冬と春
『お花が咲いているよ!!』
『冬が終わっちゃったんだ…。』
塔の外では、子供達が話していました。
『冬の女王…。』
「あ…の、クリスさん…。」
冬の女王は、自分が抱きしめられている事に気付き、驚いています。
『冬ちゃん!!』
下を向くと、ニコニコしているベアと目が合いました。
「私の心の壁を溶かしてくれて、ありがとう。」
冬の女王は、にっこりと笑って言いました。
『冬の女王…。』
入口に、可愛らしい声がしました。
「春の女王…。ごめんなさい…。」
黄緑のドレスを着た春の女王は、冬の女王を心配そうに見ていました。
『良かった…。皆、冬の女王の事好きなんだよ…。これからは、何かあったら、相談してね…?』
「ええ…。ベアとクリスさん、皆に感謝をしないといけないわね。」
『春と交代しましょ?私は、ベアとお花を咲かせるわ。』
「暖かくはしなくて、良いの?」
いつもの春の女王の役目は、暖かくする事も入っているので、どうして…と思ったのでした。
『クリスさんが暖かくしてくれたから、大丈夫よ。』
『えっ、僕が…?』
クリスは、目をまん丸にして不思議そうです。
『そうだよ。冬ちゃんを暖めたから、外も暖かくなったんだよ。』
ベアが嬉しそうに言いました。
「クリスさん、ありがとう。」
冬の女王は、青年の目を見てはっきりとお礼を言ったのでした。
『冬の女王、また会いましょう。』
「春の女王も、お元気で。また、会いに来るわ。」
『待ってるね。』
冬の女王は、挨拶をして青年と一緒に塔を出ました。
「きっと、皆…怒っているわね…。」
心配そうに冬の女王が言うと、青年はこう言いました。
『皆、心配していました。冬の女王は、どうしたんだろう…と。全部、僕が悪いんです。』
「そんな…。クリスさん、謝らないで…。」
階段を降りて、地上へ着くと街の皆が立っていました。
『冬の女王、大丈夫ですか…?』
『具合が悪いと聞いて、心配していました…。』
皆、怒っておらず心配そうに冬の女王を見つめています。
その光景を見た冬の女王は、嬉しくなりました。
「…皆さん、ありがとう…。大丈夫です。」
『良かったです。』
『バンザーイ!!』
自分の事のように喜んでくれる街の人を見ながら、大切にしていこう…と冬の女王は、思いました。
塔からその光景を見ていた、春の女王とベアは顔を見合わせてにっこりと笑っていました。




