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第九百五話

「で、秀星。そちらの主張だが、どのようになっている?」


 世間話に花を咲かせていた秀星とアルエスト。

 電子技術で文化というものを追求した一つの形である『ビデオゲーム』を話題にして技術というものを語り合っていたが、アルエストは『そろそろ』と感じたようだ。


「そうだなぁ……まあ、多分そっちとは意見が合わないと思うぞ」

「なるほど。あまり迷った様子もなくそういうか。やはりリスク管理の面で違うのかな?」

「ああ。そっちが『対処主義』なら、俺たちは『予防主義』だ。まあ、どのくらい徹底しているのかということに関してはそっちの方が上だろうけどな」

「話しただけでそれは分かっているさ」

「あ。そこは分かってるのか。ただ、物事の解決を図るときに理性的な話はするが、基本的には戦うことになるんじゃね?」

「世界征服を掲げているのに、戦わないということはないさ」

「世界征服ねぇ……」


 ぶっちゃけ秀星に興味はない。


「秀星は世界征服に興味はないのかい?」

「勝てると分かってる相手を順番に倒していく作業ゲーの何が楽しいんだ?」

「ハッハッハ!なるほど、それは面白い意見だね」

「別に世界征服に限らないが、ゲームではテーマの中で面白くない要素が完全に排除されて、単純で面白い部分だけを製品に組み込んでるから面白いのであって、現実でやってみてもストレスしかたまらないテーマって結構あるぞ」

「なるほど、その『現実でやってみるとなると全く面白くない』のが世界征服というわけだ」

「ああ。だから俺は、世界征服は興味がないんだよ。だって、絶対に面倒なことになるじゃん」

「ふむふむ……」


 アルエストは電話の向こうでうなずいている。

 これで、アルエストたちが割に合わないと考えを変えるとは思っていない。

 まだ秀星にとってもアルエストにとっても、世間話の範疇だ。


「で、古代貴族は基本的に、どのような方法で『支配した』と認識するんだ?アルエストの様子を見てたら思うけど、別に軍艦を並べて突撃ってわけじゃないんだろ?」

「基本的には代表戦のようなものを執り行うよ。もちろん。こちらが負けた場合に支払うものはとにかく莫大な利権につながるものになるよう設定している」

「……代表戦か」

「もちろん、必要に応じてそのような船を用いて攻める場合もある。ただ、無駄なコストを掛けたくないというのが本音でね」

「まあ、『戦争』って呼ばれるものをやりすぎると、資源だけが消えていくからな」

「そういうことだ」


 世間話のようなノリで『支配』について語る二人。


 確かに、いろいろやり方はあるのだろう。

 ただ、何かが何かを支配しようとする場合、そこにはやはり大きなものは必ず付きまとう。


 その大きなものが自らの許容範囲に収まるものなのかどうか。

 戦争などというものはやる時点でどちらも悪なのだから、結局はその差しかないのである。

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