恋をするひと【一人で詩の連作企画②】
恋をした
一生に一度
全てを捧げても足りないほどの
恋をした
↓ こい
永遠に続く命などないわ
すべてはいつか、潰えて消える
あなたの嘘も わたしの恋も
かけらひとつ残さぬままに
↓ いのち
君がもう笑えるのなら
僕は安心して還れるんだ
全ての命が逝くべき土へ
或いは生き身で届かぬ空へ
↓ そら
翼を捥がれてしまいました
それでも私はあきらめない
あなたとふたりで見上げる空は
きっとなにより美しい
↓ つばさ
常に前を向きひた走る君は
いつでも私の憧れだった
ずっとそのまま笑顔でいてね
その翼は、きっと溶けない
↓ えがお
言いたいことはいつだって
たったのひとつも言えないんだ
そんな僕を嘲笑うかのように
笑顔で輝きを灯す君
↓ かがやき
僕が目指したのは荘厳な輝きではなく
ちっちゃく瞬くかすかなひかり
僕が守りたいのは偉大な聖人ではなく
ちっちゃく震える、儚いきみ
↓ はかない
夢のように、翔んで
幻のように、舞って
そんな遠いきみの姿は
まるで儚き蜃気楼
↓ とぶ
君が迎えに来てくれたんだ
だから私は翔んで逝き、そして
生まれ変わる
華となる
↓ はな
花を咲かせようかと君が言う
そうしようかと頷く僕
ふたりで咲かせた花だから
どうかどうか、枯れないで
最後までお読み頂きありがとうございました。
vol.02のこちらは、恋に始まり花に終わる作品群となりました。最初と最後の作品は学生時代に作ったのですが、当時の自分の青さが出ていてお気に入りです。
ひとつでもあなたの心に響く作品があれば光栄です。