表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 恵樟 仁
アンダールシアの危機
21/29

第二幕 5章 18話 いざ、女神のダンジョンへ

18話になります。


 日の光が届かない程の深い森の中、モンスターも出てくる中を私達は問題なく先へと進んでいく。

 日が傾き始め、夕方になる頃に再び開けた場所へと出る。



「これって……」



 私はその場所に辿り着くと、感嘆の声を漏らす。 

 先ほど湖があった場所もとても綺麗だった……だけどここはそれ以上に凄い……綺麗……というよりも神秘的という方がいいのだろうか。

 

 見たこともない純白の色をした花が咲き乱れ、光り輝いているのかと見間違うほどに輝く草花が咲き誇っていた……。


 空を見ると、ここに来るまではずっと日の光を遮っていた木々がこの場所だけすっぽりと無くなっている。

 これならば、空を飛んできてもすぐに分かったんじゃないだろうか?とクルードに聞いたのだが、クルードが言うには空からだとなぜかこの場所を見つけられないらしい。恐らく女神の力によりカモフラージュされているのだろうとクルードは言っていた。


 その言葉に、引っかかるものを私は感じたのだが、それが何か解らなかった……なんだろう?

 まあ、いいかと私は思い直し、その開けた場所の一番奥にある大きな洞穴へと近づいて行った。



「ここがダンジョンの入り口?」

「ああ、そうだ」


 

 ほうほーう、ここがダンジョンの入り口かぁ……んふふふふ……。

 普通のダンジョンとは違うし、今回は目的もあるのでゆっくりと攻略していくわけにはいかないのだが、それでも冒険者になって初めてのダンジョンである。

 心が弾んでしまうのは仕方ないだろう……果たしてどんな難問が待ち受けているのだろうか……トラップや謎解きなんかもあったりするのだろうか?


 私がワクワクと密かに心を弾ませていると、クルードが話しかけてきた。



「ああ、言い忘れてたけがこのダンジョンは普通のダンジョンと違うぜ?」

「え、どういうこと?」

「普通のダンジョンは通常の迷宮とボス部屋と呼ばれる部屋がいくつかあって構成されているけどよ、このダンジョンはボス部屋オンリーだ」



 ボス部屋オンリー?

 それってどういう事?



「特に探索とは必要ねぇんだよ……この入り口を潜ればいきなりボス部屋に飛ばされる」

「え……それじゃ、攻略するのって簡単なんじゃ………?」



 おおう……ボス部屋にいきなり行ってボスだけ倒して終わりって……さすがにしょんぼりだよ……むぅ……もうちょっとちゃんとしたダンジョン探索が出来ると思ってたのに……。

 私ががっかりしているとクルードが付け足す。


「いや、それが……簡単……じゃあ、無いと思うぜ?」

「ん?どういうこと?」

「それがよぉ……前に来た時、戦ったモンスターは普通の個体より強化されてたみたいでよ……しかもそれが10部屋あるんだよ」

「おお……そうなのか」



 それはちょっと楽しみ……じゃなかった大変そうだね……ってあれ?



「それって、以前クルードとシルネアはそれを倒したってこと?」



 ふと、疑問に思う……確か、クルードはランクCの冒険者だよね……ラリアスの街では唯一のランクCの冒険者……確かに強いのだろうけど強化されたモンスターを倒していけるのだろうか?



「ん?ああ……いや、俺たちの時は運が良くてな……その……あれだ……逃げてたら最深階層まで行けたんだよ」



 クルードが慌てながらそう言ってきた……そう言えば、さっきも引っかかることがあった……そうだ、さっきクルードは空からじゃこの場所が見えないと言っていたんだ……つまり、クルードはそれを確認したという事である……クルードもシルネアも魔法が使えないって言っていたと思ったんだけど……うーん……あ、もしかして、誰かに協力してもらったのかな?そして、その人にその事を言わないで欲しいと頼まれたとか?



「そっか、なら最悪は逃げながら最深階層を目指そっか」

「いや、逃げてるときだったからどうやって行ったか解らないぜ?」

「あ、そうなんだ……なら倒すしかないか」



 まあ、隠してることがあるのかもしれないけど気にしなくていいかな。

 シルネアとクルードだって言いたくないことくらいあるもんね。



「それじゃ、早速突入するか!」

「うん、私は問題ないよ!」

「はい、私も問題ありません」

「私も大丈夫です」



 クルードの問いかけに、私、メリッサ、シルネアの順番で返事をした。

 さて……女神のダンジョン……一体どんなダンジョンなんだろうね!

 私は意気揚々と、ダンジョンの入口へと入っていくのであった。

ついに女神のダンジョンへと突入するカモメ達。

そこに待ち受けるのは?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