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第三百三十二話

 大人数で集まった時の剣の精鋭メンバーの就寝方法。

 その答えは『大部屋で雑魚寝』である。


 男性メンバーがいたとしてもそれに関係なく、全員が同じ部屋で寝るのだ。

 従魔がいた場合、部屋の中に連れ込めるのなら一緒に寝る。というのが来夏が作ったルールである。

 一緒の部屋で寝て大丈夫なのかとかいろいろ言いたいことがある人もいるかもしれないが、来夏はそのあたりの心配がないかどうかも『悪魔の瞳(ラプラス・アイズ)』で分かる。


 普段は大きめのベッドをみんなで寄せてくっつけて大きなベッドにする(平均して二個か三個は壊れるらしい)。

 しかし、このキャンピングカーはそのあたりの要望にもきっちり応える。

 キャンピングカーの地下に特別な空間を作ることが可能であり、そこにすごく広くてふっかふかのベッドを配置した部屋を作ることが出来る。


 掛布団に至っては、なんと天井から出現して落ちてくる。

 適当に呼べば落ちてくると言う設定だ。天井をジーっと見つめているだけでも落ちてきたりするのだがそれはいいとしよう。

 ベッドにしても枕にしても高級品である。


 ちなみに、柔らかい壁を自動生成する機能もあるので、寝ている人のそばで暴れても一応問題はない。

 ……だからといって限度を守らずに暴れているとアレシアから制裁されるわけだが。

 キャンピングカー君としてもちょっと怖いと思う制裁である。

 手刀を叩きこんだり、関節を捻ったり、アイアンクローで顔面がすごいことになったり。

 前二つはまだいいとしても、三つ目は完全に地上波は無理そうである。

 顔がすごいことになる。というと、自動生成される壁に変な突っ込み方をすると同じようなことになる。来夏は逆にそれで遊んでいたが。


 だがしかし、それだけ暴れたとしても、キャンピングカーの方には特に影響があるわけではない。

 そして、その状態であっても自動運転が可能だ。

 それなりの速度で緑の世界樹の方に向かっている。


 大部屋の中は何かと騒がしいが、頭は良くてもネジが数本外れているようなメンバーが多いので、まあ静かになるわけがない。

 しかも、女の話は長いというより、すぐに話題が変わるので(どこからその話題を引っ張りだしているのか秀星には全く分からないのだが)終わりようがないというのが正しい。


((……まあ、元気があるっていうのは悪いことじゃないか))


 基樹のように長い時間を過ごした者や、秀星のように根の部分が冷静すぎると、バカなことはできても考えつかないものだ。

 人間関係が悪くならないように人を集めることができる来夏だからこそ、こんなバカみたいなチームがある。

 剣の精鋭メンバーは基本的に、自分の意思はあるが、全面的にそれを押しだすような性格のものは少ない。

 雫のように性癖が全面的に出たりするものはいるのだが、だからと言ってチームまで組むかとなるとそれは別だ。

 来夏に誘われて、そうして集まって、出来上ったチームである。

 そんなチームで、夜になればこうしてバカ騒ぎするということは、決して悪いことではないのだろう。

 アレシアもそれをわかっているので、一定のラインを超えなければ手刀は飛んでこない。

 が、限度を超えると容赦はない。


 ……バカ騒ぎ筆頭が来夏だとすれば、それを制御しているのは他の誰でもなくアレシアである。

 分かっているのは、全員がそれをわかっていて、そしてそれを納得している。ことくらいだろう。


 問題が多そうな緑の世界樹まで、あと少し。

 騒がしい彼らを乗せて、キャンピングカー君は走る。

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