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しいなここみの交通エッセイ

車の運転に関して勘違いされてそうなこと12選

①トンネル内は追い越し禁止ではありません


 原則的には追い越し禁止となっていますし、教習所でもそう教わるはずです。ただ、それは片側1車線のトンネルの話です。

 片側2車線以上のトンネルなら当然、通行帯の種類に従います。黄色の実線ならもちろんはみ出し禁止、白の実線ならよくわからないけど追い越しはダメ、そして白の破線なら当然、追い越しOKです。

 これを勘違いして『トンネル内は絶対に追い越しダメ!』と思っているのか、次々と追い越しをしながら飛ばしてた車がトンネルの中で遅いトラックの後ろに追いつき、そのまま大人しくくっついて走ってしまっているのをよく見かけます。

 トンネル内で追い越しをするのが怖いだけなのかもしれませんが、通行帯が白の破線ならトンネル内でも追い越し出来ます。遅い車の後ろに列を作って円滑を乱してしまわないよう、積極的に追い越しをしましょう。

 ちなみに通行帯が白の実線の意味を私はよくわかっていません。とりあえず追い越ししてはいけないらしいので、パトカーが側にいたらしないようにしましょう。←ここツッコむとこ



②高速道路の追い越し車線を走り続けると違反になります


 これは言うまでもないでしょう。追い越す車もないのに延々と走り続けていると2点の違反となります。追い越し終わったら直ちに走行車線に戻りましょう。

 ただし、追い越した車の前にさらに遅い車がいる場合は、多少距離があっても連続で追い越すべきです。それをわかって連続追い越しをしている車を後ろから『早う戻れや!』と煽るのはやめましょう。



③前照灯とはハイビームのことである


 前照灯、つまりヘッドライトのことですが、これはハイビームのことを指します。ロービームは『すれ違い前照灯』という名前で呼ばれます。つまり基本的に使用するべき前照灯とは、ハイビームのことです。

 暗い山道などでも9割以上の車がロービームで走行していますが、これは正しくは安全運転義務違反という名の道交法違反となります。

 ハイビームは遠くまで照らすので明るく、危険を早くに察知することが出来ます。ですが、それはハイビームにする理由の半分に過ぎません。

 もう半分の理由は、自分の車の存在をいち早く周囲に知らせることが出来るからです。対向車がハイビームを落とすのが遅れてムカついたとしても、それはあなたがロービームのまま走っているから、相手に気づいてもらえるのが遅れたからかもしれませんよ。

 もちろん対向車とすれ違う時には眩しいのでロービームに落としましょう。つまり交通量の多い町中などではすれ違いまくりなので、ロービームのまま走行するのが当たり前となります。町中ではむしろハイビームのまま走り続けるほうが、相手を幻惑させて危険を招くので違反になるでしょう。

 でも対向車が疎らならハイビームを基本に走行しましょう。ロービームに切り替えるのを忘れるからしないという人は、そもそもハイビームで走る癖がついていないのです。癖がつけば対向車を察知した瞬間に右手が動くようになりますよ。



④信号は停止線の有無に従う


 たまに右折した先の赤信号に従って停止してしまう車を見かけます。

 信号手前に停止線(白の実線)が引いてあれば正しいですが、停止線がなかったり、白の破線が引いてあったりするなら、そのまま行ってよしです。

 大阪の弁天町のあたりとか、よくわからない場所はありますが(笑)……



⑤駐車場内は車が優先


 大きな駐車場などは必ず横断歩道が設けてあるはずです。歩行者がそこを歩いていたら停まって譲らなければなりませんが、横断歩道でないところは車が優先です。歩行者のほうが立ち止まって譲らなければなりません。

 もちろん、だからといって轢いてしまったら車のほうが悪くなりますが、円滑のため、なるべく歩行者に譲らないようにしましょう。歩行者のほうもそれを知って、子供さんが飛び出したりしないよう教えましょう。



⑥安全運転は車を運転する目的ではない


 車を運転する目的は、言うまでもなく『出来るだけ早く目的地に着くこと』です。

 安全と円滑はそのための手段に過ぎません。もちろん絶対に必要な手段ですが。

 そしてもちろんそれは『自分が出来るだけ早く目的地に着くこと』ではなく、みんなが『出来るだけ早く目的地に着くこと』が重要です。

 そのための安全と円滑をこそ、心がけましょう。



⑦譲り合いとは何か


 これを『遅い車が速い車に譲ること』だと思っている人は意外に多いようです。

 もちろん、それは間違いです。

『遅い車が速い車に譲り、速い車も遅い車に譲ること』を『譲り合い』と言うのです。

 片方だけならそれは一方的な『譲れ』になります。

 前が詰まりそうになって3秒前から右ウィンカーを出している大型トラックに向かってハイビームを食らわせながらブロックしようと右後ろからスピードを上げる乗用車とかをよく見ますが、典型的な『譲れ運転』です。俺のほうが速いんだから俺様に譲れやと言っているわけですから。

 逆に、右側後ろから迫っている乗用車を充分先へ行かせられるのに、ウィンカーを出すなりハンドルを切って車線変更し、乗用車にブレーキを踏ませる大型トラックもよく見ますが、これも典型的な『譲れ運転』です。俺は重たくて不自由な車に乗っているんだからそのへん理解して譲れやと言っているわけですから。

 余裕ある譲り合いの心がなければ道路は危険でいっぱいです。困っている車にはパッシングやウィンカーなどで合図して、『どうぞ』の意思を伝えましょう。自分より速い車は可能な限り先へ行かせて、どうしてもの場合は早めのウィンカーで『車線変更しますよ。いいですか?』の意思を伝えましょう。

 とはいえ実は譲るべき時と譲るべきでない時というのは判断が難しいのですが、それはまたの機会に。



⑧『割り込み』と『合流』と『車線変更』の違い


 合流しようとしている車や、車線変更しようとしている車を、『割り込みすんなや!』みたいに勘違いしてブロックしている車をよく見かけます。

 それではここで問題です。

 さて、次の状況のうち、割り込みと言えるものはどれでしょうか?


