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第五百二十七話

 いろいろと驚愕することが発生……いや、主に高志関連ばかりなので『いろいろ』というと少々違うかもしれないが、高志が流星になったことは事実である。

 その原因は、貧乳のコンプレックスを真正面から攻撃したということだ。未来でだが。


 未来での行いに過去の人間に罪があるのか。

 おそらくそのようなことはないのだが、高志の場合はもう無視していい。

 というか、秀星のような神器持ちではなく、基樹のように圧倒的な出力が出るわけでもなく、来夏や高志のようなギャグ補正もないのに人が流星になるというのはどういうことなのかという疑問が剣の精鋭とユニハーズでは発生していた。


 まあ要するに高志の安否に関しては誰も心配していないわけだが。いつも通りなのでおいておこう。


 ちなみに、この流星になった後でも、しっかり高志は自分のチームのところに戻っていった。

 よく帰れたものだ。物理的にも精神的にも。

 その際に千春からの視線はいたいものがあったが、一度流星にしたので一応流しておくことにしたようだ。


 一応バトルロイヤルのルールでは、『リーダーを倒されたチームは一位になれない』というものがある。

 要するに、高志や来夏が退場した場合、ほかのメンバーは自由に動けるが、一位のチームとしてはカウントされない。ということだ。

 ちなみに残ったメンバーで秀星を倒した場合は例外である。

 特別扱いというか、『絶対に勝てないラスボス』扱いになっているが、実際にそんな感じなので仕方がない。


「さてと、椿が来てからもう誰も来てないな。あとは父さんが流星になったところが見えたくらいか」

「後半部分の話題性が抜群なのになんだか薄く感じられるのは私の気のせいでしょうか」


 指定ポイントで待っている秀星とセフィア。

 基本的にすることがないので、することと言えばセフィアとの会話くらいである。


「ていうか、決闘障壁って使ってる本人の頑丈さがある程度反映されるようになってるけど、父さんって流星になっても退場しないんだな」

「頑丈過ぎますね」

「これからは父さんを武器代わりにして振り回してもよさそうだな……あ、アステルたちが全滅した」

「さすがにリーダーが流星になっても普通に帰ってきたら萎えますね」

「当然だな」


 チームアステルが全滅。

 言い換えれば、アステル、エイミー、オウガ、天理、千春の五人が負けたということだ。


「さすがに父さんたち相手だと分が悪かったか?」

「分が悪いどころではありませんよ」


 そもそも、アステルは『自分と同じ次元で戦ってくれる相手』としてチーム基樹を探していたくらいだ。

 常識が通用しない相手はお断りである。


「あとは、来夏と基樹のどっちが勝つかって話だが……」

「来夏様が勝ちそうですよね」

「基樹が来夏のギャグ補正を超えられるとは思えない……」


 悲しい現実だ。


「ただ、父さんや来夏が残ったら、俺が暇じゃなくなるだけか」

「挑んでくる、ということですか?」

「挑んでこないとは思えないんだよなぁ。まあいずれにせよ。ボスキャラとして頑張るけどな……なんか基樹達、すげえ萎えてないか?」


 遠くから感じられるチーム基樹のモチベーションの低下を感じた。


「『ギャグ補正があると流星になっても問題ない』ということがわかれば、一般人はいろいろあきらめると思いますが」

「元魔王が一般人って……」


 こりゃ何とも言えないレベルの話になってきた。


「まあでも、今のところそれくらいしか考えられないか」

「挑んできた方と戦うだけですからね」

「ああ。まあ、自分の娘もせっかく参加してるんだし、楽しくやれたらいいとは思ってるよ」

「椿様を逃がしたのはそれが理由ですか?」

「俺というボスには逃げるのコマンドが有効なのさ」

「何の面白みもないボスですね」

「ひどい……」


 さて、茶番は置いておこう。


「……馬鹿なことを言っている間に基樹たちが押されてね?」

「モチベーションが低くなったまま戦って勝てるような場所ではありませんからね」

「世知辛い……」


 まさかのギャグ補正を持っている二人が勝ちあがる結果になるとは。


「あー……基樹たちも完全に負けたな。あとは、来夏と父さんがぶつかって、どっちかが来るかっていう感じかな」

「だと思いますよ。あまりぶつかる機会がないのは事実です。これを機にはっきりさせようと判断するのは間違いありません」


 というわけで……。


「まだちょっと暇だな」

「ですね」


 秀星は背もたれに身を預けるのだった。

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