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1-3

このゲームでは、大将以外のメンバーを戦闘不能にすることができるが些か暴力に陥ってしまう。それを防ぐべく、全員首からコインを提げることになっていて、コインをとられたらその場でリタイアである。

開始三日前、スタート地点の体育館に我が部十二人は集合し、リハーサルを行い、修正を加えた。完璧である。流石はエロース、流石は部連。負ける気がしない。ちなみに我が部連が勝利すると部費が二倍、負けると廃部である。この条件は私が交渉し、承諾にこじつけたものである。まだ、私は本気を出していないが。


さてさて、生徒会側の動きが分からないまま、開催前日の二十三時。校門前に集うは選ばれし五人、先頭は私である。時計が一日の終わりを指したとき、作戦を決行。まずは校門の鍵を開ける。この鍵は松村が生徒会長の権限で職員室から借り、藤野がサッと型をとって、複製したものである。

「では、各々持ち場につけい。」

私の合図で、他の四人が移動する。門の前にはグリー部部長山田氏を配置。彼はその美しい声とは裏腹に町内で最も大声が出せる。そんな山田氏には重要な役割、見張りを任せる。いざというときは大声で警報を鳴らしてくれるだろう、その身を犠牲にして。

そしてこの作戦でもっとも重要なのが藤野である。彼は鍵屋のくせにピッキングのプロである。親父さんの作業場で鍵をひたすらピッキングしていたらしい。深夜に映画館に忍び込んだときも彼の技術が役立った。藤野は開門と同時に校舎の鍵をピッキングし出す。旧校舎と新校舎はグランドをはさんでおり、およそ200メートル離れている。彼は運動不足の身体に鞭打って全力で走らないといけない。


私も行動を始めないといけない。向かう先はゲームの開始会場である体育館。機械研究部部長と共に扉の前に待機。よし、藤野が死にそうになりながらやって来た。数分後に扉が空き、私と相棒は中に入る。藤野には段差で休んでもらおう。ご苦労様。中は暗いので、懐中電灯を使う。そして、あちこちから消火器を集めてくる。あとはナイスな機械を使って、パッと仕事を終える。嗚呼疲れた。



そして、一時間以内に全員が門前に集合し、訳の分からない雄叫びを上げて解散である。放課後が待ち遠しく、眠れなかったのは言うまでもない。


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