【あすなろの木たち】最終章
現世に戻る事のできた水希、水希の記憶はあの殺された時のも含めてなくなっていなかった。
その記憶を頼りに叶夢を探す事に。
そして、いろんな仲間達と再会して叶夢の捜索をした。叶夢は見つかった。そして、事情を話したところ、叶夢は自分を殺した殺人犯と対決をする事に・・・。
だが、犯人は拳銃を所持している。叶夢はどうなるのか!?
異世界バトル最終章!これで最後のバトル!
【あすなろの木たち】最終章
そして、水希はスマホの電源を入れ、日時を見た。
「七月二日」
私が射殺される一日前の日で、射殺された時の記憶も戻っていた。
「変な気分」
水希は制服に着替え、学校に向かう準備をした。
明日とむくんが私と一緒に射殺される日、それまでに見つけ出さないと。
そして、水希は家を出て学校に向かった。
とむくんの学校は確か同じだったような、一応クラスを見て周るか。
刹那、水希の肩に誰かが手を乗せてきた。
「水希さんですよね」
その声は聞き覚えのある声で、私は少し安心した。
「どうもです。生徒会長」
私は振り返り、元異世界魔法高校の生徒会長すみれさんと出会った。
「どうにか君も戻れたようでよかった」
すみれさんがニコッと笑う。
「私もです。他の人たちは見つかりました?」
私がそう聞くと、
「人は見つかったけど、中身がまだ私と君しか戻ってきていない」
つまり、
「異世界の記憶を持った中身が戻ってきていないと」
私たち異世界から出たものは転生するのではなく、前の体に戻されるようになっている。
その戻ってくる時間帯はランダムだ。
「ふむ、君はもう色々とわかっている様だから説明しなくていい?」
生徒会長が顔を傾げた。
「はい、大丈夫です」
そして、生徒会長は雲ひとつ無い青い空を見た。
「みんなが戻ってきたら次は光悦君だね」
私はこの時、生徒会長に言い忘れていたことを思い出した。
「生徒会長」
「なんでしょうか?」
そして、
「実は明日、私ととむくんが射殺される日なんです」
明日はどうやって死を逃れるかよく考えた。
「それはまずいですね、明日のその日時までに光悦を探す必要がある。そして、君含めて二人の命を守る方法も考えないと」
生徒会長は人差し指をあごに当て、考えた。それに続き、私も考えた。
「対策が浮かんでこない、それにこのまま考えていたら遅刻してしまう。まずは学校に言って放課後ここで待ち合わせして考えましょう」
生徒会長が息継ぎもなしにそう言った。だから息切れしていたのだった。
「そうですね」
そして、二人は学校まで走って行った。
水希は授業中にも対策をずっと考えて、浮かんだ提案をノートに書き写していった。
絶対に助けたい、とむくんを救いたい。
それが、水希の頭をずっと駆け巡っていた。
そして水希は放課後に生徒会長との待ち合わせ場所に向かっていき、元生徒会長とであった。
「すみません。遅くなってしまって」
私はすみれさんに謝りながら近づいていった。
「いえ、私も今来たところですから。本当に・・・・・」
すみれさんは地面に置いていたバックを持った。
「すみません、少し委員会の事で色々と手間取っちゃって」
「だから大丈夫ですから、それに生徒会長じゃなくて、すみれで良いわ」
なぜか心を読まれた。
この時水希は呼び方を変えたいと思って言い出そうとしたが、すみれになぜかその用件を瞬で済まされた。
「わっ、わかりました」
元魔法高校生徒会長ことすみれは、少しニコッとしながら、
「話はどこかのカフェでしましょうか」
私から見るとすみれさんは何かを言いたそうにしているように見えた。
そして、二人は少しカントリー風な店に入った。そして、窓側の席に座り話を始めた。
「で、何か浮かびましたか?」
私は早々に話を始めた。
「いや、そのことはまったく」
「そ、そうですか」