A、もうすぐ片側2車線のうち1車線が消える合流部分で、消えるほうの車線を後ろから車が走って来て、前に入った


B、もうすぐ右側に高速道路の出入口があるところで、左車線後方から車がやって来て、前に入った


C、もうすぐ左側に高速道路の出入口があるところで、右車線後方から車がやって来て、前に入った


D、右車線をずっと走っていたら、ガラガラの左車線を後ろからずっと走って来た車が、右ウィンカーを出して前に入ろうとして来た


E、右車線をずっと走っていたら、同じくずっと右車線を走っていた後ろの車が、左から自分を追い越して前に入った


F、ETCレーンに並んでいたら、横から車が自分の前に割り込んで来た


 正解は、私の独断と偏見になりますが……


 Aは合流です。たとえどういう風に見えても、割り込みではあり得ません。合流部分では車線の数ぶんの列になるのが安全と円滑を考えれば正しいのです。これをブロックするほうに問題があります。


 Bは割り込みです。ただ、県外ナンバーの車などが知らずにキープレフトして来て、困っているのかもしれないので、執拗にブロックするのはやめましょう。


 Cは完全に割り込みです。県外ナンバーであろうとも、列が出来ていれば並ぶべきです。ただし、執拗にブロックすると直進車が非常に困りますので、仕方なく入れてあげましょう。横向きに列に突き刺さって2車線とも蓋をしている車をよく見ますが、公害ですよ。


 Dは単なる車線変更です。きちんとキープレフトして来たのに、右側に車が集中してしまっていて、困っています。右車線に居座っている自分達のほうがおかしいことを理解しましょう。


 Eは割り込みです。ただ、あなたの運転があまりにものんびりしすぎている場合は仕方なかったりもします。


 Fは状況次第です。ETCレーンが合流後にある場合なら割り込みとは限りません。また、ETCレーン通過後に車線が合流するところで「ワシが先じゃー!」みたいにレースをおっ始めて事故する人がいるようですが、やめましょう。



⑨「急いでも10分ぐらいしか変わらない」は自分のための言葉


 よく言われる「急いでも10分ぐらいしか変わらない」という言葉ですが、これは自分を落ち着かせるための言葉です。他人に押しつける言葉ではありません。

 同様に「予定より早めに家を出れば急ぐ必要はない」も自分に言い聞かせるための言葉です。

 道路にはいろんな人が走っています。中には10分遅くなったら仕事に支障が出る人もいます。休憩時間が取れなくなる人もいます。

 事実、私は5分遅れたせいで14時間も仕事が遅くなってしまったことがあります。先方の受付が閉まってしまったのです。まぁ、会社が無理なスケジュールを押し付けた上に、事故渋滞と工事渋滞が重なったせいですが。

 それでもギリギリセーフよりも5分遅れるだけで済んだのです。凄いと思いませんか?

 それでも落ち着いて安全運転で走ったのです。偉いと思いませんか?

 道路にはいろんな車が走っています。遅れる!と思ったら無茶な運転をしてしまう人も中にはいるでしょう。そういう急いでいる車をブロックしたって何にもなりません。危険の種を育てるだけです。関わらないのが吉です。

「急いでも10分ぐらいしか変わらないのに〜」と他人に自分のペースを押しつけることに意味はありません。それは自分を戒めるための言葉です。他人を戒めるための言葉ではありません。自分のペースは自分で守り、他人のペースは気にしないぐらいがちょうどいいでしょう。



⑩煽り運転は後ろからせっつく車だけに適用されるものではない


 前の車が嫌がらせで急ブレーキを踏んだり、追い越しをかけられている車がスピードを上げたり、隣に並んだ車が危険な幅寄せをしたりした場合にも『煽り運転』を適用され、免許取り消しになることがあります。

 また、後ろの車の車間距離が近いというだけでは煽り運転にはなりません。単なる車間距離不保持になる場合がほとんどだと思います。煽られていると決めつけての嫌がらせはやめましょう。

 煽られてるかも?と思った時には2km/hほどスピードを上げてみましょう。それでゆっくり離れて行くなら、単にあなたのペースが速くなったり遅くなったりしているため、後ろの車列がふるいにかけられるように詰まってしまっているだけなのかもしれません。



11、ふんわりアクセルとは


 なるべくアクセルを踏まないことではありません。

 発進時に早いタイミングからアクセルをじんわり踏み始めて、スムーズに加速し、自車の燃費も後続車の燃費も良くするような踏み方のことです。

 また、急のつくことをしないように、なるべく早めに希望速度まで上げて、そこからのアクセル操作を緩やかにすることでもあります。

 発進時も燃費の悪くなるタイミングですが、加速している間は燃費はずっと悪くなっているものです。加速時間はなるべく早めに済ませ、燃費のいい巡行状態に乗せましょう。



12、車間距離は『取る』ものではない


 使うものです。

 使えばクッションですが、使わなければただのクソ長いつっかえ棒でしかありません。

 伸ばしたり、縮めたりして、使いましょう。




 他にも何かあったような気がしますが、忘れたのでここまでとします。


 お読みくださりありがとうございましたm(_ _)m


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[良い点] 素晴らしい(*´▽`*) 勉強になります!!
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