想いが零れたら…
私は、一生懸命にクリスさんを探した。
どこにもいなくて、クリスさんの部屋のドアを思い切り開けてしまったの。
そしたら、窓の外を眺めていたクリスさんが、びっくりした様に私を見ていた。
『ふ…冬の女王…?』
「クリスさん、いきなりごめんなさい…。」
『大丈夫ですよ。顔赤いですけど…大丈夫ですか?』
心配そうに私を見つめてくるクリスさんを見たら、想いが零れてしまった。
「…好き…。」
『えっ…?』
私ったら、好きなんて言ってしまったわ!!
雪の女王は、自分がうっかり零してしまった言葉に恥ずかしくなりました。
ベアが言った通り、想いを伝えよう。
私、頑張るわ。
「…私、クリスさんの事が…好きなんです!!」
大きな声で、青色の目を見ながら想いを伝えました。
『雪の…女王…。』
「いきなり、こんな事を言ってごめんなさい。あなたが、お姉さんと私を重ねているのを知っていても、好きなの。夢の中で、出会った時から…。じゃ、失礼します…。」
雪の女王は、恥ずかしさで一杯で部屋を出ようとしました。
そしたら、青年が後ろから冬の女王を抱きしめました。
「クリスさん…。」
『雪の女王、ありがとうございます。あなたへ…伝えたい事があります…。』
冬の女王の耳元で、青年はそう呟きました。
そして、冬の女王を自分の方に向けてこう言いました。
『僕は、冬の女王が好きです。最初は、クリスタル姉さんと重ねていました。そっくりだったので…。だけど、あなたを助けに行く時に…僕は姉さんの事を考えませんでした…。代わりに、あなたの事ばかり考えていました。あの時は、本当にごめんなさい…。傷付けたのに、好きだなんて…迷惑ですよね…。』
冬の女王は、青年の想いを聞いて嬉しくなりました。
「クリスさん、ありがとう…。あなたは、ずっと辛い想いをしていたのよ…。私のせいで、凍えそうだったのに…抱きしめてくれてありがとう…。」
『冬の女王…。』
青年は、雪の女王を抱きしめました。
雪の女王は、青年より小さく胸の中にすっぽりと収まるくらいです。
「クリスさん、好き…。」
『僕も…好きです。どの季節も好きだけど、冬が一番大好きです。こんな僕で良かったら、付き合って下さい…。』
「私こそ、よろしくお願いします。」
そんな二人を黄色い月が優しく照らしていました。




