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ガム  作者: アブ信者
1章
2/56

勇者

 あまりもの眩しさに思わず目を閉じると、一瞬血が抜かれるかのようなフワフワとした感覚を経て、それからまた、その感覚は元に戻っていった。


 俺はてっきり貧血でも起こしたのかと思って、それからゆっくりと目を開けた──その瞬間、固まった。


 そこは先程まで歩いていた道とは全く違う場所で、そもそも屋外ですらなくて、太い柱の立ち並ぶ、どこぞの宮殿のような場所であったのだ。


 足元には赤いカーペットらしきものが、左右には物々しい雰囲気の鎧達が、そして目の前には先程の道で見たスーツの会社員らが、後ろを振り返ると、コンビニで見かけた子が。


 真上にはシャンデリアや刺繡の入った豪奢な旗が吊り下げられており、少し首を伸ばして前を見ると、会社員らの奥に、これまた分かり易く王様のような服を着た人間が座っていた。頭にこれ見よがしに載せられた王冠は、少し斜めにズレているように思えるが──王様らしき人物がいるということは、ここは宮殿ではなく王城で、ここは謁見の間というやつなのだろうか。


 俺はそんな風に、呆然としながらも周囲の状況を把握するのに務めていたのだが、それは周りの三人も同じようで、仕切りに辺りを見回していた。特に前にいる二人は知り合いだったのだろう、何やら呟きながら状況を整理しているようであった。


「──静粛に!」


 そんな中、その暫定王城内はかなりざわついていたのだが、前方から聞こえてきた声の主によって、一瞬のうちに静寂を取り戻した。


 しんと静まり返ると、何やら前方からひそひそと声が聞こえ始め、俺はその様子が気になって前を覗きに行こうとして、ふと振り返ると──背後では女子中学生が真っ青な顔で震えていた。そこに放置してその場を離れるのも人として違うような気がしたので、その子の手を取ってから、前にいた会社員らに近付いて行った。


 全員が全員状況を把握しきれていない中、俺とその子が前のほうに歩いて行ったのを合図にしてか、その王様らしき人は立ち上がり、その王様ではなく、その横にいたそれなりに偉そうな風体の人間が声を張り上げた。


「異界の者達よ、よくぞ参った」


 年相応ともいえる枯れかけたその声に対し、王様っぽい人は鷹揚に頷くだけ。


「……?」


 啞然としていたというのはまさにこのことなのだろう、俺達四人はその言葉に対して何も言えずにいた。向こうはそんな俺たちに対してまずはこの状況から説明することを選んだのだろう、咳払いをしてから書物を開き、事のあらましから説明を始める。


「ここはツィヒカイト王国──そして、こちらにおわします方こそが、我らがツィヒカイト王国の君主にして誇り、クーフェン陛下であらせられる!」


 うちの高校の教頭もそれなりに威厳のある人相やら話し方をしていたとは思うが、それとはまた一段二段レベルが違っているように思えた。枯れかけた声とは言ったが、この広い室内にうるさいほどに響き渡っている時点で相当の声量なわけで、王様っぽい人がその仕事を自分ではない人間に任せると言うのにも頷ける。


 いや、頷いている場合ではない。


 ツィヒカイト王国って何だ。というかどこだ。


 そんな国名は聞いたことが無い──無いと断言できるほど俺は世界地図の中身をよく覚えてはいないのだが、そもそも王国という国体を保っている国が数少ないのだから、それは間違っていないだろう。


 地球上にこんな国はない──歴史上と言われると自信はないが、そもそも歴史上にあったとして、なら今ここにいる俺は何なのだという話だ──タイムスリップでもしたのかということになる。


 ……なるのだろうか。なってほしくないという願望があるのでそれは無いとして、だとすれば、考えられる可能性は何だ?


 そんな俺の思考を遮るようにして、その人はまたも声を張り上げる。


「そんな我が国は今、未曾有の危機に瀕しているのだ!」


 未曾有の危機。


 それが何かは知らないが、多分俺たちがここにいるのはそれが原因なのだろうということは、容易に想像が付いた。


「それは悪鬼羅刹の魔族を束ねる、魔族の王──シュマツァフト魔王軍による度重なる侵略行為によるものである!」


「魔族……魔王……」


 俺はほぼ誰にも聞こえないような声で呟き、その言葉を復唱していた。


 どう考えても俺の常識の範疇にある単語ではなく、どちらかと言えばゲームだとか漫画だとか、そういった物に出てくる単語であった。


「そして諸君らを異界よりこの地に呼び寄せたのは、我らを苦しめるかの賊共から、我が国を、民達を、救ってもらいたい──その一心に外ならない!」


 異界より。


 それはこの場所と、俺がさっきまでいた──こうなると本当にさっきまで俺があの場所にいたことさえ曖昧にされるようであったが、日本とは全く別の世界──ということなのだろうか。


 なるのだろうかって、そんなことを冷静に言っていられるような状況ではなくなってきてしまった感じがするのだが──あの人今なんて言った?


