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  作者: 恵樟 仁
アンダールシアの危機
16/29

第二幕 5章 13話 頼もしき援軍

本日、無事通電いたしましたので短いですが再開させていただきます。 

13話になります。


「レディさん!」



 冒険者の二人が教えてくれた方向へしばらく走ると、そこには数匹の魔物を持っている斧でなぎ倒すレディの姿があった。



「あらぁん、リーナちゃん?」



 息を切らせて走ってきたリーナに微笑みかけるレディの足元には無数の魔物が葬られたのだろう、魔石がごろごろと転がっていた。



「レディさん!王様たちを助けてください!」



 リーナは街の外の状況をレディへと知らせる。

 


「外にもそんなに強力な魔物がいるのねぇん……解ったわぁん、リーナちゃん空間を繋げてくれるん?」

「は、はい!……で、でも大丈夫ですか?フィルディナンド様の話ではこちらにも邪鬼が二体も来ていたと……レディさんはその邪鬼たちを倒したのでは?……かなりお疲れなのでは?」

「え、ええ……そうねぇん」



 確かにレディの所にも邪鬼が来た……それも二体も……だが、その邪鬼を倒したのはレディではない。

 もちろんレディも戦ったのだが、疲弊をするという程のダメージを受けた訳でも苦戦をしたわけでもなかったのだ……その為、街に入ってきた魔物は粗方倒し終わっている。なので、ここで自分が街から離れても残りの魔物はこの街の冒険者たちが何とかしてくれるだろう。だから、問題なく行けるのだが……それをリーナに言う訳には行かない……クルードとの約束だからだ。

 その為、リーナは返事に困りあいまいな答えを返した。



「でも、大丈夫よぉん……まだまだ、戦えるわぁん♪」

「そうなんですか……さすがレディさんです!」



 リーナの純粋なまなざしが少し痛かったが、本当の事を言う訳にもいかないので自分が嘘つきになるしかない。嘘をついてしまった申し訳なさと邪鬼を倒すことのできなかった情けなさから少し心がもやもやとするが、リーナが言う外の魔物に八つ当たりをしようと考えるレディであった。



「では、さっそく繋げます!」

「ええ、お願いねぇん♪」



 リーナはそう言うと、空間魔法を唱え、フィルディナンドたちがいる場所と街の市場まで繋げた。



「便利ねぇん」

「その分魔法力をかなり使ってしまいますし、行ったことのある場所でなければ繋げられませんけど……この力で皆さんの役に立てるのが嬉しいです」



 健気な事を言うリーナの頭をくしゃりと撫でるとレディはその空間魔法へと駆け出す。

 リーナの魔法で出来た渦を潜り抜けると、そこではフィルディナンドたちが、巨大な化け物と戦っていた。フィルディナンドたちが動き回り、敵を撹乱し、死角から攻撃を繰り出す……だが、その攻撃が全く効いていない……いや、多少はダメージを与えているのかもしれないが、敵からしたら蚊に刺された程度なのだろう……全く気にも留めてないのだ。


 それは単純に攻撃力が足りないのだ……気の力を籠め強化されたコハクの弓ですらあの化け物には大したダメージになっていない……なるほど……その状況を見てレディは凶悪に笑った。

 普段、そんな表情を見せるレディではないのだが、先ほどの邪鬼たちに後れを取ったのが余程悔しかったのだろう。



「良いうっぷん晴らしになりそうねぇん」



 その笑みを見れば、普通の人間であれば腰を抜かし命乞いをするほどの凄みがある。

 レディは、その笑みから表情を戻すと、一瞬にして化け物の背後へと躍り出た。

 そして……。



「うっふうううううん!!!」



 掛け声とともに、化け物を力いっぱい吹き飛ばすのであった。


化け物を吹き飛ばすほどの攻撃力を見せるレディ。

果たしてグラゴストを倒すことは出来るのだろうか?

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