春とのお話
塔への階段を昇り、ドアをコンコンと叩きました。
『はーい。』
春の女王の可愛らしい声が聞こえてきました。
「冬だけど…。」
『あっ、冬の女王。ベアが会いたがっていたんですよ。』
『冬ちゃん!!』
ベアは、冬の女王に勢い良く抱きつきました。
「ベア、可愛い…。」
頭を撫でてあげながら、そう言ったら嬉しそうな顔をするベア。
『だけど、どうしたのですか?何か、足りないものでもありました?』
「ううん、そうじゃないの…。今年も、可愛いお花をたくさん咲かせてくれて、ありがとう。」
『それが、私達の役目ですよ。何かあったのですか?』
春の女王は、心配そうに冬の女王を見ました。
「あのね…私、クリスさんの事…」
『好きなんでしょ?』
途中まで言っていたら、ベアが先に言ってしまいました。
「ベア、知ってたの!?」
『皆、知っていますよ。夏の女王と秋の女王だけですけど…。』
秋姉さんまで知っているなんて、どうしてかしら…。
「そうなんですね…。だけど、クリスさんは…私とお姉さんを重ねているだけです…。」
『好きという気持ち、伝えないと何にも始まらないよ…?』
ベッドに座りながら、ベアがそう言いました。
『私、クリスさんも冬の女王の事を好きだと思います。だって、出て来れなかった時…とても心配してました。』
「そうなの…。」
ベアが言う通り、気持ちを伝えてみよう…と決心した冬の女王でした。
「私、帰ってクリスさんに気持ちを伝えるわ。だけど、まずは秋姉さん達に報告をしないと。」
『冬の女王、応援しています。』
「頑張るわ。」
冬の女王は、塔を出て急いでお城へ向かいました。




