? あの……縁さん?」
呆然としている僕は、取り合えず興奮してブンブンと腕を振っている縁に聞いてみる。
形的に一緒に振っている様な形になるのだが、というか。
縁が思いっきりブンブン振るから僕の体がぐわんぐわん揺れている。
き、気持ち悪い。
「なに!?」
半ば興奮気味の縁に引きつつ、一応聞いてみる。
「は? プロレス? プロレス見に来た? へ?」
自分でも言葉がおかしい気もするが、ここは勘弁して欲しい。
バリバリにテンパッてますが何か。
「何! しんないの!?」
何が知らんかも知らんが知らんわボケ。
「今流行のブルーマスクだよ!? カップル限定の隠しライブがあるって聞いて行きたかったんだよねー!!」
「……プロレス好きなの?」
僕の言葉に即答。
「格闘が好きなの!」
君はもしかして……格闘オタクなのか?
答えた後、呆然とする僕を無視してブルーマスクにぶんぶん手を振っている。
……そういうことか。
ドキドキするってのは始まるって意味で。
『肌と肌』ってのは、プロレスのことかよ……。
日本語って難しいね!
勘違いした僕も僕ですがね! ドキドキを返せ馬鹿野郎〜〜……
隣で興奮する縁何てもうどうでも良くなり、呆然としている僕。
へなへなと力が抜けていく。
今の僕は例えるなら抜けがら。
これはゴミですか?
いいえ、期待と恥ずかしさに胸を膨らませ、その予想外の結果に力尽きた勘違い野郎です。
そしてそんな僕なんて気にせずに、ステージは勝手に盛り上がる。
呆然と見詰めるリングに、ブルーマスクと、何か別のマスク野郎が入ってきている。
周りのカップルもなんか騒いでるし。
もう、どーでもいいよ馬鹿。
泣いてない……泣いて無いよ、僕は……
巨大な大音量は、リングを集中に響き渡る。
そんな大音量も、僕の耳に入っても、
そのまま逆の耳から突っ走って出ていく様に、なにも聞こえていなかった。
解り易く言うなら、燃え尽きたゼ……。
テースートーだー!
ああああ!小説更新したいのにィィ!!。
中学の悪友とのメール。
悪友I『なぁ! 修行しようゼ!」
私『っは!? っていうか私、親戚の家行くんだけど……』←本当に行く一歩手前。
悪友I『テメェ! 修行と親戚どっちが大切なんだよ!!』
私『え……親戚だけど』
悪友I『はぁ(溜息)お前にはガッカリだ』
私『馬鹿な発言のお前にガッカリだよ』
悪友I『そこは、修行に行くってばよ!!とか言って抜け出してこいよ』
私(こいつ……マンガの影響受け過ぎだろ……)
私『修行って何するつもり?』
悪友I『2〜30キロ走るつもりだけど』
私『馬鹿だ! 馬鹿がいる!!』
そんな悪友Iとは高校で解れても偶に一緒に遊ぶ仲。