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第8話 ゲームの世界と現実世界と

ハンナがお茶のお代わりを持って来てくれたので一先ず休憩?

アップルティーの甘い香りが部屋中に広がる。

ハンナが退室してまた2人きりになったところでメグへの尋問再開!


「ところで・・・その乙ゲー?だとメグはどうなるの?」

「ああ、私は宰相の息子ルートで婚約者に纏わり付くヒロインを虐め抜く悪役になるのよ」

「宰相の息子・・・どんな人だろう」

「お茶会にもいたでしょうが。第一王子の側近候補で既に行動を共にしてるよ」

「・・・・・・覚えてない」


確かに昨日のお茶会は王子様2人ともう1人いて3人でテーブルを回っていたような。


「どんだけ王子達に興味がないのよ」

「はは・・昨日はショーン様もいなかったから護衛騎士に将来性がある人がいないか見極めてたの」

「出たよ、枯れ専」

「アラフォーには十代二十代でも年下過ぎるからね」

「もう少し今の年齢に馴染もうよ。7歳なんだよ?」

「そうだけど。どのみち恋愛対象にはならないんだからしょうがないじゃん」

「・・ま、そこは置いといて。私の方は設定通りに宰相の息子と婚約が決まってるんだ」

「そうなの?」

「ウチは代々騎士を務める家系でお父様も騎士団の団長だからね。お祖父様は騎士団の総長で文官家系の宰相の家とは接点が無くてどっちかって言うと不仲だったらしくて」

「それなのに婚約するの?」

「学校的に言うと文化系の部活と体育会系の部活同士が不仲で、心配した生徒会と中立派がトップ同士を和解させようと画策したって感じ」

「分かりやすい!・・でも生徒会って」

「生徒会長が王様よ。国王からの提案だから両家とも受け入れざるをえないって訳」

「なるほど・・・分かりやすい」


7歳なんてピカピカの一年生で未だ恋も知らないお年頃なのに大人の思惑で結婚相手を決められるなんて。息苦しい世界だな。


「婚約者の感想は?」

「別に何とも。向こうも未だ9歳だしね。でも既にお父さんの後を継ぐ目標に向かって既に英才教育受けてるみたいよ?真面目な優等生って感じ」

「ああ、小1でもそんな子いたね~。大人っぽくて子どもらしさがない子が。私のクラスにもいたわ。中学受験して東大に入ってエリート公務員になったって風の噂で聞いたわ」

「正にそんな感じ。両家の顔合わせも済んで何度かお茶してるけど、彼には今から大学に行きたいから学生結婚になるよって言われてる」

「へぇ~」

「そっちは?5歳での婚約者に決まるのは流れたけど王家は諦めてないんじゃない?家柄的に最有力なのは変わらないんだし」

「どうなんだろう?王宮に招かれるといつもショーン様の追っかけしてたから王宮出禁になって、それからはたまに兄弟でウチにお茶しに来てるよ」

「アハハ!完全に警戒されてるじゃん!!」

「訪問する時はショーン様は付いてきてくれないし。でも護衛騎士がステキなんで無理矢理お茶に付き合わせてたら最近は若い騎士しか連れて来なくなって」

「クククっ・・・サトエリの趣味筒抜けで対策練られてんじゃん」

「・・・・そんな意地悪をする王子様達に好意を持てる訳ないのにさ!」

「ププッ・・・サトエリを婚約者にするのは前途多難だね・・・・・」


お茶請けのクッキーを食べて冷えてしまったアップルティーを一気飲み。


「そんなわけだからさ、サトエリが婚約者に決まったら私も一緒に過ごす事が多くなると思うよ?私の婚約者が王子と一緒だから」

「でも万が一第二王子の婚約者になってもその内接点は減るんじゃない?今は兄弟揃って行動してるけど宰相の息子は第一王子の側近予定なんでしょ?」

「その予定だけど、未だ立太子してないから今はどっちが王太子になるか分かんないんで今のところ両方の王子と親睦を深めてるらしいよ。学園に入学したら学年も違うしさすがに別々になるだろうけど」

「へぇ~」


それからは前世の小学校時代の話題で盛り上がった。



「今度はさ、ウチに遊びに来てよ。家族を紹介するからさ!」

「うん!超楽しみ!総長なんて渋くて絶対ステキだろうな~!」

「お祖父様は止めてよ?お祖母様だっているんだから」

「後妻はムリか・・・・・」

「お兄様辺りで手を打ってよ。未だ婚約者もいないし」

「メグはお兄さんがいるんだ」

「一番上の兄は高等部の3年生、二番目の兄は中等部の三年生、三番目の兄が第一王子と同い年」

「3人もお兄さんがいるんだ~。たった1人の妹じゃメッチャ可愛がられてそう!」

「まあね。一番上の兄は騎士団の入団が決まってて演習にも参加して忙しいのにシスコン過ぎて毎日帰って来るよ」

「シスコンの兄・・・・・萌える」

「私の婚約者候補が我が家に来る時はいっつも同席しててお母様に追い出されてるよ」

「楽しそう!」

「私が相手の家に行く時は毎回護衛だと言い張って着いてくるし。困ったモンだよ」

「うふふふ」


そりゃあ歳の離れた妹。可愛くてしょうがないでしょう。



そろそろ良い時間なのでメグが帰る支度を始めた。

玄関までお見送り。


「本日は楽しい時間をありがとうございました」

「こちらこそ楽しかったわ。エリーとこれからも仲良くしてあげてね」

「はい。次は我が家へお招きします」

「まあ、楽しみだわ。セントルパティフィールド伯爵家へ招待して頂けるなんて」

「家族で歓迎致します」

「また遊びに来てね!」

「ええ。ではまたね」


お茶会や舞踏会で挨拶は交わしても文官家系のお父様とメグのお父様はあまり接点が無くて家同士の交流はさほど無かったようだ。



ゲームについて知る事が出来たし前世の話もいっぱい出来たし、とっても有意義だった!


騎士団総長のお祖父様と団長のお父様かぁ。

やっぱりガリガリよりマッチョな方が魅力的だよね!


メグのお宅訪問が今から超楽しみ!!






お読み頂き、ありがとうございました!

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