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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

撥ねられ、目覚めた新しい気持ち

作者: 富田雄也

————いたい、いたい、痛い


 僕は中学二年生、友達の家から自宅に帰る途中。友達の家は僕の家から見て南の方角にある、だから北に向けて自転車をこいでいる。

 そんな自宅への帰り道ガードレールなどは無いが車道より少し高く段差が出来てる形の歩道を自転車で走っていた、車道は車が近くを通るから危ないと思っての行動……なのにそれは突然起きた。


「え? 何?」


 起きたこと事態は分かった、だけど何が起こったのかは分からない……いや分かりたくない…………なぜなら


「あ、ああああ」


 右腕が右足おかしい、別にいたくもなければかゆくもないし、ちゃんと動く。なのに……白いものが、ピンクの中から赤い物を纏って見えている。他に違和感があるのは左の腹に少し痛みを感じるだけだ。

 何が起きたのかは簡単な話。轢かれた……いや当てられたのが正確か? 歩道を走ってる僕に車が体当たりしてきたのだ、ガードレールが無い分その危険性はあっただろう、だが段差はあるそれでもぶつかるのは以上だろう。車道を走れば今見たいな危険が増えると思い歩道を走っていたなのにこれだ。

 今回みたいな方が特殊なのかもしれない、ガードレールやそれにそれに近いものがあればまた違っていただろう。だがそれは今自分の見にかかっている。

 当てた本人は毛根場にはいないのだが。そんな中不幸中の幸いとでもいうべきか、周りに人が居た。おかげで当てた車の車種と、ナンバープレートを控えてもらえたらしい、救急車も呼んでくれみたいだ。


「人間にも優しい人は多いんだなぁ」


 と場違いな感想を抱く。

 こんな感想を抱くのにはわけがある。以前何の動物か遠目で判断は出来なかったが、轢かれてる現場に遭遇したことがある。

 だが車が途切れても埋葬してやろうとくようしてやろうと動く人を見なかった。ずっと見ていたわけではないので、誰かが保健所などに電話してくようしてやったやったのか、埋葬してやったのかは定かではない。

俺は人間であるが……括りを大きくしてみると、動物でもある。

 先程述べた動物は俺たち人間と違う生きも畜生とも言われる方の動物だ、だから比べるの自体間違ってると言われれば、確かにそうだ。だが、あの時おれは見てみぬふりをした数多い人間の一人だ。

 あの時は自分の事を棚に上げて、人間は薄情だと思った、だが今の現状を見てもそう思うか?

 見ず知らずの……いやもしかしたら向こうは知ってるかもしれないし、挨拶くらいは交わしたかもしれない、同じ町に居るのだその程度であればかかわりはあるだろう。

 だが逆に言えばその程度しか関わりがない人たちだ、そんな人たちを見ず知らづと言っても間違えではないなのに、皆見過ごせないと攻するのが当たり前だと言わんばかりに行動してくれる


「こんな状態になってようやく人の温かさ、優しさに気づくとは」


 自嘲気味に言うが、こんなことでもなかったら。きづかなかっただろう感情、案外なってみても良かったのかもしれない。

そう思ってるうちに救急車が到着


 救急車に担ぎ込まれ、救急隊員が診察などするのかと思いきや


「大丈夫必ず助けてやるから安心しろ! まだ若いのに可哀想に……」


 そう励ましてくれはするものの診察や状況確認などは一向にされない。励ますより仕事しろよ、そう思いつつ黙って励ましを聞き続ける。その後どのくらい時間が立ったかは分からない、が診察や状況説明など、こちらを気遣いながらされた。

 仕事を先にしろよとは思うもののまたしても気せずして出会う人の温かみ。


 もう病院だ。病院に着くまで続く励まし、そのおかげか時間が過ぎるのが早く感じた。がここからが長い、まず処置室にそのまま運ばれ、服を脱がされ怪我周りの洗浄。思いのほかしみたりしない、痛みもさほど感じない、ただ反射的に「いっつぅ」と我慢しきれず苦鳴を漏らしてしまう。医者が来るまでに数分いや……数十分か? どのくらいたったかは時計が無いので分からないが、喉が渇く、喉が渇いたというと。

「氷ならなめてもいいわ」

 と言われ氷をなめることに、無いよりましだが水程喉の渇きを潤わせることは出来ない。

 看護婦とそんなやり取りをし、傷口の洗浄が終わってようやく医者が来る。


「これはひどい」


 言われまた始まるのかと思いきや


「まずは抜けてる骨を直そう」


 そう言われ、少し呆気にとられる。今までの状況を鑑みるに歳のせいもあるだろうが、励まされたり、こんなことをした元凶に憤りを感じる発言が多いが、流石は医者と言ったとこか。そんな感想を抱いてると


「じゃぁ直すよ、痛いかもしれないけど我慢してね……」


「いっつぇ」


 反射的に漏れたが、痛くない。何故か分からないが全く痛くない


「大丈夫みたいだね」


 医者はそう言い看護婦に後の治療を任せどこかに行ってしまう。……アレ? 今ので終わり? 他の部位なんかは見ないの? そう思っていても声には出せない。

 疑問抱き、思考をしようとすると今度は


「じゃぁちょっと移動するからそのまま動かないでね」


 何やら別の場所に行くらしく。俺は動かないまま台車を変えられ、変わったと思ったら即移動、処置室から通路にで、エレベータにのりどこやら分からぬ場所に移動。


「今から検査するけど気分が悪くなったりしたら言ってね」


 と訳も分からぬまま検査開始らしい、良く分からぬトンネルみたいなのに通され、少し頭が痛く、胸のあたりがむかむか気持ち悪くなって来るが、この程度なら大丈夫だろうと思い。何も言わない


