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第七百三十話

「ねえ秀星君」

「どうした?」


 宗一郎はやることがなくなって寝始めたので、秀星と風香の二人でボス部屋で話している。


「国枝君と千秋先輩の戦いになるって感じなのかな」

「みたいだな」


 ボス部屋にいる生徒も、一応モニターで状況を確認できるのだ。

 基本暇なのでその程度の特権は与えられている。


 そこでは、改装されたbarで高志と椿が飲み物を注文してワイワイやっている。

 二人の中では、もうバトルロイヤルでやることはほぼ終わったようなものなのだろう。

 二人の傍で、国枝は少し緊張した様子で、集中力を高めているようだ。


「ポイントチケット、あのスケルトンを倒して手に入れたものは国枝君の物になってるね」

「みたいだな。というか、そもそもポイントチケットはセフィコットシステムを利用するためのものだし、そしてこのシステムは生徒しか使えないから、そもそも父さんが持っていても意味はない。椿もあまり執着するような感じではないみたいだな」


 未来でセフィコットシステムがどうなっているのかはわからないが、椿は自分で稼げるので執着はしないだろう。

 集団というものを維持するためには資金が必要になることも十分わかっているし、椿はその気になれば自分で稼ぐことができる。

 セフィコットシステムそのものはとても便利なものなので、椿としても無視はできないだろうが、最優先とするほどのものではないはずだ。


 その結果として、椿はスケルトンから手に入れたチケットは国枝の物としている。


「千秋先輩は、パスコードを手に入れて、自販機を見てから目の色が変わったね」

「パスコードを使って手に入るアイテムの中には、通常、セフィコットに頼んだらとんでもない金額を要求されるようなものでも、一部、格安で買えるパターンが多いからな。何かあったんだろう。獲得量十倍の腕輪をつけたうえで、途中のモンスターはすべて倒してるし、一体どんなアイテムに興味を持ったのやら」

「私にもわからないけど、羽計ちゃんが待機になってるし、多分ヤバい戦闘になるんじゃないかな」

「羽計も、千秋先輩と国枝のレベルを考えるとちょっと置いてけぼりになるからな。狙われてもあれだし、それなら自由行動してもらう方がいいと考えたんだろう。別に不思議なことは何もないさ」


 着々と舞台は整いつつある。

 千秋と国枝。

 別に、因縁も何もない対決だ。

 ただ、ポイントチケットという明確な金を手に入れ、あるいは守るために戦っているだけである。


 損切りも何もあったものではない。


 まあ最も、だからといって秀星がそれを反対することはない。

 何か行動するとき、その理由は簡単な方が、『人間らしい』といえる。

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