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医者

よくわからない単語は、医療界の専門用語ということです。麻雀用語を使ったのは、愛嬌ということで御容赦ください。

 ……あれ?

 なんか空が赤いぞ?

 いやいやいや、そんなわけないだろ。

 え? ちょっ、おまっ。

 ――どうやら事故ったっぽい。



      ************



「先生ッ! 意識レベル低下ッ、バイタルサインも落ちていますッ」

「すぐに緊急オペだッ! 第二治療室を使うぞッ」


 さっきからずっと、俺の周りで人がせわしなく動いている気がする。

 空が赤くなった時、遠くで女の悲鳴みたいなものが聞こえた。

 轢き逃げにあったらしい。悲鳴は俺が、宙を舞ったためだろう。

 まぁということは、俺はすぐに救急車を呼んでもらえたわけで。


「輸血の準備だッ、それからカンツとコウツもッ」


 こうして二十分後には、先端医療が受けられるてはずが整った。

 さすが日本。スゲー。


「よし、患者を移動させるぞッ、一、二、三ッ! この状態なら上手くいけば、サンカンツにもっていけるぞ!」


 こういう大事故に巻き込まれたのは初めてだった。

 意外だったのは、頭はぼんやりしてるが、周りの音だけはクリアに聞こえているということだ。

 おかげで医者や看護士の、専門用語が飛び交って、もはや暗号文の体裁となっている会話を聞くことができた。

 ……だからなんだ、って話なんだけど。


「オペを開始する。メス」


 あ、なんか始まったっぽい。

 え、スゲー怖いんですけど!?


「くッ、中はひどい状態だな……。リーハイの必要がある……」


 マジで開いてんの!? 怖い怖い怖い!

 痛みを感じてないところが逆に怖い!


「よし……これでミンカンが二つ……あと一つ……」


 手際はいいみたいだ。なんかあと一つらしいし。

 しかし突然のアラート音! オペ室に緊張が走る!


「先生ッ! 心拍数低下ッ、危険ハイですッ」

「なん……だと! このタイミングでチャンカンの危険性……! いや、一つ間違えればコクシムソウだとォ……!」


 あれ? なんか、ヤバいっぽい?


「先生ッ! ゼンツッパなんてダメです!」

「うるさいッ! ナイてしまっている以上、リーチも無理か。だが、ヤクができなければこの患者は死んでしまう!」


 俺、死ぬの!?

 や、やべぇ……なんか意識が飛んできたかも。お迎え来たっぽいな、たぶん。


「し、心拍停止ッ! 先生ッ!」

「電気ショックだッ! いそげ!」


 その声のあと、一瞬風景が跳ね上がった気がしたが、なにをされたのかは考えないことにした。怖いから。


「クソォッ! コイ、コイッ、コイィィイ!」


 なんか体が超跳ねてる。なにこれ楽しい。

 ――つか、なんかもういいよ。

 助けようとしてくれているのは十分に伝わったからさ。

 その気持ちだけでも、スゲー嬉しかったんだよな。なんかさ。

 感謝の気持ちに包まれながら、安らかに眠りにつこうとした、その時、


「こんなところで、医療ミスなど起こしてたまるものかァァァッ!!!」


 あ、そういうこと!? 自己保身で俺を助けようとしてたの!?

 そして、奇跡が起きた。


「心肺再開……! 信じられない……あの状況で、すべてかわしきって、その上リンシャンカイホーなんて……!」

「ド、ドラ十だと……! やっぱり先生は、ゴッドハンドだ……!」


 ……俺は二度と、この病院にはこないことにした。


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