私は何か良い対策が浮かんで言いたそうに見えていたが、それははずれだったみたいです。
「けど、とある人を見つけてここに呼んだわ。ちなみに異世界の記憶を持った人物よ」
そう言っている生徒会長の後ろに見覚えのある少女が立っていた。
「リリスちゃん?」
私がそうつぶやくと少女はこっちを向いて、
「水希さん?」
私は少し涙を零し少女に近づいていった。
「なんで泣いているのですか?こんなところで泣いていたらとむくんを助けられないですよ」
この時私はこの少女がリリスだと確信した。
リリスは暖かい笑顔で私の涙を拭いた。
「リリスちゃん、良かった。良かった戻ってきてくれて」
水希はリリスの手を両手でやさしくつかみ、ほほに擦り付けた。
「私とどっちが甘えんぼさんなのか」
リリスはニコッと笑い、そうつぶやく。
「ほら、泣いている暇などありませんよ。明日に備えるのではありませんか?」
水希は涙を拭き、席に座った。そして、リリスは水希の席の横に座った。
「感動の再会になって良かった。それじゃあ明日まで水希さんは私の家に泊まってもらいます」
唐突だった。私はすみれさんが考えていることがわからなかった。
「つまりですね、水希さんは明日殺されるのですよね?」
リリスがそう水希に聴いた。
「えぇ、明日路地裏で射殺される予定だと思う」
水希がそう言ったとたん、
「死ぬ場所がわかっていても、連れ去られる場所はわからないのじゃない?」
生徒会長がそう二人に言う。
連れ去られる。それは私も考えていなかったな。前死んだ時は出かけていたら急に銃を向けられて路地裏まで逃げたのだけど追いつかれてしまって撃たれてしまったのよね。けど、未来を変えるということは私が殺害される方法も変わるということか。
「水希さんがすみれさんの家でかくまってもらって命を守ってもらう、そして明日にはとむくんが記憶を無くした状態になる。それを私が探し出してすみれさんのところに連れて行く」
リリスが全て説明してくれた。
「そこまで話が進んでいたのね」
私なんか置いていかれてない?
そして、その頃とむは・・・・。
「あれ、ここはどこだ?」
夕方の帰り道、僕は急に記憶を失った。
「僕は今何していたんだ」
とむは頭を抱え、しゃがんだ。
「一体どうなっているんだ?」
記憶を失い、帰り道すら忘れてしまった僕はこれからどうすればいいのかがわからなくなり・・・・・。
「あの・・・大丈夫ですか?」
僕の後ろから誰かが声をかけてきた。
そして、僕は振り向き、
「顔色悪いですよ、良かったら家に来てください」
僕が出会ったのは一人の女性だった。
「あぁ、大丈夫です。すみません」
とむは頭の後ろをかきながら立ち上がった。
「いや、そんな顔の人ほっておけません」
その女性の服を見ると、同じ中学校だった。
「いや、本当に大丈夫だから。ありがとうございます」
僕はその場から離れようとした刹那、
「危ないっ!」
その場には鉄の音が響き渡った。そして、とむは足元を見ると。
「ナイフ!?」
僕の足ぎりぎりのところにナイフが刺さっていた。
「ここコンクリートだぞ!」
とむはこの時思った。
『完全には記憶を失っていないようだ』
そして、僕は安心した。瞬間、
「逃げますよ!」
僕の後ろに居た女性は僕の手をつかみ走り出した。
「って、どこに逃げるんですか!?」
「一つだけ逃げ込める家があるの、そこに逃げます。後、私の名前は香奈です。よろしく」
急に名前を言ってきた彼女に僕は、
「僕の名前は―」
「光悦叶夢でしょ?」
この人なんで僕の名前を知ってんだ?
「なぜ名前を知っているかはまた今度聞くことにして、このままでは追いつかれてしまいます」
僕にナイフを投げた襲撃者はだんだんと近づいてきていた。
「このままではまずいですね、なら!」
香奈さんは急に立ち止まって何かを投げた。
瞬間に!
大きい爆発音が鳴った。しかも住宅街で!
