第四百四十四話
さて、一応シェルターはあるのだが、その中に入って行ったのは記者をはじめとする来客者のみであった。
全生徒が魔戦士となった沖野宮高校だが、外部からの襲撃時の対応マニュアルが更新されていなかったため、変なところから流用したような雑なマニュアルだった。
普段なら考えられないが、第一世代の魔戦士学校となるとすることがかなり多く、さらに言えば秀星がいるのでどうしても襲撃時の対応とかそう言った部分がおろそかになる。
ので、一般生徒がいない沖野宮高校では、生徒達は誰一人としてシェルターに入ることはなかった。
「さて、退場してしまったからな。このあたりでしっかり働いておかないと……」
槙野良樹はそうつぶやいた。
ジュピター・スクールの高等部二年で、魔法社会の名家である槙野家の長男である。
……そして、ジュピター・スクールにおいて、隕石の弾丸の豪雨で気絶して改心(多分)をした男でもある。
総合的に強い魔法を多くの属性で使用できる彼の退場原因は『基樹の誤爆』だったりするのだが、うじうじしていても仕方がないので、さっさと対応することにしたわけである。
「ミサイルまで撃ち込んできて、あのバリアで揺れが一つもないとなると……そこまで強い兵器とかは持ってなさそうだな」
良樹はとりあえずそう考えておくことにして、まちなかを歩いていく。
もちろん、襲撃者が何度も襲ってくるのだが、多種多様な魔法で撃墜させていく。
属性だけではなく、攻撃の状態も多種多様に変更可能な良樹の魔法。
基本が抑えられているので、他の人間よりも多種多様の範囲が広い。
「さてと……ん?」
基樹は遠くの方に二人組が見えた。
全身をフードで隠しており、仮面もつけているのでわからない。
そのうしろには、まだ『部隊』と言っていい人数と、現在想定されている威力を超える兵器がある。
「なんだアイツら。なんか慌ててるみたいだけど……」
仕方がないので、近くで気絶しているやつを叩き起こす。
「いでででで!何だ一体」
「おい、あれはなんだ?」
「あっ!?知らねえよあんなの!」
迷う素振りもなく言い切る男。
「そうか、情報提供ご苦労」
とりあえず首トンで気絶させる良樹。
哀れな襲撃者である。
「別働隊って雰囲気でもなさそうだし……ひょっとして、テロカブった?」
狙いはわからないが、狙えるものはいっぱいあるのが沖野宮高校だ。
「……襲撃の多い学校だなぁ。いや、特別ここのセキュリティが低いだけか」
良樹はそう納得することにして、近くにいる襲撃者たちを片付けに行くのだった。




