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第六百五十三話

 バトルロイヤルを何度もやっている。

 そして何度も同じようなことになっている。


 これではやる方も見る方も楽しくないだろう。


 ではどうすればいいのか。

 そこで考案されたのが、『ダンジョンに宝箱などを置いておく』ことだ。

 ランダム性の高い『チートアイテムの導入』により、本来の格下や格上などの上下関係をぶっ壊そう。ということになったのだ。


 ……それを使えばボスキャラに勝てるというわけではないが。


「うーん。すさまじいですね」


 エイミーは宝箱の中から銃を手に取った。

 宝箱の中は綿が敷き詰められており、銃以外のスペースがないのだが、逆に『銃しかないんだな』という印象をとても強く与える。

 そしてエイミーが手にした銃は、ライフルのような形をしたもの。

 エイミー自身も銃を使う身だが、このライフルはその性能がかなり高い。


「……企業のロゴが入っているような……あ、これ、私をスカウトしていた会社ですね。しかもこれ。最新モデルです」


 このバトルロイヤルにはスポンサーがついているのだろうか。

 とはいえ、エイミーにはこれが『チートアイテム』という名目で入っているのかが不明である。

 まだ他の宝箱を開けていないので、この銃のレベルがわからないのだ。

 とはいえ、圧倒的な威力があるチートアイテムが入っていても、それを使いこなせるとは思えないが。


「とりあえず、これを使ってみましょうか」


 エイミーはそのライフルを使うことにした。


 そもそも、エイミーは自前で高性能の銃を使うが、戦闘スキルの方を鍛えている部分が大きい。

 千春は研究の方を優先していると思われるが、エイミーはそうではなく、剣の精鋭としての稼ぎでいいものを手に入れている身である。

 そのため、『自分に合った銃の研究』はかなり我流だ。

 会社が作っている最新モデルを使えるとなれば、それは良い判断材料になる。


「……む、アレシアさん」


 遠くの方で、レイピアを構えるアレシアを発見した、


(……まだ私に気がついていないようですね。加えて、このダンジョンで何かを発見した様子もない)


 エイミーはライフルを構える。

 そして、狙いをつけて発砲。


(通常なら狙えない距離ですが、このライフルなら十分射程範囲。しかも音もあまり出ませんね)


 試射を兼ねているような言い方だが、もともと試そうと考えていた時にアレシアがやってきたので仕方がない。

 もちろん消音機をつけていることは分かっているが、どの程度効果があるのかはいまいち不明だ。


「……!」


 弾丸というよりは、エイミーの闘志に反応したといえるだろう。

 アレシアはレイピアを振るうと、弾丸を一刀両断した。

 そして、即座に弾が飛んできた方向を割り出すと、レイピアで突きを放つ。


 即座にアレシアの超能力により射程が拡張され、エイミーに迫った。

 もちろん、エイミーもアレシアの超能力と反射神経のことは知っているのでこれを回避。


(私がライフルで狙った距離を超能力だけで間合いを詰めてきますか。さすがですね)


 ただ、エイミーがスコープを覗いて確認してみたところ、アレシアの方が震えている。

 そこそこ無茶をしたようだ。


(連発はできないようですね。さて、お互いに。この戦いで測りましょう)


 エイミーはそう決めて、次弾を装填して発砲した。

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