「それはまずいんじゃないですか?」
僕は香奈さんにそう言う。
「大丈夫、どうせここにはずっといることはないし」
刹那、
「ぐっ!」
とむは急に腹のところに激痛が走った。
「もう出てき始めたのね、急ぐよ!」
香奈さんは僕の手を強く握り、思いっきり走り出した。
そして、
「ここにみんな居るわ」
僕が連れてこられたのは、でっかい豪邸だった。
それにみんなってなんだろうか、僕は考えた。けど、記憶のほとんどを失っているから考えてrも一つの考えも出てこなかった。
「訳が分かんないと思うけど、とりあえず入って」
香奈さんは手招きをした。
とむは家の場所すら忘れているから今はここで少し世話になるしかないと思った。
「すみません、少しだけお邪魔します」
僕は頭を下げてでっかい門をくぐり、家にお邪魔した。
とむはバックからノートを出し、こう書いた。
[日記、僕は記憶を失い襲われた。襲撃者は黒ずくめで腰に何本かのナイフを持っていた。後銃らしきものも。そして、今は出会ったばっかりの人の家にお邪魔している]
僕は殺し屋にでも狙われているのかな?
そして、香奈さんは家のドアを開けた。
「ただいま~」
香奈さんは静かな家の玄関でそう言う。そして少しの間があって、
「あぁ、帰ってきた」
目の前にある階段から髪に鈴をつけた少女が降りてきた。
「見つけてきたよとむくん、本当にあの場所で記憶を失うとは。未来予知が出来る鈴ちゃんにはかなわないな~」
香奈さんは僕に寄って肩に手を乗せて言った。
「まぁ、この世界でも私はいろんなことしているから」
僕は少女と目が合った。そして頭を下げて、
「こんにちは」
とむがそう言うと少女は一回ため息をした。
「はぁ~、本当に忘れられると少しショックだな~。こんにちは光悦叶夢くん」
この時彼女がなぜ僕の名前をしっているかはわからなかった。
「私の名前は高梨鈴、そして君の横にいるのが加藤香奈。君の味方だよ」
僕の味方?
「君も僕の名前を知っているんだ。一つ質問良いですか?」
鈴さんは顔を傾げた。
「何?」
そして、僕はこう言った。
「光悦叶夢って、僕の名前ですか?」
刹那、玄関が瞬で静まった。
「そこまでひどくなっているなんて」
鈴さんがそう小さくつぶやいた。
「とりあえず入って」
香奈さんが震えた声でそう言い、僕の肩に手を置きながらリビングまで連れて行ってもらった。
僕はソファに座り、周りを見わたした。この家のリビングはとても広く綺麗だった。
その時、香奈は自分の部屋で泣いていた。
「しょうがないことなのに、なんで・・・・なんで・・・・」
この日は香奈は部屋にこもった。
「すみません、待たせちゃって」
鈴さんがリビングのドアを開けて、入ってきた。
「いえ、大丈夫です」
そして、鈴さんが僕の前に座った。
「少し大事な話があります。よく聞いてください、それに質問はなしです」
僕は息を呑んだ。
「実はあなたは明日射殺されます」
唐突だなぁ。
「射殺される?」
とむは首を傾げて鈴さんの話を聞いた。
「えぇ、まだ場所と時間は判明していないのですが明日は家にこもっていてください」
鈴さん真剣な顔で言った。
「で、その未来変えて他の人が犠牲になるって事は無いのですか?」
僕の脳裏にはそのことだけが過った。
『疑問だ。なぜこの事だけが僕の頭に浮かんだんだ?』
「わかりません」
わからないのはしょうがないけど、
「わからないなら、僕はここにこもっていられません」
なんだろうか、この気持ちは・・・・・・。
「けど、あなたの命が―」
「それで他の人の命がなくなるのは僕は嫌です。まったくの無関係の人が死んでそれのおかげで僕が死ななくてその生き残った命で生きるのも嫌です」
とむは少しあたたかい声でほんのりと笑った。
「そう、じゃあどうする?」
鈴が首を傾げて言う。
「とりあえず、僕は殺害現場に行きますのでその周りで見張っていてください」
「わかった」
一方、水希の方は・・・・・。
「明日私は殺害された場所に行ってみて、様子を伺うわ」
とむと同じ事を考えていた。
「なにとぞ危険だろうから、仲間を何人か連れて行くよ」
すみれさんは携帯で何かを書きながらそう言い携帯を閉じ、
「それじゃあ、今日は私の家に来てください」
唐突だった。
「えっ!?すみれの家にですか?」
「それ以外にありますか?私の家に来ていただけたら身の安全も保障は出来ますし家には香奈もいますから」
香奈さんはもうすみれさんと合流していたんだ。
「つい二日ほど前に学校の屋上で香奈と会ったんだ。その時ちょうど香奈の記憶が戻ったときだった。本当に良かったでしたよ」
そして、水希は温かい笑顔で、
「そうですか、今日はお世話になります」
それから二人はすみれの家に向かった。その家にはとむと鈴もいるのだが、
「あれ、誰もいない」
香奈が二回の部屋から出てきたら誰もいなく、全部の部屋を見て周った。
「なんで、二人ともいないの!?鈴ちゃーん!とむくーん!」
呼んでも返事が来ない、なら外かな?
