プロローグ2
デューがレイラに拾われて?一月程が経過した、その間食料難にあった孤児院の食料事情は大分改善されつつあった、デューは度々ふらっと森へ行き大型の魔物を狩っては持ってくるのだ。毎度自分よりも大きな獲物を担いで戻ってくる奇妙な光景はすでに孤児院と近隣の住人の間では恒例になりつつあり、面白がって見に来るものまで居る。デューがワイルドボアを狩ってきた初日、孤児院全員が食べきれない程の肉で軽くお祭り騒ぎになったのはまだ記憶に新しい。
このそれなりの大きな村、ソルダ村には何人かの冒険者は居るが皆大型の魔物を狩るような人物が以内為、村の驚異が減ったと言う意味でデューは村の人間からそれなりに受け入れられ出している。
だがデューにとってこの一月にあった最も大きな事はエルクとミーアに関しての事だろう。
エルクとミーア、この双子はデューに狩りを教えてほしいと弟子入り希望をしてきた。ミーアはエルクがするからと渋々と言った様子だったが。
最初は断っていたデューだったがレイラからの孤児院の子が何かできるようになるのはいいこと、と言う理由でレイラからも説得され師匠…と言うよりは先生として色々と教えて行く事になった。後で聞いた話だったが、エルク、ミーア二人共に神子であると知らせれた。神子は十歳を超えると国へと痣をの形と名前を登録する必要がある。人によっては大きな力を持つ為、国が管理し把握する、その昔一人の神子に国を滅ぼされた等伝承も残っている為、国としてもどこにどんな神子が居るか把握しておきたいのが現状だろう。エルクとミーアもこの一月二人は十歳を超え、登録を行う為の書状を国へと送った。二人の痣は数多く居る犬系や猫系などの神子の形とは違う為まだ何の神子か分かっていない。
そうやって弟子入りしたエルクをミーアの為、最近は双子を連れて朝は冒険者ギルドにて薬草採集等の簡単な依頼を受け、昼からは双子を鍛えると言ったようなことを行っている。しがない旅人でしかなかったデューもこの時初めて冒険者の登録を行った。薬草採集が終わり孤児院の運動場でさて今日は何を彼らに教えるかと考えていた所…
「魔法を覚えたいです先生!。」とミーアが言う。
ミーアもこの一月で大分打ち解けてくれた様子で。先生と言っては後はついてくる。エルクと二人で後ろに突いてくる様はひよこ二匹を連れた鶏の気分…となんとなく想像すると頬が緩む。と頭の頭の片隅で色々考えながら説明する事にする。
「まず魔法は別名、気なんて呼ばれ方もする魔力と言うものを使い様々な現象を起こす事を指す、体の中で起こす魔法、外部に影響を与える魔法、それぞれ得て不得手があり外部の魔法の操る現象によっても得手不得手がある。体内で扱われる魔法を一般的に気と呼ぶからそう覚えておけばいい。」
「はい!」とエルクとミーア元気がいい。
「見たところエルクは気と火を起こす系統の魔法が得意そうだ、ミーアは気は苦手そうだが火以外の魔法はミーアの方が得意そうだな。」
「どうして分かるの先生?」
「勘だ。」
「勘ですか…」
「……………」
「勘だが十中八九間違いない。」
疑わしい目で見てくる二人、勘では無いのだがそう言っておいた方がいい。
「それで先生は何が得意なんですか?」
「先生に不得意はない!」
「……………」
「先生ずるい…」
「まぁ沢山の種類を使えてもあまり意味はない、その内好みの魔法を好んで使うようになるだろう。」
「また気が得意かどうかで魔法戦士か魔法使いかなんて分かれてくるだろう。魔法戦士は武器を使って肉体や武器に魔法を付加して前衛で戦う事が多い、逆に魔法使いは杖等の魔力増幅機能を使った後方支援をする事が多いだろう。」
「はい!」
十歳に理解できているのかどうかは分からないが説明をしておくに超した事はない」
「だからエルクは魔法戦士、ミーアは魔法使いの訓練を積むのがいいだろうな。」
「それで先生はどっちになるんですか?」
「主に魔法戦士と扱われる事が多いな。」
エルクはデューと同じタイプと言う事でうれしそうに笑っている、逆にミーアは不満げに頬を膨れさせている。
「それじゃあ体の中の魔力を感じる事から始めよう…」
その日一日を魔力の操作を教える事に使う、神子は生まれつき魔力が多い事もあり、その日一日でエルクは身体強化と火を発現することができるようになった、ミーアも不満げな顔はどこへやら水と氷を生み出せるようになった。デューは気づいてるが二人に宿った魂は高位だ。例え十歳でも魔力を操れるようになっても不思議はない、直に得意な魔法を扱えるようになるだろう。