ご褒美は…
『冬の女王、大丈夫か…?』
あれからお城に戻った二人は、王様の所へ行きました。
王様は、冬の女王を心配しています。
「王様、ご迷惑をお掛けしてごめんなさい…。私は、悪い夢を見ていたみたいです。夢から覚めたのは、クリスさんとあの子のお陰です…。」
『あの子とは?』
王様は、ベアが動いたり話せる事を知りません。
冬の女王は、どう説明したら良いのか分からず、焦りました。
「えっと…。」
『あの子は、遠くの小さな子供です。オレンジ色の髪をした優しい女の子でした。』
隣にいたクリスが、助けてくれました。
『その子は、今どこにいる?』
「さっき、帰っちゃいました…。」
本当は、春の女王とニコニコしながら塔にいますが、そんな事は言えません。
『そうか…。とにかく、冬の女王が無事で良かった…。クリスよ、褒美は何が良い?』
『王様、ありがとうございます。だけど僕は、褒美なんていらないです…。ただ、皆が幸せでいられるなら…。』
クリスは、自分のせいで冬の女王を出てこなくさせたのに褒美なんて貰えないと思ったのでした。
『王様、お願いがあります。』
そう言ったのは、秋の女王。
「秋お姉様!!」
冬の女王は、嬉しそうに秋の女王へ駆け寄りました。
『冬、良かった…。お願いは、クリスさんと私達が会えるようにしてほしいのです。』
『えっ…?』
クリスは、どうして、そんな事を言うのか分かりません。
『クリスさんは、お姉さんを亡くされて…ずっと一人です。私達が、家族みたいな存在になりたいのです…。』
『うむ。クリス、あなたが良かったら私達といてくれないか?』
クリスは、その言葉に嬉しくて青い目から涙が一粒落ちました。
『…有り難きお言葉…。僕の方こそ、お願いします…。』
大切なお姉さんを亡くして以来、泣かなかったクリスは初めて泣きました。
「クリスさん…。」
夏・秋・冬の女王は、クリスをそっと抱きしめました。
この日、四季の女王とクリスは家族になりました。




