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【連載版】いつの間にか溺愛されてましたとは言うけれど。  作者: 江入 杏


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15/24

反撃の準備

少し行き詰まってしまい、更新に日が空いてしまいました。

また更新していけたらと思います。

 シーナの給金に関しては、反抗的な執事に言いつけて使用人全員の給金を毎月帳簿につけるよう指示を出した。

 そしてそれを執事本人がやるように言えば、何故自分がと食って掛かってきたので煽ってその気にさせた。扱いやすくて結構である。

 あの男から指示がいくなら、暫くはシーナに全額しっかり渡されることだろう。また減らされたら執事に確認を取らせ、当面泳がせる。一度や二度では不手際だったと言われて逃げられる可能性があるからだ。証拠を集めて確実に仕留める。

 食事や身の回りの世話に関しては特に何もしない。あのスキルがあるから生活面は何も問題ないし、今更改善されても……というのが本音である。

 それに下手に歩み寄られても、という気持ちが拭えない。やられた側はずっと覚えているのだ。だったら最後まで被害者側でいて、許す余地は与えてやらない。

「シーナの私物だけれど、私の部屋に置いておきましょう。それと夜も私の所で過ごしてね。貴女への嫌がらせが悪化するかもしれないから」

「ですが、使用人の私が一緒の部屋で過ごすのはおかしいと思われませんか?」

「構わないでしょ、誰もこんな所に来ないわ」

 わざわざここに来るとすれば、リアーナに嫌がらせをする時くらいだろう。じゃなければ屋根裏部屋に案内したりしない。意図的にあの男から遠ざけ、孤立させる目的もあると思われる。

 それにシーナがこちらについたとなれば、女性の使用人達はますますシーナを攻撃するかもしれない。リアーナは肩書だけはこの屋敷の女主人なのだ、やり過ぎてあの男の目に余れば罰せられる可能性だってある。となれば元貴族とはいえ今は平民な使用人のシーナに矛先が向くのも当然と言えよう。

 聞けばシーナが割り当てられた部屋は二人部屋だが、今は個室状態なのだという。避けられ始めてから同室の使用人は別の部屋に移動したようだ。部屋も避けるようにわざと掃除されなかったらしい。

 嫌がらせのためとはいえ、今まで使用人達がシーナの私物に手を付けなかったのは不幸中の幸いとも言える。しかし今後、部屋に一人で過ごさせるのは不安が残るのだ。

 考え過ぎかもしれないが、シーナの部屋の鍵を渡して気がある男性の使用人をけしかける者が出てくるかもしれない。いくら被害者側でいるためとはいっても限度がある。それだけは絶対に駄目だ。

 懸念事項があるなら彼女を自分の手元に置いておくのが一番だ。何かあってからでは後悔してもしきれない。

 早速シーナに言いつけ、私物をいくつかに分けてリアーナの自室に運び込んだ。仕事中以外は基本あの部屋で過ごしてもらうことになる。

 この間分かったことだが、室内に干しておいた服はまるでお日様の下で干したようにふかふかだった。室内干し特有の嫌な臭いも一切しないのである。もうあの部屋は何でも有りなのだと思うことにした。チートスキルにも程がある。

 ただし、そんなチートスキルにも制限はあるようだ。あの部屋の物は全て外には持ち出せない。試しに手に持ったまま戻ってみた所、持っていたはずの物は無くなっていた。もう一度スキルを使って自室を確認すると元の場所に戻っていたので、あくまでも部屋の物が使えるのは部屋の中だけのようだ。

 制限があってもチートスキルには変わりないので、何も問題はない。もしスキルのTier表があるとしたら文句無しのTier1だとリアーナは思っている。

「さて、他にやる事はと……」

 そういえば情報収集がまだであることを思い出す。魔法の件も調べたいし、あの男のことを知るためにも街を散策してみるのも良いだろう。

「シーナ、この後の貴女の仕事は?」

「いえ、お姉様の専属侍女ですから特には」

「そうなの。それならちょうど良かった、今から情報収集と参りましょうか」

 意味ありげにぱちりと片目を閉じる。

 リアーナが器用で良かった。前世の田中恵子だったら片方だけ閉じられなくて両目が半目になっていただろう。

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