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第三百四十五話

 資料が作られました。

 発表も実際にやったのだが、さすがに何かの会場を使ってやるとなれば、世界中からの来客があって制御不可能なので、ライブ発信でしゃべることになった。

 概ね秀星がしゃべったのは以下の通り。


 ①:当然、魔法社会という存在そのものが秘匿性の高いものなので、それ相応のセキュリティが用意された場所で店舗を作る。

 ②:店舗販売で即金取引が原則で、ネット販売や配達はせず、ローンは組まない。

 ③:流通数を整えるため、基本的に店舗で在庫がなくなればそこで終了。随時補充する。

 ④:一人に対する販売数には上限を設ける。

 ⑤:裏取引には応じない。

 ⑥:襲撃してきた場合はリストに乗せて、その人には販売しない。

 ⑦:みんなでたのしくおかいものしましょう。


 この七つだ。

 ごちゃごちゃと話したわけだが、基本的にはこの七つ。

 大量にあるわけだが、だからと言ってそれを大量に流してしまうとどうにもならないので、基本的には数に制限を設ける方針である。


 当然、このライブ配信の最後に秀星のメールアドレスもしっかり明言。

 そして当然のごとくメールが殺到。

 アトムとの違いは、そのすべてに対して即座に返信していることだ。定型文を張りつけている部分はもちろんあるが。


 そもそも、秀星が持つスマホはマシニクルと連結しているので実質神器に近い。

 神器にブーストされたものがすさまじくないわけがなく、秀星の脳と直接リンクして、そのメール内容を把握できる。

 アルテマセンスによって理不尽な速読が可能な秀星の脳は、メール程度なら無意識下でも即座に理解できる。もちろん長文だろうと問題はない。

 そして、スマホを見なくても、触らなくても、スマホを操作できるのだ。

 しかも脳とリンクしているので超高速である。


 そう言うこともあるが、そもそも来るメールの内容が『制限しているようで不公平だ』『世界樹がもたらすものだ。分け与えなければ不平等だろう!』みたいな、数を制限しているからもっと流せと言う意見と、『多額の寄付をするから優遇しろ』というものばかりである。

 まあ当然通りません。


 制限を設けるのは最高会議が決めたルールであり、秀星はそれに納得した。

 そして、それ以外の裏取引には応じないことをしっかり明言しているので、当然通す必要など皆無。


 『どうせ数を制限するのは日本の最高会議が決めたことだろう。それは裏取引ではないか!』

 と言う意見もあった。

 理にかなっていると秀星も思うが、根本が違う。


 秀星はそもそも、『ルールの範囲で取引を行い、そしてその取引を主催する者がルールに対して厳格である』ことは『システム上は平等』だと考えるが、『ルールを設けること』は『不平等』だと考えている。

 そもそも、ルールと言うのはそれに従うものがいる。

 そして、『従う』と言う単語を使える性質上、ルールと言う概念そのものに平等性はない。

 しかし、ルールがないと無法地帯になるのでルールを作るわけだ。


 もちろん、脅迫文もあった。

 襲撃だの人質だの、そう言ったことを遠まわしに言っているものもあったし、それをストレートに言って来るものもあった。

 それに対しての秀星の返答はこれである。


『いつでも遊びに来てください』

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