「ハイ終わりました」


 終わりを告げられ、また移動。今度は処置室に移動し、血を抜かれ、傷口に薬を塗りガーゼをして終了。念のため数日は入院。取りあえずは悪化するかもしれにと集中治療室に居座ることに。見た感じ何の変哲もない部屋だ、ベットに心拍などを図る機械があり布のカーテンの代わり、ビニールのカーテンがかかってるおかげで周りに見られるがこちらからも見れる。

 することが無いので周りを見れば何やら危なそうな人が多い。場違い感が半端ない。


「何かあったら言ってくださいね」


 言って看護婦は離れて行く。

 怪我のほどは左の肋骨2本折れ2本ひびが入った状況、右手足は開口骨折と言うらしい。俺なんか見た感じ脱臼にしか見えなかったが。

 救急隊員や、住民の反応が少し大げさだったが、命に別条はないし、取り合えず色々あって疲れたし今日は寝る。

 寝る前に便所に行きたいが、まぁいいもう眠い


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 次の日起きてびっくり、シーツがぼとぼと、しかも黄色い染みまで。

 言って置くがねしょんべではなく、傷口を抑えてたガーセが外れたのか許容オーバーしたのか膿汁みたいなのがあふれ出しシーツに黄色い染みを作ったという訳だ。


「特に異常はなかったようですね」


 朝起きてちょっとましてから、看護婦がやって来た、この惨状を見て異常なしと判断できる辺り、こんなのは日常茶飯事なのだろう。今後の話をつらつら話し出す看護婦


「異常がなかったようなので大部屋に移って貰って、検査がある日は検査。他は特にないです」


 ざっくりした説明をされ、特に疑問は抱かずに移動しようとすると。車椅子を持ってきている看護に気づく。これに乗っていいのか? そんな疑問を抱くと


「出は行きましょうか」


 そういい、ベットの横まで車椅子を持ってくる。やっぱり乗っていいのかそう思い乗る。そのまま押され大部屋に移動する。移動中周りを見たりしてみたが、少し変わってるのは、来る時もそうだったが、パスをかざして開くドアこれくらいだろう。他は白い壁が続き、時々通路が分かれたりするくらい。


 車椅子にただ座ってるだけの俺は通路を見るにしても暇だ。そんな思いが通じたのか同じような通路が続くだけだったがエレベータにぶちあたる。物理的に出はなく状況的に。


 と言っても病院のエレベーターも他のデパート何かと変わりない、そのまま数階のぼり大部屋の有るか階に着き、これから数日共にするへ打屋に到着する。


「この部屋でこのベットです」


 そう案内されたのは4人部屋の窓が二つある部屋の窓側のベット、することもないし窓側ならちょうどいいそう思う。他の三つのベットは二つが老人一つは空きだ。洗面台とトイレがある外にもトイレがあるからどちらでもいいのだろう。


「何かありましたらナースコールで呼んでください。痛み止めは毎食後一錠です」


 説明が終わり帰っていくナースに興味などなく外を眺めてると。


「大丈夫みたいで良かったぁ」


 そういい入ってきたのは知らぬおばちゃん


「あの時の犯人つかめたわよ」


 その言葉を聞き、あの場面に居たおばちゃんかと納得。話を聞くと犯人は日頃は周りからの評判も良く、悪い人出はない様だ。家庭もありそのせいで逃げてしまったらしい、後悔し警察にも自首したようだ。俺を撥ねた理由も昨日は遅くまで残業させられ、そのせいで居眠り運転をしていたらしい。


「居眠り運転だなんて信じられない」


 俺の代わりにか分からないがそう怒っているおばちゃんに、


「いいんですよもう、病院のお金それから今後こんなことの無いように気をつけて運転してくれれば」


 そう事を荒立てる必要なんてない、飲酒運転の常習犯だ、ひき逃げの常習犯だというなら別だが。彼のせいではなく今後気をつけてくれればそれで


「いいの? こんな怪我までしたのにやさしいのね」


「そんなことないですよ」


 そう、そんなことないのだ

 俺がこう思えるきっかけをくれたのは他でもないあなた達なのだから。

 昔の俺ならこんなこと思ってなかっただろう、恨んだり憎んだりしてた。だがこの怪我を通して、人の温もり、優しさを身をもって感じた。それが一時だけであったとしても。明日にはこのおばちゃんですら、人をだましていたりしても。

 俺は学んだ仮初、一時だけそんな短い時間でも他人に優しくできる人たちが居ることを、だから俺は他人に優しくできるよう。そうあり続けられるよう生きて行こう。

 まずその一歩が今回の犯人を許すこと。

 そこから俺は始める。

感想などあればお気軽に

今歩道を自転車で走ってると注意されるかもしれないので気をつけてください

あくまでこれは架空の話です


読んでいただきありがとうございました

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