第十話威力偵察
第十話威力偵察
私はケルヴィンたちをすぐさま追いかけた。
道中も賊が数十人いたが、全て排除した。
ヒュルルピー
「どうした緊急事態かエリーズ」
「そうじゃないがちょっと賊が多い……いちいち排除するのは面倒だ。そこでお前に頼みたい。……追いかけないといけないっすから頼むっすよ」
「任せろ」
これで安心して追いかけられるというものだ。
十分後
「エリーズさん、その血どうされました!?」
「害獣を退治する仕事を受けてましてその時にちょっと返り血が」
「そうですか。このオアシスの水を使って洗いますか?」
「お気遣い痛み入るっす!! でも貴重な水っすから……ケルヴィンさん」
「あぁ分かってる。みんな急いで出発するぞ!!」
私たちが急いだのはヴァルスピア帝国の旗が見えたからだ。
「急になんだよ親父!!」
「帝国の旗が見えた。今見つかるわけにはいかないだろ」
ケントが私に聞いてきた
「エリーズさん、分かれ道です。どうするのですか」
「左に進むっすよ」
この分かれ道は右側を進むことが一番の近道だが、あの行軍速度からして確実鉢合わせすることになる。
木に彫られた『賊の殲滅完了した』と暗号で理解した。
その後やつは帝国に気づかれないよう王国独自の音の暗号を伝えてきた。
『今回の行軍は本隊が来るまでの威力偵察の一回目だそうだ。妨害のために罠を仕掛けてはいる。
一応近隣の人間を避難もさせておくから安心しろ。
山を越えた際はカルネ町には行くな、小規模だが帝国軍に占拠されている。馬の限界を超えた速度で体力関係なく走れる馬具を五馬身先の木にぶら下げている。目印はつけえある安心しろ、エリーズは走れるだろうから何もないぞ。用があればまた呼べ』
あの装具があれば明後日には越えられるが……私には何もないのかよ!!
「みんな一旦止まってほしいっす!!」
少し早いが止まってもらおう。
「どうしたんだエリーズさん」
「ケルヴィンさん、落とし物を取りに行くっすから……あの馬具があれば明後日には山を越えられるっすから」
「分かった。こっちは準備しておく」
私は馬具がある木の前についた。
「エリーズ……ほらよこれ」
「いつも助かる」
「相棒を支えるのが俺の仕事だ、気にするな。それとエリーズこれ食ってけ」
「……私の好物じゃん、ありがと」
「渡すもんは渡したぞ。じゃあな」
モグモグ……ゴクン
「やっぱり美味しい……さてっと馬具持って戻るとしますか」
そして私は馬具を持っていき全員の馬に付けた。
「待たせてすまないっすね。これで早く山を越えてパシバル町に向かうっすよ」
「エリーズさん、この山を越えてすぐにはカルネ町があるはずですが」
「さっき仲間から情報があったっんすよ。カルネ町には『小規模だが帝国軍が町を占拠している』とパシバル町ならカルネ町からも距離もあり国境を跨いで存在する教会がある情報収集するにはうってつけってわけっすよ」
しかもパシバル町の教会にも仲間がいる。
本当に情報を集めるには良い町であり漁業が盛んで魚料理が美味しい……っと話が逸れた。
そしてあの町はお金さえ払えば港町でもあることから船で移動も可能だ。
……帝国軍の行動が早いのが気がかりだな。
そして私たちは移動を再開した。
読んでいただきありがとうございます!!
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