第千四百二話
このイベントに参加しているものは、いずれも超がつくほど上級に位置している。
……ちょっと椿が怪しいくらいか。
それゆえに、離れていたとしても、雰囲気だけで遠くに戦いの気配などを察知することはある程度できるのだ。
もちろん、その戦いの全てを理解できるわけではないし、なんなら結構ズレる。
とはいえ、秀星VSレルクスなどと言う、存在感の塊のような戦いが起こっている場合、まあ、どこにいたとしても感じ取れるというものだ。
もうすでに、それぞれの初期エリアが使えない時間になっており、特別エリアに全員が集まっている。
なんならその特別エリアもどんどん縮小されており、活動できる場所は狭くなっていく一方だ。
そういう条件で、彼らは、『異質さ』を感じている。
どちらも全く動かない。
だが、存在感だけはどんどん増していく。
探り合いだとか、そういうことをする過程で『視る』という行為になるのは分かるのだが、もうもはやそういうレベルではない。
ただ、やっていることは分からない。
誰も、秀星が握る剣が『全知の剣』であることを知らないし、それに対応するレルクスが『全能剣』を握っていることを知らない。
だが、二人の存在感だけはずっと大きくなっていく。
もうどちらも、強いとか弱いとか、そういう議論が必要ないくらい、『圧倒的』なのだ。
ラターグですらぐっすり寝ることができず、時々起きては寝るを繰り返している。
この世の行く末がすべて決まるかのような存在感を前にすれば、いずれそうなる。
一刀。
秀星とレルクスの格付けは、一刀で終わる。
二人以外の何物も、決着を変えることは不可能だ。




