表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

131/1408

第百三十一話

「何だあれ」


 秀星はビルの屋上から呟いた。

 犯罪組織『ニアー・バンクラプシィ』が戦車などを集めている。と言う情報は聞いた。

 だがしかし……。


「巨大ロボットだね。あれ」


 横にいるアトムが望遠鏡を覗きながらそう言った。

 十八メートルくらいの高さのロボットが町を破壊しているのだ。いつから世界はSFになったのだろうか。意味が分からん。


「かなり高性能だが……動きが少しカクカクしてるな」

「人間が持つ操縦能力ならそんなものだろう。人の形をしたロボットは調節部分が膨大だ。まだそこまで大きなことは……」

「バク転してるけど」

「思ったより高性能だね」


 アトムは一瞬で手のひらを返した。

 しかし、アトムの言いたいこともわかる。

 ロボットは全身白塗りで、シャープな印象。

 ビームソードのようなエネルギーを無駄に消費するものはつけておらず、魔法で強化したブレードか銃で暴れている。


「しかし、魔力の消費が抑えられているのか?目に見える電力消費がかなり膨大なんだが、あのシャープなロボットに、ロボットで十分に継戦力を維持できる蓄電池なんてあったかな。それとも、内部に魔力を使った発電機があるのか?」

「そこまでの案を一瞬で導き出せるのは君のいいところだけど、残念ながらそうではないようだ」

「え?」

「腰に長いコードがある。見てみるといい。電線から盗電しているよ」

「セコいっ!」


 電力を補うために電線を利用するとは……合理的だがものすごく腹立つな。


「なぁ、あれってコードきったら止まるのかな」

「いや、帰ることができる程度の予備電力は残しているだろう」


 次善策などなかった。


「ちょっと狙ってみるか」


 秀星はマシニクルを出して、スナイパーライフル用のセットを追加させる。

 そして発砲。

 一発でコードに命中。切断した。

 コードの数は十本。

 すべて切断していく。


「あ、帰っていったね」

「ほとんどの装置が電気制御だったのか?」

「電気制御にしたいというわけではなく、魔法側の技術が追いついていないだけだと私は思うのだが……」


 その可能性はあるな。

 製造難易度を考えると戦車のほうがいいのだ。

 人が無意識に行っている重心の調節。それらをすべて自動にするとなれば、その量は膨大である。内側にしても外側にしてもセンサーまみれになるだろう。

 魔法で全て解決するにはまだ技術力が足りない。

 魔法は便利だが、難関なのである。


「フッフッフ。なら俺達も、目には目を。ということでやってやろうじゃないか」

「いいね。私も賛成だ。竜一を呼んでおこう」


 することは決まった。

 あとは、悪乗りするだけである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