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プロローグ3

 次の日の朝、孤児院に居候するデューの元へと冒険者ギルドの受付であるシリカさんが訪れる。


 「デューさんに依頼したい事があります。最近になって魔物の動きがおかしいと森にいる魔物の数が明らかに多いそうなので調査をお願いしたいんです。他の冒険者さん達に依頼した所怪我をしてしまって…」



 デューのギルドにおけるランク付けはまだ登録して間もない事、薬草採集がメインな事もありランクは低い、しかしながら一人で森に行ってはとても一人では狩れない大型の魔物を刈っては戻ってくる様子をシリカも見かけている為、森の調査を依頼するのにうってつけと思ったようだ。


 「分かりました。それじゃあ今からでも行ってきます。と、そこの二人、ついては来るなよ?」


 びくっとこちらを伺っていた二人が顔を出す。最近この二人はデューの行くところどこでもついてこようとするので釘を刺しておく、気づかれれば森へ狩りに出かける時も着いてきそうな気がしていたからだ。


 二人の様子をほほえましくみながらシリカさんが言う。


 「それじゃあお願いします。探索した日は経過報告をお願いしますね。」


 「分かった。それじゃあ行ってくる。」


 一人森の中に入るデュー魔物の探索をする為に魔力で感覚を特価させる。すると自分が歩いて来た後方に人の気配が二つ。子供の怖いもの知らずとはこれほどのものかとため息をつき双子の後ろを取れるように回り込む。



 「先生どこにいったんだろう。」とエルク


 「分からないけど探すの。」とエルクの前を歩くミーア。


 「森の奥まで進んだ後に先生に見つけて貰えばきっと仕方がないって連れていってくれるよ、それにレイラさんに教えて貰った上目使いでで先生なんていちころよ」


 「ほう、いちころ?」


 なかなかに黒い、何を教えてるんだレイラさんはと思いながら双子の後ろにたってつぶやく。


 瞬間前を行く二人がビクっと硬直する。ぎりぎりと音を立てそうな不自然な動きで二人が後ろを振り返る。面白い反応だと思いながらも双子とここにはいないレイラさんを叱らねばなるまい。あの人は黒だ。


 叱ろうと声を発する前に双子はててて、と音でもしそうな動きでこちらえかけよりコートを掴み、二人ともが見上げてくる。なるほど、これが上目使いと作戦がばれても実践するその心意気は潔い。と馬鹿な事を考えながら二人を見る。


 そもそも危険と言ってもこの辺りいいる魔物は大体把握している。万が一と言うのも考え辛い。すでに魔物に感知される位置に近い事も考えると連れていった方が安全だろうと考え一つため息を零す。


 「仕方がない、俺から離れるなよ二人とも。」


 「「はい!」」


 元気よく返事をする二人、上目使いをしようがしまいが結局の所デューはこの二人に甘い。人と触れ合う事がとても懐かしいからだろうか。自覚はあるがあまり直す気持ちはない、孤児院には成人した男はいない、この二人は父親を求めて甘えて来ているのだろう、せめて村に留まっている間は甘えたいだけ甘えさせてやりたい。ずっと一緒に居れば不幸になるのだから。


 ともかく身を守る準備をしておくに超したことはないとデューはつぶやく。


 「換装:双銃」


 そうつぶやくとガントレットが光り両手に黒と銀の大ぶりな銃が現れる。それぞれ銀と黒で文様が描かれ、魔石が埋まっている。


 突然の発行と共に武器を持ったデューを見て双子の二人は目をぱちくりとさせる。


 「それが先生の神器なんですか?」とエルクが訪ねる。


 「これは貰いものだけどな。」


 神器は神子ひとりひとりが持った専用の武器。神子としての能力に目覚めるとまず神器を発現させ目の前のへと現れる。魂の成長と共に威力をます神器は一般の武器よりも強力である。相手に譲ると言うことは多くはないが魂が同調する相手には譲る事もできる。他人が同調しなくても扱う事ができるが神器の成長はしない。強力な神器であれば奪ってでも手にれようとするものも居る。


 「神器を他にももってるんですか?」


 「もちろん自前のもあるぞ。」


 「私も早くほしい…」


 神器の発現は神子の力の第一階層にあたる。神器を発現させて神子として駆け出しと言ったところだろう。


 「どんな形か楽しみです。」


 「うん、楽しみ」


 デューは二人の神器の形が見えているが黙っている、言わぬが花だろう。


 「さて着いてきたんだからよく見ておけ、おいでなさった」 


 そういって銃を向けた先に向けた先には先日デューが狩ってきたワイルドボア、ただしその数は十二匹もいる。冒険者が束になって狩るワイルドボアが十二匹、頭を下げ牙をデュー達に向け威嚇する様はエルクとミーアを怖がらせるだけの威圧感はある。


 ワイルドボアは猪突猛進、突進が主な攻撃方法な為走りだしせばエルクとミーアが危険と判断したデューは銃に魔力を通す、森の中火を使って火事になる為氷の魔力をそれぞれに込める霜がかかった黒の銃と銀の銃をそれぞれの魔物へと向け引き金を素早く六度ずつ引く。


 氷の弾が魔物の中へと打ち込まれ一瞬のうちに体内から氷の針が突き出す、


 デューがただ引き金を六度引く事でワイルドボアは全滅した。


 エルクとミーアは先ほどまでの恐怖から一転した光景をみて唖然とする。


 少々脳内旅行を楽しんでいるエルクとミーアはおいておいて一人思惑にふけるデューがいた。


 「ワイルドボアが群れているのはこれが初めてだが…」


 魔物の生態に詳しい分けでもない、現状では分からない事だろうと頭を切り替えて先へ進む事にする。


 「先へ進むぞ、今夜は泊まりがけになると思えよ。」


 脳内旅行から戻ってきたと見える二人へと告げて先を歩きはじめる。


 この時戻っておけば彼のこの先は違うものとなったかもしれない。


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