第3話 会議
リアルエステート競馬部、会社の予算の12%を”消費”しているいわば「お荷物部署」である。会社発足当時からある伝統的な部署であるが今まで40年間の総利益はたったの「1億円」。ここまで悲惨な成績であるものの未だに生き残っているのはいわば
「CEOの趣味」だからだ。
「去年競馬事業部に注ぎ込まれた金額は会社の予算60億円分のなんと7億円!それに対し収入はたったの250万円ですよ!!これ以上続けていて収益は増える見込みはあるのか!?」
丸山は本社で行われている経営会議で副社長「海道剛」から徹底的な追求を受けていた。
「増える見込みはあります、具体的には」
海道は丸山の話を遮り「くだらない」一蹴し話し始める。
「その話には何度も何度も君の前任からも聞かされた。はっきりと言おう、君はこの会社に果たして競馬部は必要だと思ってるか?」
丸山からしても左遷された興味の欠片もない事業部であるが、ここにいる以上は反論するしか無い。
「私は必要だと思っております、実際に」
「生産性の欠片もないただのお荷物が必要だと君は言いたいのか」
またしても海道は丸山の話を遮って話し始める、丸山は必死に反論の糸口を探すが残念なことにどこにも見当たらない。言っていることはすべて”正しい”からだ。丸山は口を開け必死に言葉を探すが何も言えない。
議会に沈黙が訪れた。
それを打ち壊したのは社長の一言だった。
「まぁまぁ海道くんいいじゃないか、実際会社の知名度貢献になっているではないか。ここにいるみんなもそう思うだろう」
社員たちは社長の同調圧力に負けてしまい、次々に肯定している。
「渡辺社長、ですが」
社長は「異論は認めん」と言わんばかり睨みをきかせる。
「負けっぱなしのチームが知名度貢献か、笑わせてくれるじゃねぇかよ」と捨てゼリフを吐いて自責へと戻っていく、ぶっちゃけた話丸山も同感だった。しかしなんとか競馬事業部の存続はここに決まった。