そして、香奈は玄関に向かって靴を見た。
「無い、二人の靴が無い」
とむと鈴は外出していた。この時香奈は二人が心配でしょうがなかった。
刹那、誰かが家のドアを開けた。
「ただいまー」
開けて入ってきたのははすみれさんと
「失礼します」
「おじゃまします」
水希さんとリリスさんだった。
「すみれさん!水希さんにリリスさん無事でしたか!」
私はそう三人人に言う。
「どうしたんですか?そんなに慌てて」
水希さんが心配そうな顔でこっちを見てきた。
「実は光悦君と鈴ちゃんを保護していたのですが、いつの間にか家から出て行ってしまっていて」
そして、三人は驚く。
「えっ!光悦君を保護した!?」
すみれは体を香奈に近づけて言った。
「保護した場所はどこか覚えている?」
水希は少し驚いた後、素に戻り探しに出かける用意をして香奈に聞いた。
「確か、ここの前にある道の少し先にとむくんが居たわ」
慌てた様子を無くすことなく香奈さんは言う。
「わかった。すみれさんはそこの道の周りを頼みます。私と香奈さんとリリスちゃんは私についてきてください」
「「「はいっ!」」」
私はそう三人に伝え、香奈さんとリリスを連れてあの裏路地に向かった。
走っている時、ずっと心の中で願っていた。殺害される時間が早まらないでほしいと。
その頃、とむと鈴はあの裏路地に居た。
「鈴、僕が死ぬと予想されている場所はここだね」
僕は鈴にその裏路地まで案内してもらった。
「はい、ここだと思いま―」
「こっち!」
とむは鈴の手を引っ張り、隠れた。
「どうしたのですか?」
鈴が小声で言った。
「人の気配がした」
そして、静かにして隠れていると。
「誰だ!」
誰かがそう叫び、いろんなところを探った。それだけなら良いのだが・・・・。
「手に拳銃って、どこから入手したのcでしょうか?」
「わからない、けどこのままでは確実に危ない」
どうする?このままでは確実に見つかって撃たれるかもしれない。
そして、僕の脳裏に一つの案が浮かんだ。
「鈴ちょっと」
僕は鈴の顔を近づけて耳元で僕の提案を言った。
「どうしたの、そんなに顔を赤くして?」
鈴は顔を背けて、
「いや、なんでもないです。けど、その作戦は本当にやるのですか?」
僕はこの時死ぬ覚悟をした。
「あぁ、だから僕が飛び出した瞬間に君は逃げろ」
僕は彼女を守ってやれる保証は無い、なら彼女だけでも生きて・・・。
「だめです、私はあなたを守るために付いてきたのですからあなたを見殺しになんて出来ません」
もう僕死ぬ判定なんだ。
「けど、ここで二人とも同時にやられたら誰も助けを呼ばれることが・・・・・」
刹那、僕たちが隠れていた場所に銃を持った男が来た。
「おまえらここでなにぐへぇ!」
僕は拳銃を向けられた瞬間に立ち上がりタックルし、
「鈴逃げろ!」
とむはそう叫んだ後、男から銃を奪った。そのときだった。
あいつもう一つ拳銃を持っている!
それが僕の脳裏に過ぎった。
「もう一つの銃を捨てて手を上げろ!」
僕は銃の標準を男に向け、睨んだ。
そして、鈴の後ろからも何かの気配がした。人数は三人ぐらいかな?
