表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(連載)乙女だけどBLゲームの世界に転生した。  作者: トイレの芳香剤は、金木犀の香りに限る。
高宮まどかの場合。
1/11

1 入学式でアッー!

 真新しい制服に身を包み少し緊張した面持ちで彼女は思った。

  ……ここに来れた。

 長かった、辛かった。

 ゲームは一年前から止めた。

 テレビは受験番組とニュースのみ。

 ラジオはラジオ講座のみ。

 やっと念願のこの学校に入れた。

 全寮制で美男子が多いこの学校に。

 此処で素敵な彼を射止めるのよ。

 頑張れ私。

 そのために大好きなゲームも、お笑い番組も、音楽 放送も、我慢して、我慢して、勉強して来たじゃな い。

 彼女は新たな決意と共に、今、一歩を踏み出し校門 をくぐった。


 だが……、彼女は知らない。

 この学園は殆どがホモとBLしか居ない事を……。

  この学園の名は……。


【このオープニングは、皇和緒さまの提供でお送り致しました。変態の生産量で世界一を誇るすめらぎグループを、今後ともよろしくお願い致します。】

『高宮まどか、15歳』

 高宮まどか。15歳。得意なものは、料理と暗殺。今日から、念願の高校生です☆


   ☆


 キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。

「あ」

 高宮は、顔を上げる。高校でも、チャイムの音は、中学校と変わらないんだ。


 その事実に妙にがっかりし、そしてそのことに苦笑をもらす。

 短く刈り込んだ、男の子みたいな髪型と、183cmという長身。電話でも『お父様ですか・・・?』と間違えられるハスキー・ヴォイス。だが、彼女は、れっきとした女の子である。


 彼女は、ぐ、っと拳を握り締めた。今までは、暗殺ばかりでまともな学校生活も遅れなかった。だけど、今日からは違う。--必要なお金も稼いだ。そーゆう仕事を依頼してくる伯父に、大学卒業までは連絡をよこさないように誓約もさせた。血判の拇印を押させた手書きの書類は、今、部屋のリビングに額に入れて飾ってある。--大丈夫。これで、晴れて私も、『ごく普通の女の子』だ。

 少女漫画のヒロインみたいに。素敵な恋がしたい。



『入学式』

 何はともあれ、入学式である。何事も、初めが肝心だ。まず、相手に気取られないように背後からそっと忍び寄り、ビニール・ロープで・・・。おっと。もう暗殺の仕事はお休みにしたんだった。


 内心で苦笑し、真新しい上履きをはいたマドカは、クラスメイトたちとともに、新しい教室を目指す。--今日から三年間、この校舎にお世話になるんだーー。そんな感慨を込めて、体育館から校舎への渡り廊下から、洋風の校舎を見上げる。春の陽光を照り返す窓ガラスが、きらきらと輝いている。校庭の隅に植えられたポプラ、イチョウ、サクラ、カエデ。そんなものたちが、すべていとおしい。


 ああ、わたし、高校生なんだ。

 いつもの癖で学生カバンには暗殺用具一式が入っているが、携帯電話は寮に置いてきた(この学校は山奥にあり、全寮制なのだ)。

 伯父の顔などしばらくは見たくないし、声も聞きたくない。--伯父には悪いが。


 ともかくも彼女は、嬉しさににやける頬をなんとか手で押さえ、教室に向かうクラスメイトたちを改めて見ーー、気付いた。

《男子しかいない》


 ロン毛、金髪、長身、ショタ、不良、と色々いるし、改造制服を着ている者までいるが、--女子がいない。女子だけが、いない。

 彼女は気付いた。


(女子だけ別行動だったのかっ!?)

 だが、体育館で行われた入学式を思い出し、かぶりを振る。そうだ。体育館にも男子しかいなかった。つまりーー


(女子はテロ組織に拉致されているッ!!? 早く救出しなければ!!)


 だが、教師にも保護者たちにも、緊迫した様子は見て取れない。彼女はーー


「貴様らッ!! 一刻も早く女子を救出しなければならない状況で何をのんびりとしているッ!! 戦える者は武器を取れ! 戦えぬ者は体育館に避難し、後方支援を頼む! 具体的には、負傷者の救護と、搬送だ。食料については、追って通達する! やつらは、巧妙に潜伏している! 何せ、このわたしに気取られぬくらいだーー皆、心してかかれッ!!」


 ーー叫んだ。

 呆気にとられる周囲。そしてややあって、近づく、一人の生徒。


「あの、高宮・・・さん?」


 名札を確認しつつ、おずおずと話しかけるその生徒は、まるでファンタジー世界の最弱魔物、犬の顔をしたコボルトのようだ。よし、決めた。今日からコイツの名前はコボルト。


「ラチって、何のこと? ぼくたち、今日、初めから女子はいないけど・・・」

「女子がいないッ!? 敵に略奪されたのかッ」


「り、りゃくだつ? いや、ぼくらは・・・」

 コボルトーー名札を確認すると、白野 ジンーーの両肩をつかむマドカ。

背の高い男子生徒が、二人に近づく。光るめがね。ひきしまった薄い唇。


「--ここは、男子校ですよ」

Thanks for Reading !


主人公(女)「お前が、すきなんだっ!」


熱血系男子「……ゴメン。おれ、部のセンパイが好 きなんだ」


主人公「このフォモっ!?」


熱血系「てめーだってオレに告白してる時点でフォ モじゃねーかっ! このフォモ!!」


主人公「だまれフォモめ! フォモの人権は軍隊で も保証されている! さらにっ! アメリカのいく つかの州では結婚も可能だっ!! だがっ! わた しはっ! フォモが! キライだっ!!」


熱血系「うるせえフォモ!!」


主人公「いい加減にしろフォモ!!」

 ……そして彼らは日が暮れるまで罵り合った。お 前の母ちゃんでべそ。お前の父ちゃんおたんこなす。



【プロローグ提供】 皇和緒さま。


実は、このプロローグは、活動報告にて頂いた皇さまの手によるものなのであります!! どーもありがとーでござるー!!


【すぺしゃるさんくす☆】


●『男だけど乙女ゲームの世界に転生した。』

 http://ncode.syosetu.com/n5108bp/

 を完結させた、鴉野兄貴さま!


 パロディ・タイトルの使用許可を頂き、ありがとうございます! 兄貴さまのキライ(たぶん)なBLですがね!


● プロローグの使用許可を下さった、皇和緒さま!


● 活動報告『乙女だけどBLゲームの世界に転生した。』にて、コメントを下さった皆様!


 どうもありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