 救ってくれって言ったか?


 それは、つまり、戦えって意味で合っているのか?


 尋ねたわけではないが、違うと言ってもらいたい──そんな気持ちのまま、続く言葉に耳を傾けた。


「魔王がいるのはここから南東の方角──度重なる侵略により、人種族の共栄圏もそのいくつかが既に魔王による支配を受けている状況であり、事態は一刻を争う! そこで諸君らにはすぐにでも出立をしてもらおうと思っている」


 と、そこまで畳みかけるように言ったところで、目の前の会社員の内の片方、男の人の方が声を張った。


「あの、すみません、何を言ってるんでしょうか……? そもそも、ツィヒカイト……でしたか、全く聞き覚えが無いのですが……ここはどこなんでしょうか」


 大きな声ながらも、社会人であることを思わせる、丁寧な──下手に出るような問い方であった。こういう場においては俺のような奴が下手に口を開くよりは、この人に任せるほうがいいのだろう。


 もしこの状況がテレビのセットだとか、その類のドッキリでもない限り、もし迂闊にタメ口など使おうものなら、その時点で首が飛んでもおかしくないのだろうなということはなんとなく分かる。


 不敬罪──だったか。不敬な行いを罪にするというのもなかなかだが、それは俺の感覚でしかないのだろうし。


「……お主の言いたいことは分かる。ここに来たばかりで、未だ混乱しておることはな」


 諭すような口調であった。慌てる子供を落ち着かせようとする大人のような、そんな口調であった。


「は、はぁ……いや、えっと、はい……」


 彼はすぐに言葉が出てこなかったらしく、戸惑いながらも頷いた。


 実際混乱しているというのはそうなのだろう、俺も混乱しているのだし、大人だからとは言え、こんなバカげた状況に巻き込まれてはこれまでの経験も通用しないのだから、その点では同じだ。


「色々と訊きたいこともあるのだろうが、ひとまずは我々の指示に従ってくれたまえ──」


 と、その人は少し離れた場所に控えていた全身白ずくめの人物に対して指示を出す。すると、似たような格好をした、言い方を選ばなければ危険なカルト宗教的な装いの人間が五人、俺達の前に出てきた。


 俺がそう感じたのだから、他の三人も似たような事を思ったのだろう──先程までの呆然とした雰囲気から一転、一気に警戒心が高まるのを感じた。


「これより、鑑定の儀を執り行う」


 白い布を頭からすっぽりと被ったような白装束の人物は、警戒する俺たちに対して、少し聞き取りづらい声でそう言った。


「カンテイ……?」


 誰かがそう呟いた。


 カンテイの儀というものがどういうものなのかが分からない以上、何をされるかが分からないのだ。


 カンテイというと、鑑定の事か──と、俺は考える。


 俺としては、考えたいことは他にも色々ある──どうして明らかに日本じゃなさそうなこの場所で日本語が通じているのかとか、何でよりにもよって俺達なのかとか、ここからどうすれば家に帰ることが出来るのかとか、色々考えたいことはあるが、今の俺の頭ではそれを落ち着いて考えられそうになかった。


「落ち着かれよ、異界の者達。危害は加えぬ」


 そんな俺達に対し、警戒心を解くように言う。こちらとしてはこんなところにいる時点で警戒心など何をされても解くつもりはないのだが、それでもあからさまに敵意を向けるのがマズいのだろうと、一旦解いたフリをした。


「あの、鑑定の儀と言うのは……?」


 目の前の会社員が再び手を挙げ、尋ねた。


「うむ。この鑑定の儀は、人間一人一人に授けられた職業を明らかにし、その適正を見定めるものなのだ」


「職業……」


 すでに就職している身としては明らかにするも何もないのだろうし、そもそも授けられたという言葉の意味が分からないといったところだろうが、全くもって同感である。


 職業とは自分で選んで就くものではないのだろうか。誰かに授けられる──それが職業ではなく仕事であれば、上司からとか客からとか、一応授けられるという表現を用いることだって不可能ではないのかもしれないが、それだって不可能でないだけでかなり無理があるのは俺にだって分かる。


 上司は仕事を部下に授けているのではなく振り分けていると言った方が正しいのだろうし、授けるという言い方はかなり傲慢だ。客はその仕事の成果を買い取っているだけで、仕事そのものを与えているという表現は相応しくないだろう。


 というより、授けるという表現自体がただの人間の動作としては不適切な感じがするというか、それはもっと上位の──言うなれば神や仏のような存在の動作に当てはめられる言葉なのではないのかという俺の推測はどうやら当たっていたらしい。


