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第七十九話

 イリーガル・ドラゴンとの合同訓練。

 どんなことをするのかがまだよくわかっていない。

 ただし、何日か滞在する予定なのだそうだ。

 土日を使って行われるのだが、平日も放課後は少し使うらしい。


 ちなみに、沖野宮高校にももちろん部活動は存在する。

 成果はそこまで良いというものでもないのだが、それでも頑張っている者は何人かいる。

 ここ数日はイリーガル・ドラゴンのために場所を開けることになっているので、こちらが金を出して別の練習場所に行ってもらったりすることになった。


 学校の校舎からは、秀星を含む剣の精鋭と言うものを見ようとして、または、アメリカのマスターランクチームであるイリーガル・ドラゴンを見ようとして、多くの生徒が窓から顔を出している。


「来たみたいだぜ」


 来夏がそう言うのに合わせて、秀星も振り向く。

 事前の情報収集も含めて秀星が思ったのは『赤』だった。

 いや、赤と言うよりは若干、紅と言うべきなのかもしれないが、まあそのあたりの詳しい判別はいいだろう。

 そう言う雰囲気を持って、イリーガル・ドラゴンは沖野宮高校に来た。


「なんか、すごく雰囲気を持っているチームだね」

「マスターランクだからな。普通とは別と言われて当然の領域のチームだ」


 当然といえば当然なのか、風香と羽計はその雰囲気に呑まれている様子はない。


「むむむ……可愛い子もたくさんいるよ!」

「シズクサン?ナニヲイッテイルノデスカ?」

「アレシア。目だけ笑ってないわよ」

「雫さんも相変わらずです……」

「ふにゃあ~」


 勧誘がよかったからなのか、そういう見た目重視なメンバーもそれなりに抱えているイリーガル・ドラゴン。

 雫としては『うっへっへ。かわいい子だなぁ』と言った感じで何ともおっさんクサい感じになっているものの、その暴走を止めるのはアレシアの役目だ。こればかりは雫の方が治らないので仕方がない。

 優奈が呆れて、美咲もすこし白けた目を向ける。


「でも、持っている装備もかなり高性能よ」

「幹部クラス以上になると、あれ一つで家が一軒建つレベルですね」


 千春がイリーガル・ドラゴンの装備を見ながらつぶやいて、エイミーがその価値を補足する。

 その家一軒と言うのが日本での金額なのかアメリカでの金額なのかよくわからんが、それはそれとしても高額なのは間違いないだろう。

 無論、幹部クラスと言うことで装飾に時間を使っている。

 そのためかなりキラキラしている。

 まあ最も、こちらのリーダーである来夏が武骨な大剣を構えているのでなんとも物々しい感じになっており、本人の雰囲気があっても華やかさがないのだが。


 いろいろ考えていると、イリーガル・ドラゴンが学校の敷地内に入って、秀星たちのところまで来た。

 三十人程度だ。

 一人がこちらに来る。

 茶髪を若干ふわふわするようにワックスで整えたような髪型だ。

 年齢は来夏より少し上と言った程度。

 金属鎧ではなく、紅のコートを身にまとっており、背に吊った片手剣もかなりの業物だ。

 強者としてのオーラも十分。


「初めまして。僕はローガン・ハワード。イリーガル・ドラゴンのマスターだ。剣の精鋭との合同訓練。楽しみにしていたよ」


 そういってさわやかな笑みを浮かべるローガン。

 だが、秀星を見て、その表情を変えた。


「それと……僕は君のようなハーレムのクズ野郎と訓練するつもりはない。そうそうに立ち去ってもらいたい。これは命令だ。聞かなければどうなるかわかるよね?」


 性格に問題があるようだ。ていうか叩き潰してもいいのか?

 チラッと来夏を見る。

 来夏は頷いた。

 よし、ボッコボコにしよう。


 とはいえ、何をしようか若干迷う秀星だった。

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