「鈴、今すぐ逃げろ!誰かが近寄ってくる!」
「なら私も抵抗します」
そう言って、鈴は警棒を持った。
「さぁ、いつでもかかって来い!」
鈴は警棒を裏路地の出口に向けながら言う。
「さぁ、その落とした銃をこっちに蹴れ!」
男は銃を僕の方に蹴った。そして・・・。
「香奈さんに水希さんにリリスさんっ!」
僕がそっちの方を見た刹那、
「隙あり!」
男が僕の足元に会った拳銃を取り、こっちに銃口を向けてきた。そして、僕も男に銃口向けた。
「どうする?このまま相撃ちで死ぬか、ここで諦めるか?」
とむは強い目力で男を睨んだ。
「それはこっちの台詞だぜ」
僕はずっと引き金から指を離さなかった。そして男は引き金を半分まで引いて、
「さぁ、どうする?」
男が少し笑いながら言う。だけど僕はずっと体を動かさなかった。動かしたら後ろの四人がやられてしまうかもしれないから。
「どうやら諦めが悪いようだな!」
男は引き金をゆっくりと引いたが、僕は思いっきり引き金を引いた。そして、
バッンバッン!
二回銃声が響いた。そして、銃を向け合っていた二人はその場で倒れた。
「とむくんっ!」
水希が走ってとむの方に走った。
「香奈さん救急車と警察を!」
リリスが香奈さんにそう言った。
「私はあの男の銃を取ってくるね」
そう言って鈴は男の方に走った。そして、二人が持っていた銃を取って事件現場から少し離れたところにおいてとむのところに向かった。
「水希さん離れて!」
リリスがとむの胸のところに耳を当てて心臓の音を聞いた。
「まだ大丈夫だから落ち着いて手当てしましょう」
そしてその頃鈴はずっと突っ立っていた。
『とむくんが、とむくんが撃たれたのに・・・・私は・・・・・・』
鈴は何も出来なかった自分を心の中で責めていた。そして、鈴の目から大粒の涙がこぼれた。
その後、救急車と警察が来てとむくんは近くの病院で入院することになった。
入院して三日後、僕は目を覚ました。
「うっ、ここは」
僕が目を開けると知らない天井が目に入った。そして、僕は起き上がり周りを見わたし、
「病院です。どうですか調子の方は?」
とむの横にはリリスが居た。
「大丈夫です。ありがとうございます」
僕はそして首を傾げた。
「あなたはどなたでしょうか?」
リリスは目をつぶって、笑顔になった。
「私はリリス、零野リリスと申します。私はハーフという種類らしいです」
種類って、僕はそう思った。
そしてリリスはニコッと笑い、
「これからもよろしくお願いします!」
頭を下げた。だが、その頭は下がったままだった。
「どうしたの?」
「いいえ、何でもありません」
彼女は声を震わせながら言う。
「本当に忘れてしまっているのですね、なんでしょうかこの気持ち。わかっているのにしょうがないのに、私は本当にわがままですね」
僕はしっかりとは理解できなかったのだが、僕がしらないことは彼女は知っていると思った。
「ねぇ、リリスさん」
そしてリリスは顔を上げた。その顔は頬を赤くなっていて、目の周りが涙で輝いて見えた。
「なんでしょうか?」
そして、僕は彼女にこう伝えた。
「僕の今まで会ったことを話してくれないかな?」
「えぇ?」
「僕は急に記憶を失った。だから昔何をしていたかを知りたい、たとえその過去が最悪だったとしてもこれからがある。これから最高の日々をすごしていけば良い」
リリスは涙を拭い、
「わかりました。これから話すことは本当にあった出来事です」
その後、僕とリリスさんが出会った時からの僕の物語を語ってくれた。その物語はまるで僕とは思えないような僕だった。最初はどこかのアニメやラノベの主人公かよと思った。けど、そんな思いは薄れていった。記憶を失って出会っていた人たちはみんな僕を助けてくれていた。
こんなの主人公じゃない、僕はただ人に助けられている人間だった。自分勝手で人の気持ちを考えたりしないただの役立たずだった。
「けど、これから取り返せば良いです」
僕がそう考えていたところにリリスさんが者凄い温かい笑顔でそう言った。
少し見とれた。
