唐突な襲撃
なごやかな会話をする二人であったが事件は唐突にやってきた。
突如として地面が、揺れた。
ゴブリンの笑い声がぴたりと止まり、少女は驚きながら足元を見る。
微細な振動から、次第に激しくなる揺れ…。
「な、なんだべ…?」ゴブリンが怯えた声を漏らす。
少女もわけが分からず、辺りを見回した。
突如として、地面から巨大な根が飛び出した。
その根は黒くねじくれ、まるで生き物のように動いている。
まるで少女を掴み取ろうとするかのように、ぐわっと伸びてきた――!
突如として、黒い根が巨大なドラゴンへと変貌した!
ゴブリンは弾き飛ばされ、地面に転がる。
「ぎゃっ!」ゴブリンは苦しそうに呻く。
少女は目を見開き、震える声で叫ぶ。
「ゴ、ゴブリンさーーん!」
ゴブリンは痛みをこらえながら、少女を見上げる。
「に、逃げるんや…!」
しかし、少女の足はすくんで動かない。
目の前にそびえ立つ闇色のドラゴン――その赤く輝く瞳が、少女をじっと見据えていた。
この恐ろしい敵は何者なのか?
少女はがくがくと震える 。
少女「こ、怖い・・・で、でも逃げたらゴブリンさんが殺されちゃう・・・」少女の心の中で、恐怖と覚悟がせめぎ合う――。
目の前にそびえ立つ闇色のドラゴン。その赤い瞳は、まるで全てを見透かしているかのようだった。少女の足は震えている。逃げたい――でも、ゴブリンさんを見捨てるわけにはいかない。
「どうすれば…!」少女は必死に考える。だが、マンドラゴラとして転生したばかりの彼女に、戦う力などあるのだろうか?
ドラゴンはゆっくりと口を開く。その奥には、赤い何かが渦巻いている――!