「職業は神により授かるものであり、人は神によって示されたその道を征く──それが定めである」


 それがこの人達の見解というやつなのだろう。職業選択の自由もあったモノではないといったところではあるが、明らかに宗教チックな恰好をした集団なわけだし、神とか言い始めた以上、こちらが何を言っても、テコでもその意見を変えることはないのだろう。


「そして、異界の者にも同様にして職業が授けられるのだ。魔王を討ち斃すに相応しい──特別で格別に強力な職業がな」


「……強力?」


 職業に貴賎なしとはよく言った物だが──所詮は綺麗事なので貴賤くらいはあったりするのかもしれないが、それでも流石に強弱はないはずだと、俺は首を傾げた。


「うむ。詳しいことは、鑑定の儀の結果を見ればわかる事──それではこれより、儀を執り行う! 神聖なもの故、何人もこれを穢してはならぬ!」


 白装束の張り上げた声は、比較的近くにいた俺たちの耳を劈くような大声量で──そしてその瞬間、城内の照明が落とされた。


 それでも俺は何も見えなくなるといった事にはならず、辺りの光景はハッキリと鮮明に、その目に映し出されていた。


 白い光。


 足元から天井に掛けて、俺達を包むようにして、何かしらによって放たれた光が大きく伸びていたのだ。特殊な照明器具ならできないことも無いのだろうが、それでもシャンデリアを天井から吊り下げるような空間においては異質なものであった。


「っ……!?」


 驚愕に次ぐ驚愕、もうこれ以上驚かされることもある者かと思っていたのも束の間、先程感じた血が抜かれていくような感覚を再びこの身に感じると、その光は次第に細く細く、収斂していった。


 何が起こったのか、何をされたのか。


 それが説明されることはなく──というよりは、それこそが先程から言っていた鑑定の儀とやらの正体なのだろうが、俺はそこに一瞬思い至れず、ただただ呆然としていた──しかし、それは更なる衝撃で上書きされ、吹き飛んでいった。


「結果が出た。これよりお主らの職業を読み上げていく」


 空中にこれまたよくわからない光──俺の目がおかしくなっただとかそういうことでないのなら、アレは確かに魔法陣と呼べるもので、それが浮かんでいたのだ。


 白装束がその魔法陣に手を突っ込むと、板のような、紙のような、アレは羊皮紙と言うのだろうか、そんなものがずるりと引き出されてきた。


 そして、城内の照明が復旧すると、白装束はそれを見て、先の宣言通り、読み上げ始めた。


「ふむ……。まずは……ケンシンよ、ケンシンは誰だ?」


 と、名前を読み上げ、それが誰なのかを確認した。


 俺はケンシンではないから多分目の前にいるこの会社員の人がケンシンという名前なのだろう。漢字は不明だが。


 それよりも、だ。


 向こうはこちらの名前を今初めて把握したらしい──ということは、俺達が今こうしてここにいることは完全に偶然で──いや、偶然ではなく意図的で恣意的なものなのだろうが、あくまでも俺達という人間が選ばれたわけではなく、あの時あの場所にいた人間なら誰でもよかったと、そういうことなのではないか。


 だとすれば腹が立つどころの話ではない。無作為に選ばれたということなのだとすれば、俺があの買い物をさっさと終わらせて家に帰っていればこんなことにはなっていなかったのではないか。


 俺がもっとちゃんとしていれば、選ぶことに悩んでいなければ、時間を掛けていなければ──こんな事には、こんな場所には。


 それだけではない。この二人の会社員に関しては別なのだろうが、あの薄暗い帰り道で俺にくっ付いてきていた──というのはあくまでも俺の勝手な予想でしかないにしても、この子も本来、巻き込まれる必要性はなかったのではないか。


 誰に対して怒ればいいのだろうか。


 自分に?


 そんなわけはない。俺は確かに悩んでいたが、時間を掛けていたが、それが悪い事なのだろうか。優柔不断な性格は直そう直そうと考えながらも直せていなかった俺の悪い部分ではあるものの、それがこの原因だとまで言うつもりはない。


 悪いのは勝手な都合で俺達をここに拉致したであろうコイツらではないか──などと俺が眉間に皺を寄せていると、目の前の会社員──ケンシンさんが手を上げ、自分だと答えた。


 名前を知られているのには不気味だと感じたらしいが、それでもなぜ知られたのかがなんとなく察しが付く状況ではそれも薄まるのだろう、手を挙げた彼はその職業とやらがなんであるのかを尋ねることにしたようであった。


