私とあなたの想い
次の日、冬の女王と青年は亡くなったお姉さんのお墓参りに行きました。
「クリスさん…大丈夫ですか?」
『大丈夫ですよ。冬の女王がいてくださるから…。』
その言葉に、冬の女王の顔は熱くなりました。
「そ…んな事…。」
『あっ、ここです…。』
指差した方を見ると、小さな丘になっている場所がありました。
そこには、石にクリスタルと刻まれていました。
「クリスタルが、お姉さんの名前なの…?」
『そうです。とても優しくて、いつもニコニコしていた…。大好きな姉さん…。』
青年は、跪いて手を合わせました。
冬の女王も、手に持っていたお花を置き、手を合わせました。
『冬の女王、来て頂いてありがとうございます…。』
「大丈夫です。」
そう言いながら、冬の女王はこんな事を思っていました。
クリスは、私の事をお姉さんと重ねているらしく、私の事はどんな風に思っているのかしら…。
私は、クリスの事を…夢の中で出会った時から…好きなのに…。
だけど、こんな事…言えないわ…。
『本当にありがとうございます。僕の事を家族にしてもらえたのも、とても嬉しいです。』
最初に会った頃より、青年は笑うようになりました。
「いえ…。クリスさん、暗くなってきたしそろそろお城に帰りましょう…。」
『そうですね…。』
実は、この時青年は冬の女王ともう少し長く一緒にいたかったのですが、言えませんでした。
「あっ、クリスさん。私、春の女王に用事があるので…先に帰って頂いても良いですか…?」
冬の女王は、春の女王にこの想いを相談しようと決めました。
もちろん、夏・秋の女王にも相談するつもりです。
『はい。分かりました…。』
お城へ向かう青年を見送って、冬の女王は塔へ歩き出しました。




