文月、家族の体温をたしかめながら
七月は、家族それぞれの予定が少しずつ重なり合いながら進んでいった。美容室や授業参観、保護者会。実家への行き来も続き、エアコンの掃除ひとつで体調が揺れる。誰かが不調になれば様子を見て、回復すれば胸をなで下ろす。そんな小さな確認を繰り返す日々だった。
娘は暑さの中でも外へ出て、学校行事や塾、友だちとの時間をこなして帰ってくる。真っ赤な顔で帰宅する姿に「おつかれさま」と声をかけながら、成長と心配が同時に胸に残る。家族で出かけたカフェや夏祭りの時間は短くても、確かにこの夏の記憶として積み重なっていく。
腰の痛みや疲れで動けない日もあるが、家の中にはラジオの声があり、食卓と会話がある。忘れてしまった一日があっても、誕生日と結婚記念日が巡ってきて、家族がここまで一緒に歩いてきた時間を静かに振り返る。
文月は、特別な出来事よりも、家族が無事に今日を終えることの重みを確かめる月だった。うまくいかない日があっても、また翌朝が来る。その繰り返しの中で、私はこの家族と生きている。