「そうか、ありがとう。少しはすっきりしました。本当にありがとうございました」
そして、窓の外は夕日で空がオレンジ色に染まっていた。
「これから、なんだよな」
僕はそうつぶやいた。
「そうですこれからです。これから作っていきましょう。あなたの物語を」
リリスさんはそう言って、立ち上がって部屋を出た。僕はベットの上でずっと空を見ていた。
「記憶を失った僕に残るものはなんだったんだろう」
僕はそうつぶやき、少し笑った。一滴一滴と落ちてくる涙を拭きながら。
そして、僕は退院した。
病院を出るといろんな人が僕を待っていてくれた。
その人たちはリリスが話した異世界で出会った人たちだった。そして、僕は車に乗せられ夕日が綺麗に見える場所に連れてこられた。
「綺麗だねとむくん♪」
水希さんが僕の横に来てそう言った。そして、
「これからが楽しみです」
リリスさんがそう言った。それからは僕は頷いた。
そして僕の目には一人ぽつんと座っている鈴さんが目に入り鈴さんの近くまで行き、
「どうしたのですか?」
僕がそう言って近づき鈴さんの横に座った。
「いいえ、何でもないよ」
鈴さんはばれないように作り笑いをしたがそんなの僕はわかっていた。
「鈴さん少しだけ耳を貸してください」
そして、僕は鈴さんの耳元で一言だけ言った。
「ありがとう、僕を助けようとしてくれて。それからあの世界でも」
僕は薄っすらだけど異世界のことを思い出していた。
「うぅ・・・・ぐすん」
鈴さんは必死に涙を止めようと何度も何度も涙を拭った。僕は鈴さんの頭をなで、
「本当にありがとね」
とむはこの時最大の笑顔をした。
「本当に凄い方ですね」
私は何もしていないのにあの時助けられなかったのにと思っていtけどこのありがとうという言葉が心の奥底に響いた。ただのお礼だけなのに、意味が分からない。けど、なんか凄く気が楽になった。
そして、鈴も思いっきり笑顔を作った。これは作りでも何でもない笑顔だった。
「ちょっとそこの二人!いちゃいちゃしない!」
水希が割り込むようにそう言ってきた。
「いや、いちゃいちゃなんてしていませんよ」
鈴さんが少し笑いながらそう言い、立った。
「綺麗ですね」
鈴が水希にそう言う。
「なんか話をそらされたような・・・」
そして僕が立ちあがろうとすると、
「どうぞ」
リリスさんが僕に手を差し伸べ、
「ありがとうございます」
僕はその手を取り、立ち上がった。
「夕日、綺麗ですね」
リリスが僕の手をつかんだままそう言う。
「そうですね」
とむはこの時眩しい夕日を見ながらずっと考えていた。
これから作っていく新しい記憶と思い出のことや仲間のことなど色々なことを考えていた
のだ。
僕は今以上に成長する。けど成長するにはいろんな経験が必要だ。だから僕には友達や仲間が必要、一緒に成長してくれるあすなろたちが必要だ。
これから、僕たちはまっすぐに成長していくであろう。
そして、とむは夕日の方に手のひらを向け握った。そしてこう思った。
僕たちは成長する、あのあすなろの木のようにまっすぐと。
そして、とむの冒険は新しくスタートをした。
完
はい、今回で最終章を迎えました。
僕の転生先は異世界だった。の最終章はヒロインパズルの後かと思いましたが、こっちの方が早かった。
ですが、ヒロインパズルももうすぐ最終章を投稿予定です。そして、最終章を迎えると同時に新作発表!
今回の新作はまた、異世界ものです。ヒロインパズルが終り次第、またラブコメの新作を発表したいと思います。それから、僕の転生先は異世界だった。を読んでいただき、ありがとうございました。
短い物語でしたが、のちカクヨムでの物語の長くしたのを出すかもしれません。そのときはまたお願いします。それでは、今までこの作品【僕の転生先は異世界だった。】をありがとうございました。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。それでは、次は新作でお会いしましょう。本当にありがとうございました! 和泉しんご 僕の転生先は異世界だった。最終章 完




