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第四百十三話

 信じたくないものを信じ続けないものはいる。

 人間の愚かな部分と言う者もいれば、人間に取って必要な部分と言える部分でもあるので否定はできないのでそれはいいとしよう。


 元から『悪としての美学』のないアウトローはいたるところに一定数存在する。

 そう言う人達はネットやニュースから情報収集をしないものだ。

 もちろん、アウトローが何を言ったとしても、その周りには必ず誰か情報を収集している人はいる。

 だが、そういったアウトロー集団のトップは大体そんなものはきにしない。


 要するに、これらの情報はガセだと考えるのだ。

 結果的に、これほど理不尽な存在がいるということを認識することなく、魔法を使ってバカなことをしているのである。


 とはいえ、このアウトローの存在を魔法社会が否定することはない。

 アウトローを『無法者』として、『自分の信条を最優先してそういう世界に飛び込む』人間であることを考えればなおさらだ。

 答えは単純で、現代の法律を考えれば魔戦士はアウトローである。誰にでもわかりやすい例を挙げるなら銃刀法違反を完全に無視しているのだ。確実にやばい。


 そのため、確かにバカなことをしているからと言って、それを全面的に否定すると、それが拡大して『魔法は悪い存在だ』という風潮になりかねない。

 銃をはじめとした科学が進みすぎて、いまいちパッとしない結果に終わるパターンが多いのが原因の一つでもある。

 ひどいところでは『魔法は単なる攻撃力を持った手品』と言う人もいるくらいだ。

 あながち間違っていないと秀星も思う。


 『魔法は社会不適合者のほうがよく使っている』という印象が多いのだ。

 ちょっと前に明美が生徒たちに向けて授業で言っていたが、魔法に限れば、能力向上で必要なのは『使用回数』であり、ぶっちゃけニートが有利なのである。

 教育機関でできるのは、その『効率を上げる』手段の知識と技術を習得することくらいであり、ぶっちゃけ『学校が言っていることなんて意味わかんない』と開き直って、何も考えずにただただ使いまくるのは悪くはない。

 それでトップクラスのチームに入ることができたものもいるのだから世の中わからない。『馬鹿をバカにできない』というか、『バカと天才は紙一重』とよく言ったものである。


 悪党として美学があるアウトローは大体問題ないのだ。広義の上では魔戦士がそうなのだから。

 だからこそ、ただ魔法を悪用しようというものを、旧世代は認めないのである。

 その中で一番運が悪いものが一体誰なのか。


 それはもちろん、秀星の認識範囲でバカなことをしてしまったもの達である。

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