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プロローグ
友達なんて最低限いればいい。私のことを理解してくれる人だけでいい。素で話せる人なんて1人でも充分。自分のことは自分がよく知っていたらいい。自分のことは自分が1番可愛がればいい。そんな、私。
私は私が1番可愛くて、大切。友達も親も恋人よりも、自分が大切。クラスの噂も学校の噂よりも、今のありのままの自分が大切。そんな、私。
「ねぇ、拓海」
今日も私は問う。
「私、今日も可愛いでしょ」
偽物の笑顔で、話す。
「うん、愛莉はいつも可愛いよ」
その言葉が私を喜ばせる。私は私のために生きてらればいい。他の誰にも邪魔させない。できないくらい幸せに生きていたい。そんな可愛い私は、とてもめんどくさくてひねくれた性格と心でこの人生を全うするんだから。