第十一話船旅へ
第十一話船旅へ
帝国軍の行動が予想より早い。
このままでは私たちが町にたどり着く前に見つかってしまう。
最悪の場合私が囮になるしか……なんて考えている暇があるなら罠を仕掛ける。
シュバババ
「私は先に行って船に乗れる準備をしてくるっす!!」
私はやつに音の暗号で帝国軍の足止めをしてほしいと頼んだ。
やつからも了解と返事がきた。
町にも数人帝国軍の兵士がいる。
殺しては面倒事になるぐらいなら気絶させて服を奪う。
「堕ちてろ」
ドンッ
「うっ」
バタン
……よし、これで多少の無理は出来る。
私は船長に乗る人数を伝えお金を渡した。
教会で仲間から情報を仕入れた後、帝国軍の兵士に話しかけられた。
「よっ、どうした今日は元気が無さそうだな」
「ちょっと今日の作戦気乗りしなくて」
ラウルたちが来る少しの間だけでも情報を集める。
「だよな〜。結局は戦争の準備みたいだしさ〜俺嫌だもん。お前も見ただろ、先日の皇帝陛下の変わり具合……言っちゃ悪りぃが、ありゃヤベェよ。今すぐに帰って家族に会いたい。今のは聞かなかったことでお願いな」
「さっきまで眠ってて記憶が曖昧なんだが、皇帝陛下はいつ頃からおかしくなったか教えてくれないか」
「そんなの二ヶ月前からだよ。そういえばその頃から怪しい魔術師を側近にしたなんて噂があったな。魔術が使えれば水がたくさん飲めて困りそうにないのにな、俺も使えたらなぁ」
「呪草って知ってるか?」
「呪草って御伽話のあれだろ、あるわけないだろ。……上官たちが話してるのは聞いたが、あるわけないだろ。どした、そんなこと聞いて? 誰か呪いたいとかか〜? 黙っててやるから話してみろよ」
「御伽話を読んで気になっただけだ。教えてくれてありがとな。……眠ってろ」
ドンッ
「なん……で」
ラウルたちを船まで案内した私はやつに『私たちはこれよりコルステ領ラルゴ島に向かう。交渉の必要あり増援求む』
『了解。俺の他にも呼んでおく』
第一駐屯軍は現在グレイン領に隣接するコルステ子爵領のラルゴ島に第四駐屯軍と合同演習に来ていると仲間からの情報があった。
第三駐屯軍を止めない限り私たちが帝国へ入る事は出来ない。
「ケルヴィン、ここから先の交渉は私たちに任せてほしいっす。ケルヴィンたちは島に着き次第休息を取ってほしい」
「任せてもいいんだな」
「大船に乗ったつもりで任せてほしいっす」
「何かあれば俺を呼べよ」
「分かってるっすよ」
そして視点はラウルに切り替わる
これが船か……凄く揺れて落ちそうだ。
だけど、海ってこんなに……綺麗だったのか
ドン
「おい、ラウル、みろよアレなんか浮いてるぞ」
「本当だ。なんだろうな、アレ?」
「あれはクラゲという生き物ですよ二人とも」
「アレ生き物なのかよ!?」
テッドが大声で驚いているとケントがテッドのことを煽った。
「そんなことも知らないのテッド」
「ケントは知ってたってのかよ、え〜?」
「知ってるに決まってるだろ。……けどまあ実物を見るのは初めてだけど」
この景色、クロエにも見てほしかったな
「な〜に黄昏れてんだよラウル!! どうせクロエにも見てほしいとか思ったんだろ。だったら今はお前が景色を見てクロエに教えてやれ、その後二人で来りゃいいだろ」
「そう……だな。せっかくだし楽しめる間に楽しまないと」
休息を取らないと心身共に保たなくなる。
だから少しだけなら楽しんでもいい……よな。
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来る時にしますね