「お主か。お主の職業は……ほぉ、これはまた……」


 と、白装束はその見えているのかも分からない目で一頻りその羊皮紙に目を通すと、意味ありげに頷き、不必要に勿体ぶってから職業とやらを告げた。


「お主は『剣聖』だ。剣を持つ者の中では最強とも言える存在──幸先がいい」


 剣聖──日本の歴史上の武士だったかにもそんな風に呼ばれた人がいると聞いたことがあったが、このいかにも普通そうな──いや、確かに鍛えていそうな身体はそのスーツ越しにも見て取れるけど、日本の会社員が持っているものなのだろうか。


 というか、剣聖は称号であって職業ではないと思うのだが、まぁ、職業が授けられるとかいう考えの宗教があるくらいなのだから、称号も突き詰めれば職業なのだろう。


「先輩、剣道とかやってたんですか……?」


「いや、剣なんて握ったことないんだけど……」


 目の前の二人からそんな、ヒソヒソとした会話が聞こえた。どうやら向こうで元々何をしていたかなどは考慮されないらしい。


「続いては……ふむ、セイコ、セイコというのは誰だ?」


「え、あっ、はい!」


 と、続いてはそのケンシンさんの後輩にあたるのだろう、会社員の内のもう片方の女性──セイコさんの番のようだ。


「お主は、これもまた素晴らしい。お主に授けられた職業は──『聖女』だ」


「せ、聖女……?」


「はぁ?」とでも言わんばかりの様子であるが、思い留まったらしい。社会人になって何年かは分からないが、いきなりお前は聖女だとか言われてはこうもなるのだろう。


「万物を癒し不浄なる力から身を守る結界を使い熟す神の御遣いと言われておる」


「はぁ……神の……」


 周囲にはどよめきが走ったが、その白装束がブチギレ一歩手前の語調で黙らせたことにより、再び辺りは静けさを取り戻した。


「そして次が……」


 と、三度目、今度は俺の番なのではと身構えたが、白装束が読み上げたのは違う名前であった。


「マホ、マホというのは……お主か?」


 思えばずっと手を握ったままだったその子の方を見ると、無言ながらも頷いていた。その手は未だ震えていたが、別に人見知りだから黙っていたというわけでもなく、普通に怖くて声が出ないだけなのだろう。


 俺自身、脚は震えたままだし、何で立っていられているのか不明だし、ほとんど声なんて出てはいないから、こうして内心グルグルと考えを巡らせるくらいしかできていないわけだけれど。


「マホに授けられた職業は……『大魔法使い』だ。あらゆる魔法に長けた存在──そこらの魔法使いでは太刀打ちのできぬ力を扱うことができるだろう」


 だろう──って、まずそもそも魔法なんぞ存在しない場所から来たというのに、それをさも平然と言われても仕方が無いというか。


 だがああして断言する以上、使えるようになっているものなのだろうか。


 俺は掌を見た──が、特に何か力が漲ってきて、それによってとんでもない力がといったことにはならなさそうであった。


「そして最後に……」


 身構えた──ついに俺の番だと。


 言われたところで大した驚きも喜びもないのが現実ではあるものの、それでもこうやって一つ一つ発表されていく場というのは、それだけで緊張感がある。


 ここまでを聞いていくと、剣を使う剣聖に、回復が出来そうな聖女、そして魔法を使う大魔法使いと、なんだか王道RPGの勇者パーティー感のある構成だが、だとすれば俺は何になるのだろう。


 盗賊だとか言われたらその瞬間牢に放り込まれそうで怖いが、流石にそれが神によって与えられる職業だと信じているのなら、たとえどんなものであろうと悪いようには扱われないのだろう──と、強く信じたい。


「お主か。名は……カムイか」


「は、はい」


 漢字で書くと神威だ。なかなか勇ましいというか、文字通り神様の名前を貰ったわけだが、その本人がコンビニで菓子一つ決めるのに時間を掛けるような人間なのだから、名前負けにも程があると思っている。由来としては親の生まれがどうとからしいが、それはいいだろう。


 とにかく、各務 神威──それがここにいる俺の名前である。


「お主の職業は……」


 と、白装束はそこで一度言葉に詰まった。


「……?」


 俺は首を前に突き出した。


 何かあったのだろうか。


「……んん?」


 白装束は何度かその羊皮紙を矯めつ眇めつ、もう一度読み直しているらしい。裏には特に何も書いていないようだったが、何かそこまで目を疑うような何かがあったのだろうか。


「……あぁ?」


 自分の目が信用ならなくなったのだろう、白装束はその頭のフードを脱ぎ去ると、布越しにではなく自分の目でちゃんと確かめることにしたらしい、神妙な顔をして羊皮紙に顔を張り付けていた。


「あ、あの、職業は……?」


 俺は何が掛かれていたらあそこまで唸るのかが気になり、いよいよ辛抱ならなくなって尋ねた。


 すると──


「え、あぁ、うむ。お主の職業は『ガム』だ」


 訳の分からないことを言われた気がした。

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