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2つの虚構

ここは荒れ果てた大地。ここではこの世界の最高クラスの戦力がぶつかり合う頂上決戦が展開する。数百人の兵士を2人の男が率いる。1人は白髪で長身の剣使い、もう一方は屈強な巨体の男だ。

「我らが主が戻るまで持ち堪えるぞ!」

剣使いの男が檄を飛ばす。

巨体の男も共鳴するように檄を飛ばす。

「我々2人が()()となり主につなぐ!」

2人は声を合わせて叫ぶ。

「我らが主、ハリス様はこの世界最強の王になる男だ!全軍進め!」

兵の士気は最高潮となり2人は兵を率いて突き進む。()()の神に向かって。




 ここはどこだろうか。一言で言うならばブラックホールであり空間が歪んでいるようだった。男が1人いた。男の名はハリス。彼は記憶を失っていた。すると白髪で長髪の女が近づいてきた。

ハリスが質問する。

「お前は誰だ?そしてここはどこだ?」

女は答えた。

「それを答えるのは簡単だがお前に話す必要はない。それを話したとしてもあなたは前には進まない。無論私も。」

「この場所は私には壊せなさそうだな。」

次の瞬間ハリスは消えた。まるで大海に落ちるかのように。女は急いで助けようとするが、間に合わなかった。女もまた大海に落ちるように消えた。




ハリスは草原で気を失っていた。気がつくと1人の若い女性がいた。ハリスが目を覚ます。

「気がつきましたか?ここで倒れていましたよ。剣を持っているということは聖騎士様ですか?」

「まあ、そんなとこだな。お前は?」

「私はソフィア。この近くにあるハレクトラ王国の王女です。よければ国にいらっしゃいませんか?少し休んだ方がいいかもしれません」

「では少し休むとする。かたじけない」

2人はハレクトラ王国に向かった。ハレクトラ王国。人口5000万人で広大な領土を持ちこの大陸、ブリタニア有数の巨大な王国。しかし近年聖騎士たちの敗死が相次ぎ国力は急激に落ちていた。まさに滅亡寸前の国である。

市街地を歩いていると手配書を見つけた。

「赤鼻?ピエロか?」

「あれは防衛連合が出す手配書です。彼の名はソーヴァズです。彼は神出鬼没な犯罪者で懸賞金は5億を超えます。」

「すごいな。なにをすればそんな額になるんだ?」

「私はあまり詳しくなくて…。というかあの人に詳しい人はこの世界に存在しません」

「そう•••なのか?」

ハリスはソフィアの言い回しに違和感を覚えた。

「にしてもいい国だな。」

違和感を消すように話題をすり替える。

「そう言ってもらえてとても嬉しいです!」

しばらくすると2人は王宮に到着する。

王宮の一角で2人は談笑していた。しかし空中に不穏な無数の影が現れた。驚いて外に出るとハリスは戦慄した。

「あれはなんだ?」

「あ、あれはシヴァの•••手先の破滅軍団ポラリスです」

「シヴァだと?」

血相変えてハリスは言う。

「今すぐ安全なところに!」

ポラリスはすぐに総攻撃を始める。

「原子崩壊《アトミック•インテグレーション》」

回避不可能な程の高速の光線が2人を襲う。

ハリスはソフィアを庇った。

「ソフィア、お前さっき攻撃が顔に•••」

ハリスはソフィアが死んだかのように見えた。幻覚だろうか。

「私は大丈夫です。それよりもハリスさん、血が止まらない•••」

激痛がハリスを襲う。

その時彼の脳裏に声が響く。

『我らが大将が戻るまで持ち堪えるぞ!』

『我々2人が()()となり主につなぐ!』

ハリスの体に力が湧く。

「懐かしい••感覚だ。」

微量だった力は何倍にも膨れ上がる。

「魔力の覚醒?それも、ものすごい量です」

魔力がハリスから溢れ出ている。その量は普通の魔法使いや聖騎士の数倍以上だ。いつの間にかハリスの傷は完治していた。

()()()()()()氷結(フロスト•バーン)

その瞬間王国は冷気に包まれた。ポラリスの攻撃により発生した爆発の砂塵が明けた時、ポラリスは再び攻撃を仕掛ける。ハリスはパチンと指を鳴らす。

「ポラリスが全部凍った?」

ソフィアは唖然としていた。剣を抜きハリスが言う。

「今終わらせる。大海よ凍れ。氷原子(フローズンアトミック)爆裂(エクスプロージョン)

無数にいたポラリスは一振りの斬撃により完全に崩壊した。

「全部やっつけたのですか?」

「ああ、もう安心だ」

「あ、ありがとうございます!」

一方ポラリスに襲われていた民衆たちは歓喜に沸いた。

「ありがとう!聖騎士さーん!」

「本当にありがとうー!」

「この国を救ってくれてありがとう!」

ハリスは誇らしげに民衆に手を振っていると急にどこかに引っ張られ消えてしまった。ソフィアはハリスを探す。

「あれ?ハリスさん?どこ行ったの?」



気づくと王宮からとても離れた王国の路地裏にいた。背後から気配をハリスは感じた。

「誰だお前?」

ピエロの男は仮面をつけていた。

「お前確か手配書の、名前は確か••」

「ソーヴァズだ」

男は仮面を外す。

「お前なんのつもりだ?まさか俺を殺そうとしてるのか?」

ハリスは剣に手を置く。

「俺はお前の敵じゃない。俺とお前は同一の目的を持っているからだ」

ハリスは苛立ちながら言う。

「おいクソガキ、何も知らねえくせにわけの分からないことを言ってんじゃねえよ!」

「シヴァ」

ソーヴァズがそう言うとハリスはしばらく沈黙し、再びソーヴァズが話し始める。

「お前の目的はシヴァを殺すことだろ?」

ハリスは血相を変えてソーヴァズを睨んでいた。

「なぜそれを?」






 

ハリスの目的を知っているソーヴァズ。その正体は?

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