決戦・・・そして
ゴブリン「まずい・・・相手は炎を吐こうとしているんやで木でどうにかできるんかいな?」
ゴブリンはドラゴンが炎を吐くと思いこんでいるようだ。
しかし大事な事を忘れていた相手も木の根だと言う事をドラゴンが吐いたのは炎ではなく赤い霧のブレスだったのである。
「な…なんだべ、これは…!」ゴブリンは息を呑む。
シャイニングウッドゴーレムも、それを見つめながらゆっくりと動きを変えた。
ドラゴンが吐いたのは腐食ブレスであった、まわりの木々が枯れていくがシャイニングウッドゴーレムは光のフィールドを展開し自身と少女、ゴブリンも守った。
その神聖なる光が、少女とゴブリンを守る――!
浸食されることなく、フィールド内はまるで異世界のように輝き続けた。
ゴブリンは信じられない様子で叫ぶ。
「な、なんだべ…こんな力、聞いたことないべ…!」
少女も震えながら、ゴーレムを見つめる。
「私の願いが、こんな力を…?」
だが、戦いはまだ終わっていない。
ドラゴンは光のフィールドを睨み、さらに強力な攻撃を仕掛けようとしている――!
業を煮やしたドラゴンは直接攻撃でシャイニングウッドゴーレムを破壊しようと挑みかかってくる!シャイニングウッドゴーレムもそれを迎え討ち両者はつかみ合う。
激突――!
闇色のドラゴンがその巨大な爪を振りかざし、シャイニングウッドゴーレムに襲いかかる!
しかしゴーレムも負けじと、その光り輝く腕を突き出し、ドラゴンの猛攻を受け止める――!
ズシン――!大地が震える。
二体の巨躯が互いに掴み合い、圧倒的な力が激突する。
ドラゴンの黒い鱗が軋み、ゴーレムの輝く木肌がしなる。
その力は互角…いや、果たしてどちらが優勢なのか!?
少女は息を呑み、ゴブリンは地面にしがみつきながら叫ぶ。
「こ、これはとんでもねぇ戦いになっちまったべ!」
次の瞬間、ドラゴンは力を込め、ゴーレムを押し倒そうとする――!
だがゴーレムも負けじと、根を地面に深く張り、その光のフィールドをさらに強化する。
その時少女の頭にまたも声が響き渡った。
???「更に強く願うのです、全てを守りたいと言う強き願いを」
少女「わかった!」
少女が更に強く願う。
シャイニングウッドゴーレムの輝きが頂点に達し、まばゆい光が大地を照らす!
その神聖なる力がドラゴンを完全に包み込み、強大な腕で羽交い締めにすると――
――ズシンッ!!
ドラゴンの黒い鱗が軋む。
光の力が闇を押しつぶし、強大な存在が砕け散っていく――!
ゴブリンは呆然と立ち尽くす。
「な、なんだべこれは…!まさか、あのドラゴンが…!」
少女は息を切らしながら、シャイニングウッドゴーレムの光に包まれていた。
少女「私の願いが、本当に届いたんだ…」
ドラゴンが完全に砕け、周囲の枯れた木々もゆっくりと蘇り始める。
戦いが終わるとシャイニングウッドゴーレムは少女に向けて勝利の指立てをすると地面に消えていった。
ゴブリンは地面から起き上がり、ぼんやりとゴーレムが消えていった場所を見つめている。
ゴブリン「なんや…すげぇもん見ちまったべ…」
少女はまだ息を整えながら、自分の手を見つめる。
少女「私、本当に…世界樹の御子なんだ…」
戦いは終わったがまだ謎は残っている、あの黒い根は一体何だったのか? シャイニングウッドゴーレムの光のフィールドで癒されたのかゴブリンは復活していた。
ゴブリン「嬢ちゃん、まさか本当にエルダーマンドラゴラだったのかい・・・」
少女「ねぇ、ゴブリンさん世界樹はどこにあるの?私行ってみようと思う」
黒い根の正体、それが何を意味していたのか…少女はまだ知らない。だが、その謎を解く鍵が「世界樹」にあるかもしれない。
ゴブリンは復活しながら、少女の申し出に驚くように目を丸くした。
ゴブリン「嬢ちゃん、本気で世界樹に行くつもりか?そりゃあ並大抵のことじゃないべ…!」
少女は決意に満ちた目で頷いた。
少女「私は…自分が何者なのか知りたい。あの黒い根が何だったのかも…。世界樹なら、その答えを教えてくれるかもしれない」
ゴブリンは腕を組み、しばらく考え込む。そして、ゆっくりと口を開いた。
ゴブリン「世界樹はこの地のずっと奥…伝説の森の中心にそびえ立っているべ。でもな、そこへ行くには試練があるんや」
少女は息を呑みながら尋ねる。
「試練…?」
ゴブリンは深く頷いた。
少女「そうだべ。世界樹に近づこうとする者は、その力を認められなければならん。もし本当にエルダーマンドラゴラなら…その試練を乗り越えられるはずだべ!」
ゴブリン「それに・・・」
少女「?」
ゴブリン「乗りかかった舟だべ、俺も一緒に行くべ!」
少女「本当!?うれしい!」
こうして少女とゴブリンの世界樹を目指す旅が始まるのだった。
少女とゴブリンの新たな冒険が、いま幕を開けた。
世界樹を目指す旅――そこには数々の試練と謎が待ち受けているだろう。
彼女は何者なのか?
黒い根の正体とは?
世界樹は何を知っているのか?
運命に導かれたこの二人は、未知なる世界へと足を踏み出す。
果たしてどんな出会いがあり、どんな困難が待っているのか――!?